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聞文読報

聞こえる言葉を文字に起こし、目で聴く読み物に変えて発信します。

9月14日 佐藤正久(自由民主党)の質疑(全文) 参議院『平和安全特別委員会』

※平成27年9月14日、参議院『平和安全特別委員会』より

佐藤正久自由民主党

自民党佐藤正久です。

まず最初に、今回の豪雨災害におきまして、お亡くなりになられた方々、被災された方々に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

資料①をお願いいたします。今回の豪雨災害でも、自衛隊は、国民の命を守る最後の砦として、人命救助や行方不明者の捜索、民生支援にあたっています。防衛大臣、この資料①の写真。何の写真か、ご存じでしょうか。

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中谷防衛大臣

このタイトルが、「行方不明者の捜索」ということで、水害や震災等で、行方不明になった方々の捜索として、自衛官がこういう所まで、懸命に捜索をしている写真ではないかと思います。

佐藤正久自由民主党

これは東日本大震災での、福島の原発地域での捜索の模様です。自衛隊は、ここまで捜索に力を尽くします。ただ自衛隊は、災害派遣でも、法律がなければ1ミリも動くことができません。

阪神淡路大震災の際に、知事からの要請が遅れて、出動が遅れ、結果として人命救助に大きな障害が出ました。それらの教訓を経て、どのような法律を改正されましたか。

大臣に答弁を求めます。

中谷防衛大臣

阪神淡路大震災におきまして、被災をいたしました兵庫県から、自衛隊への災害派遣要請、これが遅くなったとのご指摘があることは承知をしておりますが、この震災を踏まえまして、自衛隊におきまして、災害対策基本法第68条の条文があらたに新設をされまして、〔被災地域の市長・村長から都道府県に対して、自衛隊災害派遣を要請するように求めることができる〕とし、要求ができない場合には、防衛庁長官及び、その指定する者に対して要求ができない旨及び当該地域の被災状況について通知することができる旨、当時、規定をされたということでございます。

また防衛省自衛隊におきましては、〔防衛庁防災業務計画〕を改定をいたしまして、自主派遣の際の基準を規定をいたしました。これらによりまして、大規模な災害が発生し、都道府県の機能が麻痺した場合も、市町村は災害の状況を防衛大臣に通知することが可能になり、くわえて、防衛省自衛隊において、自主派遣にかかる一定の基準が明確化をされたということでございます。

佐藤正久自由民主党

その法改正のおかげで、東日本大震災の際は、自主的な派遣が自衛隊の方はできて、人命救助で大きな成果が出ました。ただ、自衛隊もスーパーマンではありません。法律に基づき、事前の訓練を行うからこそ、結果が出ます。一方、法律がなければ、自衛隊は事前の訓練もできません。

実は、東日本大震災の1年半前に、ほぼ同じ想定で、訓練を自衛隊はしていました。だからこそ、初動で多くの命を救うことができたと、側面もあると思います。

防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷防衛大臣

ちょうど1年ちかく前の、平成20年10月31日から11月1日の間、東北方面隊が主催する震災対処訓練〔みちのくALERT2008〕、これが実施をされました。これによりまして、東北方面隊はもとより、この東北の関係の地方自治体・24自治体、防災関係機関・35機関、並びに一般市民も含めた約18,000人が参加する、大規模な訓練を実施をいたしまして、これは東日本大震災においては、関係機関が協力して災害対応にあたるとともに、自衛隊が、この多岐にわたる活動を行うことができましたけれども、こういった意味で、関係機関が訓練をしておくということが大事でありまして、〔みちのくALERT2008〕における経験も、活かされたものではないかと考えております。

佐藤正久自由民主党

事前の訓練は極めて重要です。法律を整備し、事前の訓練をやるからこそ、実力集団の自衛隊は、国民の命を救える、そう思います。隊員の命を守る上でも、訓練は重要です。

わたくしが派遣されたイラク、任務は人道復興支援でした。イギリスの参謀長から言われました。「自衛隊の任務、人道復興支援、ウサギの任務かもしれない。でもウサギの任務をウサギでやったら、間違いなく死人がでるぞ。」と言われました。ウサギの任務をライオンでやるからこそ、任務が達成でき、命を守ることができる。」、まったくそのとおりでした。

事前に準備した以上のことは絶対にできません。ただ、イラク派遣は特別措置法でした。この特措法における準備訓練上の課題、教訓はどんなものがあったか、大臣から答弁を求めます。

