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聞文読報

聞こえる言葉を文字に起こし、目で聴く読み物に変えて発信します。

8月13日 質疑応答(全文) 『平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム』

記者会見

※平成27年8月13日、憲政記念館『平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム』記者会見より

ロイター通信(クボタ)

ひとつだけお伺いさせてください。

今日、この要望書を国会に発信して、今後どのような活動を、具体的に、この会としてされていくのか、教えてください。

櫻井よしこ

ここに名簿、呼びかけ人、参考人名簿というのが手元にあろうかというふうに思います。これをご覧になっていただければわかるように、学者、経済人、文化人、それから教育界の人々、それからまた芸術家の皆さん方、いろんな方々がここに賛同して集まってくださったわけです。

この趣旨は先ほど申し上げましたように、これを戦争法案と呼ぶ人びとが各界から人びとを集め記者会見をしましたので、それだけが声ではありませんよということで、わたくしどもが呼びかけて急に集めました。

第一段階はここまでです。これからどのようなかたちで、わたしたちの考え方とか声を広げていくかということは、たとえばセミナーをすることもあるでしょうし、意見広告を打つこともあるでしょうし、いろんな会見をいろんな地方の都市で行うこともあるでしょうし、いろんな考え方があろうかと思いますが、今のところは今日は第一弾でございまして、これを皆さん方が報じてくださればそこからまた反対論も起きてくるでしょうし、反対に賛成論も力強く起きてくるのではないかというふうに思っています。

TBSニュース23(イリエ)

集団的自衛権の、今回の限定的容認の必要性についてちょっとお伺いしたいんですけれども、お話にありましたように例えば南シナ海、今回では新3要件に照らし合わせてみると、南シナ海までの距離だったりとか、存立危機事態に当てはまらないんじゃないかっていう意見もあったりとか、あと東シナ海に関しては個別的自衛権で対応が可能ではないかとか、半島有事に関しても、今回のアセット防護ですとか個別的自衛権ということの対応でできるのではないかというような考えもあると思うんですけども、新3要件が厳しすぎて、要は集団的自衛権の限定的行使っていうのはどこまで現実的にあるのかと言いますか、その辺をどうお考えになってるのか。むしろ憲法を改正して、フルスペックの集団的自衛権を持った方がいいのではないかという、そういうお考えとかについてはどう思われているのか。

櫻井よしこ

まずTBSのイリエさんのフルスペックというところにお答えしたいと思うんですけれども、できたらそれが一番いいと思いますけれども、しかしそのためには時間がかかりますよね?客観的に見て。わたしたちの周囲に起きている国際情勢の変化の、この変化のスピード、恐ろしいくらい速いですよね?

これは日本国内の国会の議論を聞いていますと、さっき田久保さんがおっしゃったように、与党も野党も本当の本質的な議論はまったくしていないと思います。マスコミもそこのところをしていないと思います。これはマスコミの側の責任でもあるとわたくしは思っているんですけれども、国際情勢のあまりにも急激な変化、あまりにも大きな変化を見ると、フルスペックの憲法改正を行って、その後に日本国の国防体制、安全保障体制を整えるということで、時間的に間に合うのかどうかと、これはわたくしは答えは明確に間に合わないと思っているんです。

ですからあなたの、イリエさんの質問に対するその部分は今こうです。この後のことについて西先生、西元さんなどから現実的なお話をしていただけると思います。


西修

フルスペックではないということは先ほど申し上げましたけれども、集団的自衛権、個別的自衛権、これが国家固有の自衛権であるという、それは国連憲章を受け入れたということによって、あるいはフルスペックということも考え、一応受け入れたというのは、そういうことを受け入れたわけでありますけれども、ただやっぱり日本の今の憲法の下では、これはいろいろ解釈はあると思うんですけども、一応ここで得た政府解釈を尊重するならば、決してフルスペックではないんだと、そういう中で今度新3要件ができたわけですから、むしろフルスペックということになると憲法改正とかいうことに、次は入ってくるかと思いますけれど、現時点においては限定的な集団的自衛権、そしてそれは憲法違憲ではないということで、決してフルスペックそのものじゃないということを申し上げておきたいと思います。


