聞文読報

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8月13日 西岡力 北朝鮮の脅威について(全文) 記者会見 『平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム』

※平成27年8月13日、憲政記念館『平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム』記者会見より

私はふたつ申し上げます。ひとつは核ミサイルの脅威についてであります。

1995年に一度朝鮮戦争が再発する、第二次朝鮮戦争勃発直前までいきましたから、あの時はアメリカが北朝鮮の核ミサイルを許さない、核ミサイル開発を許さない、そのために爆撃まで考えていた時でありましたから、その時日本に対してさまざまな後方支援などについて要求がありました。しかしほぼできないという答えを日本側はしたと聞いています。

それから最近まで北朝鮮は着々と核ミサイル開発を続けてきました。核爆弾は持っています。そして核弾頭、ミサイルにつけることができる弾頭を持っているかどうかについては、アメリカと韓国と日本の防衛報告は持っている可能性を否定できないという判断をしています。私は持っているという判断をしています。

そして日本に届くミサイルについてはノドンミサイルでありますが、すでに実戦配備されています。私が最近聞いたところによりますと、〔北朝鮮の地名〕、〔北朝鮮の地名〕に対日攻撃用のミサイル基地があると。車に載っています。移動式です。というふうに聞いています。つまり94年に比べて日本に対する脅威は高まっています。

一方日本もそれに対して対応能力を高めまして、MDをやるようになりました。ミサイル防衛システムをやるようになりました。

しかしそのミサイル防衛システムは実はアメリカと協力してやってきたんです。軍事衛星の情報がなければ、イージス艦が発射することはできません。一体となって発射するわけです。日本を守るためにアメリカは軍事衛星の衛生情報を提供してくれていますから、一方日本はいまグアムの基地を守る力を持ちました。しかし法的にそれはできなくなってるんです。

そういう状況の中で危機は高まった、日本も能力は高めた、しかし法的にこれを使えないということだと日米同盟はもつのかと。

日本がアメリカを実際守ることができる力を持っていながら使わなかったら、その結果アメリカ人が死んだということの中で、日本に対する脅威も高まってる中で、日米同盟が弱体化する。これは法律を改正すれば(聞き取り不能)することができる危機であります。そういう意味でこの法案にわたしは賛成です。この声明に書いてあるとおり、日米安保条約を緊密にして抑止力を高めることが必要だということであります。

ふたつめ、拉致問題について申し上げます。

金正恩政権はたいへん不安定になってきています。今までになかった軍の大将、そして中将が亡命しています。39号室の機密資金を持っている幹部が、多額のお金を持ち逃げしているんです。これまでになかったことです。たいへん不安定です。

不安定の中で内戦や混乱事態が起きるかも知れません。その時に被害者をどう助けるのかということについて、米韓軍は混乱が起きれば北進するという作戦計画を持っています。5029という番号がついています。

その時自衛隊が行くことができるかどうか、わたしは米軍や韓国軍に話をしましたが「迷惑です」と言われました。日本は韓国軍にとって同盟国ではないので作戦計画を共有できないと。共有できないところで自衛隊が来たら敵と思って撃つかも知れない。

日本が集団的自衛権でできるかぎりの後方支援をすることによって5029作戦計画の中で、被害者がいそうな場所の武装解除をする時に、被害者に被害が加わらないような作戦計画に変更させることができる、あるいはそういう要求をすることができる。

5029が発動された時に被害者がいそうな場所について、ミサイルを撃ったり爆撃しないで地上軍を送ってほしいという要請をするためには、こちらができるかぎりのことをやっていなきゃならない。

このこともこの法案を通さないで、日本はいつも安全な所にいて、助けることより助けてくれと。その結果米韓軍が被害が大きくなったというようなことを要求できるかという点で、それもまず日米同盟を強化するしかないと。日本の自衛隊が持ってる能力があるのに法的にできないという状況を早くクリアすべきだと。

日本に対するミサイルの脅威、それは被害者が混乱事態になって助けるためにもこの法案は必要だと思います。

以上です。

発言者:西岡力

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