中谷防衛大臣

自衛隊の部隊を海外に派遣する前には、政府として、やはり事前調査チーム、そして連絡官、これを現地に派遣を致しまして、関係国とか関係機関との情報交換、これ等を通じて、現地活動の情勢について情報収集、これを行います。こうして得られた情報をもとに、現地のリスクの分析、また活動地域、活動内容、これを固めた上で、部隊編成、また携行する装備等を計画して、派遣までの安全対策を含む必要な訓練、これを行うということになりますが、イラク派遣におきましては、当時は、イラク派遣を可能とする一般法、これが存在をしていなかったために、特措法の成立前には、活動内容、派遣規模、といったニーズを確定するための現地の調査、各国との調整、これを平素から実施することができずに、その結果として、本派遣の最終判断のための材料は、先遣隊による情報収集や調整を待つ必要がある状況でした。

きょう、質問をされた佐藤委員は、まさにこのイラクの派遣の先遣隊部隊として、大変ご苦労されたと思いますが、これもやはり、一般法がなかったということで、そういうことができなかったわけでございまして、仮に、こういった一般法がありましたら、より早い段階から、各種の作業に着手できる、こういった安全対策を含む訓練を、より早い段階から、充実して行うことができたのでないかというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

国民の皆さん、実はイラクだけじゃないんです。

ペルシャ湾における機雷掃海活動の司令を務めた落合畯さんは、本年の毎日新聞のインタビューで、「ペルシャ湾で、海自は遅れて機雷掃海活動に加わったため、もっとも厳しい海域を任された。無事に任務を完了できたものの、国際貢献は早い者勝ち。もっと早く、危険はあるけども行ってくれ、と送り出せるようになればいい。」とまで述べておられます。

防衛大臣、一般法の必要性につきまして、改めて、国民にわかりやすく説明をお願いいたします。

中谷防衛大臣

わたくし、この当時、このペルシャ湾に参りまして、掃海作業を実施している落合畯部隊長のもと、激励をいたしました。

落合司令官から、やはり各国がやったあと残された、非常に流れの速い、しかも浅い海域で、処理困難な機雷の処理を担当されたということでありますが、日本の、この掃海技術の高さに、各国が非常に、日本に対して評価をされたという話を聞きましたけれども、やはりそういった話を聞くにつけ、やはり平素から、各国とも連携をした情報収集、訓練などが必要でありまして、自衛隊が得意とする分野におきましては、よりよい場所で、また早い段階で、こういった対処ができればよかったなということが、わたくしの教訓でございますし、また、作業を行う自衛隊員のリスク、これの極小化にもつながることがあるわけでございます。

そういう意味におきましては、南スーダンPKO《UNMISS》、これにつきましては、ミッションが早く立ちあがって、現地調査チームにも出張を行って、国連との具体的な調整等も行うことができた。佐藤委員もまっ先に、現地に行かれましたけれども、その結果、比較的治安の安定している首都・ジュバへの配置が確保でき、また自衛隊の活動等も、我が国に非常に、活動できる場所の選定ができたというようなことでございまして、そういう意味におきまして、やはり事前からの準備と、また法的根拠、こういうものが必要であるというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

総理、危機管理は、「備えあれば憂いなし」です。リーダーが、「憂いなければ備えなし」ではダメです。さらに、「憂いあれども備えなし」は、もっとダメです。

まさに今回の法案は、備えのための法案だと思います。国民の命を守るために、自衛隊の方々に行動してもらうのであれば、事が起きてからではなく、リードタイムをもって、しっかりとした事前の訓練というものを含めて、しっかり備えることが大事です。

国民のリスクを下げるために、自衛官のリスクをさらに最小化する上でも、この周辺環境が厳しさを増す、いまだからこそ、リードタイムをもって法整備をする必要が、わたしはあると思いますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

安倍内閣総理大臣

我が国を取り巻く安全保障環境は、グローバルなパワーバランスの変化や、あるいはまた、弾道ミサイル技術の急速な進展、そして大量破壊兵器などの脅威等によって、従来の政府見解が示された1972年当時からは、想像もできないほど変化をし、大変、厳しさを増しています。

何か起きてから法律を作るのでは、遅すぎるわけでありまして、国民の命と平和な暮らしを守るためには、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを、前もってしっかりと行っていく必要が、委員のご指摘のとおり、あるわけであります。

自衛隊の活動の法的根拠をあらかじめ明確に定め、平素より、計画を作り、訓練を行っていくことが、極めて重要であります。それによって自衛隊員のリスクを減らしていくことが、いま、経験をされた佐藤委員のご説明のとおり、可能となっていくわけであります。