西元徹也

簡単に申し上げたいと思います。

わたくしは1993年から94年にかけての第一次北朝鮮核危機に対応しまして、その時、米側から要請の強かったのは、例えば米側の作戦行動に資する情報の収集と提供、あるいは損傷した船舶、艦艇の日本の港への曳航といったもの等を求められましたけれども、いずれも集団的自衛権に関わるということでお断りせざるを得ないというのが実情でした。

彼らの言い分は、もし尖閣をとったら、これは日本の防衛そのものではありませんか、という。それなのになぜ、そういうことができないのでしょうか、ということをしきりに問われた記憶がございます。そういうことが、現場からは、ひとつの例として申し上げることができると思います。

以上になります。


青山繁晴

安全保障の基本として、過剰防衛になっちゃいけない、過剰な想定、ありもしないことをでっち上げて考えちゃいけないってことは、そのとおりなんです。ただし、予想せざる事態が起きた時にも対応しなきゃいけないのが、安全保障の現実でもありますから、前者で申した過剰防衛になっちゃいけないってのは、具体的な装備とか、あるいは兵員の規模であったりするものであって、本来、法体系は、どのようなことがあっても国民を守れるようになってなきゃいけないんです。

日本の場合、一番ほんとは深刻なのは、憲法の問題以前に、自衛隊ポジティブリスト、これだけはやってもいいよっていうリストしかなくて、世界の常識、もしくは国際法が求めるところのネガティブリスト、これだけはやっちゃいけませんと、ジュネーブ条約の提唱にあるようなこと、これが逆さまになってるっていう問題が残ってますから、だからその問題を残したままの安保法制ですから、これ成立しても、実はわずかな前進であって、根本問題は解決されてません。

そういう意味では憲法改正が本道じゃないかというのはよくわかります。ただし、櫻井さんもおっしゃったとおり、当然それは時間をかけなきゃいけないから、あくまで入り口として、この、あまりにも事態に対応できない法体系を、少しましなものにしようとするのが、その程度の法案であるとも思ってます。


氏名不詳/男性

個別的自衛権で対応できるんじゃないかと、例えば(聞き取り不能)とか、そういう議論がありますが、2点問題があります。

ひとつは、定義上は個別的自衛権とそれから集団的自衛権は(聞き取り不能)です。あくまで個別っていうのは自国に対する攻撃がなかったらできませんから、たとえ目の前であっても、米艦に対する攻撃があった時に、それを個別的自衛権とするのは定義上できません。しかもこれは、国連憲章51条に基づいて、集団的、個別的自衛権を行使した場合には国連に報告しなくちゃいけません。そんなのは認められるはずがありません。定義上の問題なんです。

もうひとつは、個別的自衛権をどんどん拡大して、なんか(聞き取り不能)サイトの問題も、個別的自衛権でやればいいっていう政党がありますけれども、とんでもない。日本は恐ろしい国だと、(聞き取り不能)にすべて個別的自衛権で対応するとなったらかえって危険視されますよ。そういう意味で個別的自衛権をどんどん拡大するのはかえって危険だということです。

フルスペックの問題は、個別的な問題はまだ解決できませんけど、とりあえずはできる範囲でやるしかないっていうことで、こういう対応をしてるものだと思います。

朝日新聞(エキ)

今の質問に関連してなんですけれども、今日おいでの先生方の中には、憲法改正を主張されている方も多くいらっしゃるかと思うんですけれども、今回の憲法解釈の変更によって、憲法を逸脱せずにできることが、できるとされることが増えたんですけれども、そのことは改憲派の先生方にとっては憲法改正への第一歩というか弾みというふうに見るのか、それとも逆に結構、改正が遠のいたと見るのか、その辺のご意見をお聞かせいただければと思います。

