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聞文読報

聞こえる言葉を文字に起こし、目で聴く読み物に変えて発信します。

8月5日 青山繁晴 安保法制案について(全文) 『インサイトコラム』

ラジオ

※2015年8月5日放送、RKBラジオ『ニュース新発見インサイト』より

水曜日です。独立総合研究所、青山繁晴さんの登場です。

坂田 青山さんおはようございます。

青山 おはようございます。

坂田 さぁ今朝は青山さん、改めて安保法制についてですね?

青山 ええ。皆さんよくご承知のとおり、安保法制案は参議院に移りまして審議続いてますね?

坂田 はい。

青山 その審議をご覧になってて、あるいはお聞きになってて、質問する野党から答弁する総理をはじめ政府側すべて通じて、衆議院の時よりもずっと意味があって良くなったと思ってるリスナーの方、どれだけいらっしゃるか。

坂田 あぁ。

青山 もうしゃべってて苦笑しそうになるんですけれども。

坂田 はい。

青山 昨日もテレビ中継ありまして、僕は仕事しながら、原稿書きながら、全部の審議見たんですけれど、正直言って馬鹿馬鹿しいやり取りは多いと言わざるを得ないと思います。

坂田 そうですか。

青山 たとえば恥の上塗りで、磯崎さんという総理補佐官が参考人で呼ばれると。

坂田 ええ。

青山 政府内部の人間が国会審議で参考人に呼ばれるなんて前代未聞ですけれども、この磯崎総理補佐官。何を言いたかったかというと、法的安定性って言葉、とても難しい言葉。普段聞きませんけれど、要は憲法とか法律とか解釈や使い方がいたずらにグラグラすると困っちゃうから、なるべくそうしないようにしましょうってことなんですけれども。恐らく磯崎さんの言いたかったのは、必要があったら国民を守ることが優先するんだから、法が変わったり、あるいは解釈が変わったりするということですよね?

坂田 はい。

青山 そうしたら「その発言を取り消す」とその場しのぎの保身を言うだけじゃなくて、何故、「真意はこうで、自分の言葉の使い方は思わず興奮してまったく悪かった」という説明をしないのかと思うんですね。

坂田 ええ。

青山 その上で今日、リスナーと改めて一緒に考えたいことは、そもそも参考人というのは誰を呼ぶべきなのかということです。

坂田 はい。

青山 これ総理補佐官を呼ぶような、あるいは呼ばれるような、与野党ともに恥ずかしいことしないで、当然参考人に呼ぶべきは自衛官でしょう?

坂田 ああ~。

青山 当然リスクが増えるとか増えないとか、そういう話もしてるわけですから。本来自衛官というのは政府の一員ですから、こういう時に参考人じゃなくて答弁すべきなんですけれども、世界の議会国会では当然軍人が議会国会で証言してますけど、敗戦後の日本では何故かそれ許されないんで、じゃあそれだったら総理補佐官が呼ばれるくらいですから、自衛官参考人に呼べばいいと思うんですね。

坂田 ええ。

青山 それに関連して現場の話をちょっとしますと、まだほんの数日前なんですが、僕は何人かの学者さんたちと一緒に航空自衛隊百里基地に行ってきました。

坂田 はい。

青山 茨城空港に隣接した戦闘機の発進する基地ですね。ここから、この茨城沖の海に飛行機に乗って出て行ったんですね。

坂田 はい。

青山 乗った飛行機は多用途機っていいまして、もともとはビジネスジェットで使ってるやつを航空自衛隊がいろんな用途で使う、その飛行機に学者さんたちと乗りまして。何をしたかと言うと、この飛行機を領空侵犯機。わかりますよね?

坂田 ふむ。

青山 日本の領土の上に領空がありまして、そこに昔から侵犯する飛行機が現れるわけです。日本の領空の中に勝手に入ってくる飛行機。ロシア機をはじめとして繰り返されてきたんですが、僕らの乗ってる飛行機をそれに見立てまして、これは航空自衛隊の言わば訓練研修の一貫として、そのように見立てて。

坂田 はい。

青山 そうしますとさっき言いました百里基地からF-15戦闘機隊がスクランブル発進、緊急発進ですね。

坂田 ええ。

青山 実際に専用の格納庫がありまして、そこに火事に備える消防官と同じように完全防備した戦闘機乗りが待ち構えていまして、領空侵犯機があると、これ実際にも激しいアラームが鳴って、ベルが鳴って、ちょうど消防官が消防車に飛び降りるみたいに、逆に戦闘機に飛び乗って行って、緊急発進していくわけです。

坂田 はい。

青山 数日前実際にこの発進がありまして、僕らの乗ってる飛行機、前後に挟んで。まず実際何をしたかというと、通告ってのを行うわけです。

坂田 はい。

青山 英語で、これパイロットに向けてですけれども向こうの。「あなたの飛行機はまもなく、あとわずかな時間で日本の領空を侵犯してしまいます」と。「ここで引き返しなさい」ということを通告します。

坂田 これは無線で言葉で通告するんですかね?