このように、平素から、いざという時の備えをしっかりとつくり、隙のない体制を整えることが、紛争を未然に防止する力、抑止力を高めることになります。これによって、日本が攻撃を受けるリスク、国民全体のリスクを減少させていくことにつながることは、間違いないわけであります。

このような観点から、一日も早い、平和安全法制の整備が不可欠であると、確信をいたしております。

佐藤正久自由民主党

ありがとうございます。

まさにそのとおりで、政府の案に、批判とか反対しているだけで、国民の命が守れるんだったら、わたしも思いっきり、批判も反対もします。それでは守れないんですよ。国民を救えない。

やはり現場の自衛官も、それでは事前の準備も訓練もできない。反対という方々には、やはりどうやって国民の命を守るかっていう視点も、もう少し考えていただきたいと思いますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣

我々はみんな、平和を願っています。しかし平和と唱えるだけで、平和を実現することができるわけではありません。だからこそ、世界の各国がそれぞれ、努力をしながら、また協力をして、平和で安定した世界を作っていこうと、このように協力をしあっているわけであります。

先ほど申し上げましたように、我が国の安全保障環境、我が国をめぐる環境は大きく変わり、厳しさを増している中において、国民の命と幸せな平和な暮らしを守り抜くために、砂川判決のいう、〔必要な自衛の措置〕とは何かをとことん考え抜き、隙のない備えをつくっていくことが、わたしたち政治家、そして政府に課せられた、いちばん重大な使命であろうと、こう思います。

安全保障にかかわる法律については、批判をするだけではなくて、対案や独自案を提出をしていただき、できるだけ一致点を見出す努力をしていくことが、与野党を問わず、国民の負託を受けた、わたしたち政治家の責務であろうと思います。

佐藤正久自由民主党

ありがとうございます。まさにそのとおりなんです。

いま総理も周辺環境が厳しくなったと言われました。どんだけ厳しくなったのか、中国というものを例にとり、議論を進めていきたいと思います。

資料②をお願いします。

これは9月3日に開催された、中国の軍事パレードの写真です。公式には閲兵式ですが、その規模、概要とともに、防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷防衛大臣

先般の『抗日戦争勝利70周年記念式典』における軍事パレードでは、約40種の陸上装備と、約20種類の航空機、これが登場いたしまして、中国側は、それらすべてが国産装備で、8割以上が初公開であると説明しております。

中国は過去25年以上にわたりまして、継続的に高い水準で国防費を増加をさせ、いわゆる《A2/AD》という能力をはじめとする、これは接近を拒否をし、そしてその近接を阻止をするという、こういった能力をはじめとする、軍事力を広範かつ急速に強化をしつつあります。

今回の軍事パレードは、中国にとって、軍事力近代化の成果、これを内外に示すものでありまして、防衛省にとりましては、中国の軍事力に対するこれまでの評価、これをパレードによって、改めて確認ができたというふうに認識をいたしております。

佐藤正久自由民主党

一般に脅威は意図と能力からなるといわれています。意図はともかく、能力は確実に向上してるということが言えます。

資料③をお願いします。

これは、沖縄を含む南西諸島を余裕で射程に入れる、日本にとって極めて要注意の巡航ミサイル、DF-10Aと、短距離弾道ミサイル、DF-16です。

次に資料④、これをお願いします。

これは中国の水陸両用歩兵戦闘車で、105ミリの大砲を装備しています。中国の兵器面におけます、島嶼部への侵攻能力の強化傾向について、防衛省の見解をお伺いします。

石川防衛大臣政務官

お答え申し上げます。

中国は国防の目標として、主権の防衛、海洋権益の擁護、祖国統一などをあげ、そのための戦略方針として、海上における軍事闘争への準備を優先していくと、説明しております。

その一環として、台湾を含む島嶼部への着上陸作戦能力の向上を進めていると認識しているところでございます。

具体的には、水陸両用戦闘車や空挺戦闘車をはじめとする、着上陸部隊の強化。水上戦闘艦艇や戦闘機をはじめとする、海上優勢・航空優勢獲得のための海空戦力の強化。揚陸艦や輸送機をはじめとする、着上陸部隊投入のための機動展開能力の強化。弾道ミサイルや爆撃機をはじめとする、着上陸作戦支援のための対地攻撃能力の強化、などに努めていると認識しております。