櫻井よしこ

今日ここに集まった方々は、皆さん方のお手元にお配りした声明文の趣旨に賛成するという、その意味で集まったんです。ですからこのことについて、これから先憲法改正がどうなるということまでは、正直わたしたち一切議論をしてません。個別の方々に言ってもそれぞれのお考えがありましょうけれども、この会は、この声明文に関する合意をもとにして作られたものですから、その憲法改正に踏み込んでどうということはまったくありません。

日刊ゲンダイ(オバタ)

ここ最近、連日連夜、若者を中心に、国会や官邸前で抗議活動が広げられていると思います。というのも、彼らは、もし仮にこの法案が通った場合、戦争につながってしまうというリスクを、肌感覚で危機感を持っているんだと思うんですけども、その点に関して、この現象をどう捉えていますでしょうか、教えてください。

櫻井よしこ

学生の方とか、中には10代の方も、国会の周りに集まっていると承知しています。たいへんに熱心に自分たちの将来と、日本国のあり方を考えているという意味で、わたしはこの若い世代に敬意を表したいというふうに思っています。

ただし、考えるためには本当に多くの情報に基づいて、考えることが大事だと思うんです。例えば特定の新聞が「戦争法案」とか、特定の新聞が「徴兵制度が実現するぞ」とか、それだけに基づいて心配してるのでしたら、やっぱりもう少し視野を広げて、そうではない面もあるんだということも知った上で、意思表示をすることが正しいことだろうと思います。

わたくし、ここで思い出すのは60年安保、ちょっと皆さんあまりにも若いから、60年安保っていうと全然ピンとこないかもしれないんですけども、国会を(聞き取り不能)に取り囲んだデモ隊の中に、今をときめく評論家の方々もおられたわけです。わたし、その中のひとりに、その方、今も岸信介さんがした安保改定を非常に高く評価している人なんです。わたし彼に聞きました。どうして、あなた、あそこでデモしたのって言ったら、いやあの時は、旧安保と新安保とどこかどう違うのか、両方の安保条約なんか一言も読んでなかったと。ただ、新聞がこれをやると戦争になるんだというふうなことを書いてあったから、行ったんだというふうに言いました。

これはこの方だけではなく、多くの人がそうだったと思うんです。ですからわたしは、若い人たちに是非、できるだけ多くの情報を知った上で判断して欲しいというふうに思っております。

ただし、彼らはこの暑い中で、国会周辺まで出て行って、国のことを考えて、自分に結びつけて考えるという、そのすごく真剣な姿勢というのは、ほんとに高く評価して、これからも真剣な姿勢で、国と自分との関係、それから自分の人生を考えてほしいというふうに思います。

ただし、情報をたくさんとってくださいということは申し上げたいと思います。


田久保忠衛

付け加えますけど、安保条約。ちょうど60年安保、どういうふうにしようかと、その時に同じ世代でポッポ派の教授、名誉教授がやられた方、その他たくさんいますけれども、安保に賛成してるんですよ。みんなそれがもう反対してるんです。

運動で一生をおかしくしてしまったと、あとでつくづく後悔している人がいる。

わたくし今の櫻井さんが(聞き取り不能)、真剣に若い人がデモをするのは尊いことだと思います。しかし、この人たちはもう少し勉強した方がいいんじゃないか。X軸Y軸の中で、日本はどういう点にあるのかということを詰めて考えると、自ずから行動にでてくると思います。また、X軸とY軸というひとつの点という、この相関関係がわかっていない未熟な人たちが、できれば僕の講義を聴いてほしいなということを思います。1週間でわたくし、考え方を正しいものにしてみせるっていう自信はあります。

以上です。

発言者:櫻井よしこ西修、西元徹也、青山繁晴田久保忠衛