青山 はい。これを無視して領空侵犯機はそのまま進みます。するともう領空の中に入っちゃいます。領空の中に入っていったら今度は警告というのに切り替えて、「出て行け」と。あるいは「着陸しろ」という風に言うんですが、言うだけでそれ以上何もできない。やれることは翼を振るんです。

坂田 ほう。

青山 翼を振ってお願いする。で、僕らは窓にへばりついてそのF-15の様子を見てるわけですけど、実際に激しくその翼を振って、それから場合によっては信号弾、射撃するんじゃなくて信号弾だけ撃つわけです。

坂田 はい。

青山 まぁこの日はやや雲が出てて、海が良く見えなかったんで信号弾は発射しなかった。どうしてかというと下に漁船がいらっしゃったら、その信号弾のドンガラが当たっては大変だということで。

坂田 なるほど。

青山 これ実際の有事の時もこうなっちゃうんですけれども。信号弾も、まぁ発射しなかった。

坂田 ふむ。

青山 これ以上何もできませんからどうなるかと言うと、領空侵犯機がこういう警告とか、あるいは仮に信号弾発射しても無視したり、翼を振るのは当然無視すると、あっという間に福岡であれ東京であれ上空に達して、爆撃しようと思ったら爆撃出来ちゃうわけですね。

坂田 ああ。

青山 これに対抗するためには、何と防衛出動を閣議を開いて決定しなきゃいけないと。しかし爆撃機であれ戦闘機であれジェット機だったら、あっという間に上空に入ってから、福岡ででも東京ででも上空に達しますから、閣議決定なんか間に合うわけがないんですね。

坂田 ふーむ、なるほど。

青山 で、この訓練研修ではどうなったかと言うと、僕らの乗ってる飛行機が何故か突然翼を大きく振って、呼びかけに応じて出て行って事無きを得たんですけれども。

坂田 はい。

青山 実際にはなかなかもちろんこうならないわけで、もしもこの領空侵犯機が戦闘機のF-15を攻撃したら、むしろそれが勿怪の幸いで初めてF-15のパイロットはこれを正当防衛のために対抗できるんですね。

坂田 ふむ。

青山 爆撃機に対して撃つことができる。

坂田 ええ。

青山 これって実は坂田さんや僕のような、あるいはリスナーの方々のような一般市民と同じ話なんですよ。

坂田 と言いますと?

青山 要するに日本は軍が無いことになってるから、市民の法律なんで基本的には今の法体系は。

坂田 はい。

青山 僕らも殴られたりナイフで刺されようとしたら正当防衛、一定の範囲でできますね?

坂田 はい。

青山 F-15戦闘機隊もそれだけはできるわけです。

坂田 ふむ。

青山 ところが日本国民を奪ったままの北朝鮮であったり、あるいは今脅威が語られてる中国は、日本のこういう法体系をよく知ってますから、まさかそんなことはしないで福岡や東京に真っ直ぐに向かうわけです。

坂田 ああ。

青山 で、実は私が社長を務めている独立総合研究所は、毎年2人研修生として自衛官を受け入れています。もう10年近くやってるんですけれども、その中のある航空自衛官。陸上自衛官、海上自衛官も受け入れてるんですが、ひとりの航空自衛官が僕に言ったのは、

坂田 はい。

青山 「青山さん、こういう時私たちは法を犯すことを覚悟の上で、国民を守るために最後には撃墜します」と言ったんですが、これはもしやるとその自衛官殺人罪に問われて裁判を受けなきゃいけないってことになるわけですよね。

坂田 はい。

青山 実はこれと同じ研修を、あるいは訓練の参加を、安倍総理が2013年に行ってるんですよ。

坂田 あぁそうですか。

青山 これ実は報道もされているんですけども、ちっちゃくしか報道されなかったから坂田さんご記憶に無かったですね、今。

坂田 無かったですね。

青山 ええ。それは別に坂田さんが変わってるんじゃなくて、リスナーの方でもこれ覚えてる人極めて少ないと思いますし、僕らのような専門家でもあまり記憶に残ってないっていうのが正直なところなんですよ。

坂田 ふむ。

青山 それで、国会で審議しなきゃいけないってのはこういう話でしょ?

坂田 ふむ、なるほど。

青山 自衛権自体が使えてないわけですから、個別も集団も問わず。

坂田 ふむ。

青山 自衛権っていうのは国連憲章によればもともと個別的自衛権集団的自衛権の両方がありますと明記されてて、だからほんとは日米安保集団的自衛権に基づいて実は行われているわけですけども、今の話も、実は私たちは自国を守ることが出来なくて、この時に米軍は出てきてくれるんじゃないかみたいな話に終わっちゃうわけですよね。

坂田 ええ。

青山 この現場、要するに自衛官は毎日体験してるわけですね。その人たちを何故参考人に呼んで話を聞かないのか。

坂田 ふむ。

青山 それから安倍総理にも、ご自分で体験したんだったら何故それを国会で言わないのか。

坂田 ええ。

青山 僕はそれを直接安倍総理にお聞きしました。そうすると「野党が質問してくれないから」って答えだったんですが、これは与野党ともに国会審議の仕方が間違ってますよ。

坂田 ふむ。

青山 したがって国民の声として、そういう自衛官を呼んで国会で、参議院良識の府のはずですから、まともな審議してくれと声を上げるべきだと思います。

坂田 そうですか。はい、よくわかりました。ありがとうございました。

青山 はい。

水曜日は独立総合研究所の青山繁晴さんでした。

出演者:青山繁晴(電話コメンテーター)、坂田周大(メインパーソナリティ)