佐藤正久自由民主党

資料⑤をお願いします。

これは中国の無人機や早期警戒機、KJ-500ですが、かなりバージョンアップされています。

中国の無人機や早期警戒機の開発傾向と、これらが東シナ海南シナ海で本格運用された場合の、日本の防衛警備に及ぼす影響について、説明を求めます。

石川防衛大臣政務官

お答え申し上げます。

中国開発の無人機につきましては、飛行高度、滞空時間、航続距離などの面で、能力向上の傾向がみられ、その任務も、偵察にくわえ、通信中継など、多用途化が進んでいるとみられております。また最近では、攻撃用とみられる機体も登場していると認識しております。また2023年までに、4万機以上の無人機の製造を計画しているとの指摘も存在しております。

一方、早期警戒機につきましては、戦闘機などの近代的な航空戦力の運用に必要な能力でございますが、中国も開発を進めているとみられておりまして、最近では国産の機体をベースに、捜索範囲を全周に広げるなどの能力向上を図った、KJ-500の配備が進みつつあります。

中国によるこうした能力の強化は、東シナ海南シナ海における空中からの情報収集能力・警戒監視能力などの向上につながり、戦闘機・爆撃機などのその他、航空戦力と相まって、中国のより遠方での制空戦闘及び対地・対艦攻撃能力の向上に資するものと考えられます。

佐藤正久自由民主党

資料⑥をお願いします。

これは戦略爆撃機のH-6Kです。沖縄の南西諸島を抜けて、日本の小笠原村沖ノ鳥島の近辺で、水上艦艇との連携訓練も行っており、その頻度は年々増加しています。その訓練と中国の〔A2/AD戦略〕との関係、あるいはその狙い、これについての分析をお答え願います。

石川防衛大臣政務官

お答え申し上げます。

ご指摘のH-6爆撃機につきましては、2013年9月に沖縄本島宮古島の間を通過して、西太平洋に進出したことが初めて確認されました。以降、同様の飛行が複数回、確認されるなど、昨今、活動が活発化しているとみられております。

このH-6K爆撃機につきましては、行動半径約1800kmで、射程約2000kmの空中発射型巡航ミサイル6基を搭載可能とされ、このほかにも、射程約400kmの超音速対艦ミサイルなどを搭載可能とされる、異なるタイプのH-6爆撃機も存在すると承知しております。

中国は近年、ご指摘の、いわゆるA2/AD能力の強化に取り組んでいるとみられ、H-6爆撃機の西太平洋への進出は、その取り組みの一環として、より遠方での対地・対艦攻撃能力の構築を目指した活動である可能性が考えられます。

佐藤正久自由民主党

資料⑦をお願いします。

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まさに、この爆撃機が、沖ノ鳥島近辺まで来てるんです。

国民の皆さん、中国の海洋進出能力は年々向上し、中国の艦隊や航空機は沖縄を抜けて、アメリカの艦隊が台湾海峡に出てくるのを阻止すべく、第1列島線と第2列島線の間の、沖ノ鳥島付近で訓練している現実がここにあります。

さらに近年、小笠原の父島母島がある、第2列島線への圧力も見え始めています。昨年、発生した中国漁船珊瑚密漁問題を例に議論してみたいと思います。

資料⑧をお願いします。

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総理、先週9月9日、小笠原村議会で〔今国会で平和安全法制の成立を求める意見書〕が可決されました。総理のご見解をお伺いします。

安倍内閣総理大臣

ご指摘のとおり、今般、小笠原村議会で、〔今国会で平和安全法制の成立を求める意見書〕が可決されました。

小笠原諸島周辺海域ではこれまでに、中国珊瑚船とみられる船舶が多数確認されるなど、村民の方々は、我が国の安全保障環境の変化を日々、いわば肌で感じておられるのではないかと思います。

7月に可決された石垣市議会の意見書では、石垣市の行政区域の尖閣諸島においても、中国公船の領海侵犯が日常茶飯事の状態にあり、漁業者のみならず、一般市民も大きな不安を感じていると言及されています。

このように、最前線におられる地元の方々の肌感覚の危機感は、真摯に受けとめる必要があります。

政府としては、安全保障環境が大きく変わっている中において、国民の安全を守るために〔必要な自衛の措置〕とは何かを考え抜き、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う責任があります。

平和安全法制はそのために必要不可欠であると、このように考えておりますし、その観点からも、先ほど申し上げましたように、小笠原の村議会の要請にもあったのだろうと、このように思うわけでございます。

