聞文読報

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7月30日 産経ニュース『菅氏反論「法制局長官外したのは民主党政権」 「歴代長官も危惧」と安保法案反対訴える民主の矛盾指摘』における前川清成委員の質問と菅内閣官房長官の答弁

  1. ※2015年7月30日、参議院『我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会』より

前川清成民主党・新緑風会

この状況を前提にして、今の朝日新聞の調査、あるいはNHKの調査、歴代法制局長官のコメント、などなどを前提にして、菅官房長官にお訊ねをしたいんですが、6月4日の衆議院憲法審査会において、自民党推薦の学者も含めて、参考人全員が安保法案は憲法違反だと述べられました。

その日の夕方でしょうか、官房長官は記者会見で、問われたかと思います。「まったく違憲ではないと言う著名な憲法学者もたくさんいらっしゃいます」、とこういう風に答えておられます。

官房長官の記者会見っていえば言わば<政府の公式コメント>、<公式見解>をお述べになる場所だと思います。今のような状況で、憲法違反ではないという、まったく違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいるというのは、到底信用できない。

ま、残念ながら、官房長官が、根拠もなくおっしゃったのではないかと。そうなると、官房長官の記者会見に対する信用、これまで失墜させてしまうわけです。

6月4日、いったいどういう根拠で、「まったく違憲ではないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と、お答えになられたのか、お訊ねいたします。

菅内閣官房長官

私はですね、これ記者会見の質問で、安保法制の憲法の審議会に出席した3人の憲法学者の人が違憲だと。これについてどうですかという質問だったという風に思います。

その中でですね、私は今委員から質問がありましたように、違憲でないと言う憲法学者もたくさんいるということは申し上げました。そういう人のことについて、衆議院でも同じような質問を受けました。

私あの、3人の憲法学者の名前を出させていただきました。で、その他にも10人程度いらっしゃるということも申し上げました。

その上で申し上げれば、憲法学会の中でどの方が多数で、どの方が少数派ということは重要ではなくて、<合憲であるか違憲であるか>という判断は、まさに《憲法》で《違憲立法審査権》が与えられている、憲法の番人の《最高高裁判所》によると、そういう風に考えております。

そして、まぁ先ほどの、<最高裁判所砂川事件>のことに、つながってくるという風に思います。

それと同時に、今、内閣法制局長官経験者のことも言われました。これはかつて民主党政権の時に、やはり官房長官が記者会見で言われておりますけども、「憲法解釈は政治的なものを帯びるので、その時点の内閣の責任を持って、国民、国会に提出するのが最も妥当な道だと考える」と。時の官房長官が、これは正式に発言をされております。そして一時期、法制局長官を政府参考人から外して、法令解釈担当大臣が答弁を行っていた時期もあったという風に思っております。

私たち安倍政権におきましてはですね、この法制局長官を政府参考人に戻して、法律問題の専門家として、必要に応じてですね、意見を聞きながら、行政事務、あるいは国会審議に取り組んでいるところであります。

前川清成民主党・新緑風会

あのー、残り時間が少なくなってまいりました。

それで先ほども申し上げましたが、国を守る、国民の命を守る、それが政治の最も大事な仕事のひとつだということは、私も揺らぎません。

ですから、もしも北朝鮮のミサイルに対処する必要があるというんだったら、イージス艦やPAC3、ミサイル防衛に力を注ぐべきだと思います。尖閣始め、南西諸島の防衛が大事だというのであれば、ホルムズ海峡に行かずに、東シナ海を守るべきだと。

今政府がやろうとしてること、この集団的自衛権というのは、何か二階から目薬を差そうとしてるのではないか、ということだけ申し上げて、後はテロの危険のこともお話したかったんですが、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

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発言者:菅義偉内閣官房長官前川清成民主党・新緑風会