佐藤正久自由民主党

まさに国境、離島の最前線の村民の方の思いだと思います。

続いて、防空識別圏について伺います。

防衛大臣、この小笠原の父島母島、これは日本の防空識別圏に入っているでしょうか。航空自衛隊のレーダーが届くでしょうか。お答え願います。

中谷防衛大臣

沖ノ鳥島とか小笠原諸島など、太平洋側の島嶼部はこれまで、固定式警戒管制レーダー等を含めて、警戒監視任務にあたる部隊を設置しておらず、また、我が国の防空識別圏ADIZ》の範囲外となってきております。

こうした状況下においても、僻(ひが)の不明機の接近に際しまして、たとえばAWACS等を活用することによりまして、《ADIZ》の外側で、これを探知するといったことが可能でございますが、この防空識別圏の範囲の外になってるところでございます。

佐藤正久自由民主党

まさに防空識別圏のこれ、空白地帯なんです。

昨年の秋、この小笠原で、まさに中国の泥棒とも思える珊瑚密漁漁船。これ、水産庁長官。約何隻ほどで、それは中国の主にどの辺の省から来てるか、お答えを願いたいと思います。

佐藤水産庁長官

お答えいたします。

小笠原諸島周辺海域におきます、中国珊瑚船につきましては、最も多かった昨年10月末には、1日で212隻が確認されたところでございます。また、これらの中国珊瑚船につきましては、中国側からは、東シナ海沿岸の浙江省福建省において、不法珊瑚船の集中取締を行ったと、このような説明を受けているところでございます。

佐藤正久自由民主党

まさに、福建省浙江省から小笠原まで、約1,300-1,500kmあります。往復3,000km。当時の値段で油代、一隻あたり約400万円です。200隻だと、200掛ける400万、油代だけで8億円です。

当時の赤珊瑚はすごく形が良いものでも、kg当たり600万円。そんなに採れるわけはありませんから、8億円なんか絶対無理です。人件費もいる。誰かスポンサーがいると言われていましたが、外務大臣、その資金の出処等、組織解明ができましたか。

岸田外務大臣

ご指摘の小笠原諸島周辺海域に現れた、中国珊瑚船の資金源等につきましては、これはさまざまな見方があります。よって政府として、断定的に申し上げることは困難であると考えますが、ただこの背景としましては、中国の経済的な発展に伴う購買力の向上、あるいは投機的な理由によって、近年、宝石珊瑚及びその関連商品の価格の高騰が続いています。その一方で、中国国内では珊瑚漁が禁止されています。そしてその結果、この日本近海での密漁が行われたということが、一般には指摘をされております。

佐藤正久自由民主党

まさに不明なままなんですよ。誰が関与してるかわからない。そういう状況でやっぱりきてる。

中国漁船にはまた、一隻当たり10人ほどが乗り込んでいたといわれています。10人掛ける200隻で、2,000人。これは父島の島民数よりも多い。

小さな子供をもつお母さんは、夜になり、多くの中国漁船に島が取り囲まれて、非常に不安だというふうに言われていました。他方、当時の父島配備の警察官は14人。片や中国漁民は約2,000人。水上民兵もいるかもしれません。厳しい数字です。

警察官の増派も行いましたが、どのような手段で警視庁は増派を行ったか、お答え願いたいと思います。

沖田警察庁・警備局長

お訊ねの事案につきましては、警視庁では、小笠原までの定期航路の船舶を利用して、現地に警察部隊を派遣したところでございます。

佐藤正久自由民主党

つまり飛行機が使えなかったんです。空港が、父島母島にはありません。だから警察は、船で約2日かけて行きました。でも天候が悪ければ、増派もできなかった。村長は空港整備はもちろん、緊急患者空輸も踏まえて、東京都にオスプレイの配備、これも要求してるぐらいです。

父島母島近辺の領海警備、これは横浜の第3管区海上保安本部の管轄です。他方、海上保安庁の巡視船には、洋上での給油能力がありません。いちいち港に戻り、給油しないといけません。海上保安庁長官、横浜と父島の間に、巡視船の給油施設がありますか。

佐藤海上保安庁長官

お答えします。

横浜と父島の間では、大型の巡視船が燃料を補給できる施設はございません。

佐藤正久自由民主党

まさに距離にして1,000km、その間、給油施設が無いんです。いちいち警備をやめて、横浜まで戻らないといけない。給油タンクが大きい巡視船だと、小回りが利く漁船にはなかなか対応できない。小型巡視船だと、給油のためにいちいち横浜に戻らないといけない。給油施設は、やはり領海警備上、伊豆諸島にも、小笠原にも必要だと思います。

資料⑦、もう一度、お願いします。

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総理、尖閣・南西諸島は第一列島線。小笠原は第2列島線。その2正面同時対処の難しさが、中国漁船対応で、中国の知るところとなりました。

中国は東シナ海にくわえて、第一列島線と第2列島線の間の太平洋上の海上優勢、あるいは第2列島線にも、逐次、影響力を伸ばそうとしています。第2列島線、これにも我々と同じ、日本人が住んでいます。

中国の高官が言うように、伊豆諸島・小笠原の第2列島線が中国の進出目標であることを忘れずに、警察力の強化、これを含め、備えないといけないと思いますが、総理の、このご認識をお伺いします。

安倍内閣総理大臣

我が国は島国であり、そして海洋国家であり、周りを海に囲まれております。その観点からも、領土・領海を守るため、我が国周辺海域の警戒・警備に万全を期していく必要があります。

政府においては5月14日、武力攻撃に至らない侵害に際し、切れ目のない充分な対応を確保するため、海上警備行動、治安出動等の発令にかかる手続きの迅速化のための閣議決定を行ったところであります。

今後とも、さまざまな不法行為に対処するため、警察や海上保安庁などの関係機関が、各々の対応能力を向上させ、情報共有を含む連携を強化するほか、各種訓練の充実、充分な体制の整備など、各般の分野における必要な取り組みを、一層、強化し、政府一丸となって、総合的・戦略的に対応していく考えでございます。

佐藤正久自由民主党

資料⑨をお願いします。

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外務大臣、この写真。どこの国が、何の目的で作ったものか。またこのテロップに何と書いてあるか、ご説明ねがいます。

岸田外務大臣

ご指摘の写真ですが、これは中国海軍が兵員募集のために作成した広告動画の一場面であり、この動画には、我が国固有の領土である、尖閣諸島と思われる画像が使用されていると承知をしております。

そしてそこに記されている文言ですが、『わずかな辺境領土であっても、彼らの占領を許してはおけない』、こうした字幕が中国語で記載されております。

佐藤正久自由民主党

まさにこれ、国民の皆さん。これは日本の領土の尖閣諸島の北小島・南小島の写真なんです。どういうかたちで、これを撮影したのかどうかわかりませんけども、外務大臣、これは日本の主権にかかわる事項です。中国に、強く、強く、抗議をされましたか。

岸田外務大臣

言うまでもなく、尖閣諸島は、歴史上も、また国際法上も、我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しております。中国側がこうした広告動画を作成していること、これは極めて遺憾だと考えております。

本件動画に関しましても、中国側に対しまして、すでに外交ルートを通じて抗議を行っております。

佐藤正久自由民主党

総理、これは極めて大きな問題だと、わたしは思います。

日本の尖閣諸島、これをバックに、『辺境の地といえども彼らに占領を許してはならない』とのテロップ。彼らとは我々、日本人のことです。すなわち中国軍の軍事目標のひとつが、我が国領土の尖閣諸島ということを公言してるわけです。国民の皆さん、これが中国の現場の実態です。

総理、中国軍尖閣諸島を軍事目標としている。すなわち日本の領土、尖閣諸島は軍事的脅威にさらされてるといっても過言ではありません。この現実を、この法案に「反対、反対」と言っている方々に、是非、目を背けずに見ていただきたいと思います。

抑止力を強化せずして、どうやってこの日本の領土を守るのか、総理の所見をお伺いします。

安倍内閣総理大臣

中国については、ご指摘のとおり、東シナ海において、尖閣諸島周辺の海域において、中国公船による侵入が繰り返され、境界未確定海域における一方的な資源開発が行われています。このように、既存の国際秩序とは相容れない独自の主張にもとづき、力による現状変更の試みを行っています。

まずもって、外交を通じて平和を守ることが重要でありますことは、言をまたないわけであります。中国に対しましては、戦略的互恵関係の考え方に立って、対極的な観点から関係を改善していくとともに、力による現状変更の試みに対しては、我が国としては、事態をエスカレートさせることなく、引き続き、冷静かつ毅然として対応をしていく考えであります。

この法案は、特定の国や地域を対象としたものではなく、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中で、紛争を未然に防ぐためのものであります。

平和安全法制の整備により、日本が危険にさらされた時に、日米同盟は完全に機能するようになる。それを世界に向けて発信することによって、紛争を未然に防止する力、すなわち、抑止力はさらに高まり、日本を攻撃をしよう、そしてあるいは、隙あらば領土を盗み取ろうという、そういう考え方はできないと相手に思わせる、それがまさに抑止力でありますが、日本が攻撃を受けるリスクは、一層、下がっていくものと考えるところでございます。

佐藤正久自由民主党

まさに今回の法案は、戦争抑止法案なんです。ただ、中国が尖閣諸島を軍事目標としているということを忘れずに、我々は法案を整備する、その責任があると思います。

次に、尖閣諸島の防衛警備について、議論を移します。

尖閣諸島の防衛には、今回の平和安全法制は役に立たないとの一部批判がありますが、それはまったくの的外れです。資料⑩を見てください。

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まず、今回の日米ガイドラインの改訂により、〔日米同盟調整メカニズム〕は、周辺事態からではなく、平素から機能することで合意いたしました。これはまさに、尖閣諸島における平時の警戒監視や、「グレーゾーン事態」にも有益だと考えますが、防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷防衛大臣

1997年のガイドラインで構築をされました、日米間の調整メカニズム。これは、武力攻撃事態や、また周辺事態に際しての、日米の各種共同の活動の調整を図るということを目的としておりました。また同メカニズムは、我が国に武力攻撃が差し迫っている場合や、周辺事態が予想される場合に、早期に運用を開始するものとされておりました。

これに対して、〔同盟調整メカニズム〕。これは現下の安全保障環境を踏まえまして、上記のような事態のみならず、国内の大規模災害時を含め、平時から緊急事態までのあらゆる段階において、日米間の調整を図ることを目的とするとともに、平素から構築しておくだけではなくて、平素から利用可能なものとして、調整、所要に即応できる体制を維持するものといたしております。

この〔同盟調整メカニズム〕の詳細につきましては、現在、検討中でございますが、「グレーゾーン事態」においても、当該メカニズムの活用が想定されているところでありまして、その場合、当該のメカニズムを通じて、自衛隊及び米軍の活動にかかる調整が行われることになります。

このような〔同盟調整メカニズム〕の活用によりまして、切れ目のない、実効的な同盟の対応を確保いたしまして、その抑止力、対処力、これの強化に努めてまいる所存でございます。

佐藤正久自由民主党

いがいとこれは目立っていないんですけども、実は、極めて大きな一歩なんです。〔日米同盟調整メカニズム〕が平時から機能する。これはやっぱり周辺国にとって、極めて大きなメッセージ性があります。

2番目が、この〔アセット防護〕です。

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日本の防衛に資する活動に従事している米軍等の装備を防護できる規定、〔アセット防護〕の規定が自衛隊法に今回、明記されています。これは日米共同の警戒監視だけではなく共同訓練、これにおいても適用可能でしょうか。

中谷防衛大臣

日米共同訓練を行っている米軍部隊等の武器等は、新設する〔自衛隊法95条の2〕による警護の対象となりうると考えておりますが、警護の実施につきましては、どのような場所で行われるかも含めまして、米軍等から要請を受けた防衛大臣が、その部隊の能力、また周囲の情勢等を踏まえて、個別・具体的に判断をしていくことになることでございます。

佐藤正久自由民主党

まさに今回、共同訓練でも、この〔アセット防護〕ができる。

つまり、この法律が成立したら、日米で相互に、お互いに守りあいながら、平時の警戒監視、共同訓練から、お互いに対応できる。これは極めて、今回の尖閣防衛整備でも、大きな一歩だと思っています。

まさに活動量を、平時から東シナ海で増やしていく。訓練や警戒監視、活動量を増やしていく。これはまさに、動的抑止の典型例であり、その尖閣諸島の防衛警備、東シナ海の防衛警備にも、極めて有効とは思いますが、防衛大臣の見解をお伺いします。

中谷防衛大臣

この〔95条の2〕による警護の実施につきましては、防衛大臣が、個別・具体的に判断をするものでありまして、特定の地域を念頭においているわけではありませんが、本条の新設は、我が国周辺海域における自衛隊と米軍、これによる連携した警戒態勢等の強化につながるものでありまして、日米同盟の抑止力、対処力、これは、一層、強化されるものになるのではないかと考えております。

佐藤正久自由民主党

ありがとうございます。

日本は日本、アメリカはアメリカ、別個に警戒するよりは、お互いを守りあうかたちをとりながら警戒する、相手にとってどっちが嫌か。当然、守りあう方が嫌です。これはやっぱり抑止力なんです。

3番目のポイントは、今回の改正で〔平時ACSA〕、米軍等への物品・役務の提供が、平時でも可能になります。

すなわち、東シナ海で、共同訓練や警戒にあたっている米軍艦船への洋上補給、あるいは警戒中の米軍哨戒ヘリへの海自護衛艦の上での整備や給油も可能となります。

これは尖閣諸島を含む東シナ海の防衛警備上、この〔平時ACSA〕も有効だと考えますが、大臣の所見を伺います。

中谷防衛大臣

近年、日米の防衛協力、これが進展をいたしております。また自衛隊の任務、これも多様化等を踏まえまして、あらゆる事態に我が国として切れ目のない対応をしていくために、平素から、自衛隊と米軍が、より一層、緊密に連携をして活動をすることができるように〔ACSA〕、これに基づく物品、又は役務の提供が可能な場面を拡大をすることなどが必要だと考えております。

このため、自衛隊法におきまして、海賊対処行動、弾道ミサイル等に対する破壊措置をとるために必要な行動、情報収集、警戒監視活動を行う、自衛隊による米軍への物品、又は役務の提供を可能とするといった改正を行うことといたしております。

ガイドラインにおきましても、適切な場合に、後方支援を相互に行うことといたしておりまして、この法改正と相まって、平時から、「グレーゾーン」における日米間の協力・連携の実効性が高まり、日米同盟の抑止力、対処力も強化をされるものと考えております。

佐藤正久自由民主党

現場にとっては、この平時の〔ACSA〕が今回の法改正でなされると、これは極めて大きな一歩だと思っています。

4番目は、南西諸島への自衛隊の配備です。

現在、沖縄本島から西に530km離れた与那国島まで、陸上自衛隊はゼロ、空白地帯です。これでは迅速な尖閣諸島への展開にも制約があります。これらを改善するため、南西諸島への自衛隊配備計画の進捗状況について、防衛大臣から説明を願います。

中谷防衛大臣

防衛省では、南西地域における自衛隊配備の空白地帯、この状況を早期に解消する観点から、警備部隊等の新編に向けた取り組みを着実に進めております。

たとえば、奄美大島につきまして、今、中規模期間中の部隊新編を目指して、用地取得などの準備に着手をいたしております。与那国島につきましては、今年度末の沿岸監視部隊の新編に向けて、隊庁舎などの施設整備を実施中でございます。宮古島につきましては、都島市長に対して、警備部隊等の配置について、申し入れを実施をいたしております。石垣島につきましては、警備部隊等の配置も視野に入れまして、現地調査を実施したところでございます。

防衛省といたしましては、尖閣諸島を含む南西諸島の防衛体制の充実は、極めて重要な課題だと考えておりまして、警備部隊等の配置等の取り組みを、今後とも着実に進めてまいりたいと考えております。

佐藤正久自由民主党

5番目は、在日米軍の展開です。

米国のオバマ大統領は、尖閣の日本による施政権を認めて、「尖閣諸島へのいかなる侵害にも反対する」と、「日米安保条約5条の適用」と、これも明言しております。まさに集団的自衛権を行使をして、何かあった時は尖閣を守るために、5条の範囲内で対応をするということを明言しております。

その意味で、海兵隊沖縄本島と岩国に、海軍が佐世保に、そして空軍が沖縄本島に、まさに尖閣に比較的近い場所に存在する。これは尖閣を含む南西諸島防衛上も極めて有効だと考えますが、防衛大臣の所見を伺います。

中谷防衛大臣

尖閣諸島を含む南西の諸島は、たくさんの島々がありまして、その全長は約1,200kmにも及ぶ、広大な地域でございます。この広い地域、この地域の平和と安全を確保するためには、南西地域における防衛体制を充実させることが、極めて重要な課題でありまして、我が国自身による適切な防衛力の整備と併せて、在日米軍のプレゼンス、これをはじめとする米国の抑止力により、隙間のない体制を構築するということが不可欠であると考えております。

そのため、地理的な優位性を有する沖縄における機動性、即応性に優れた米海兵隊の駐留、また、佐世保基地、嘉手納基地をはじめとする、南西地域における米海・空軍等のプレゼンス、これは不測の事態の発生に対する抑止力として機能するなど、我が国の南西地域の防衛上、極めて重要な役割を果たしうるものと考えております。

なお、米国との間では、累次の機会に、日米安保条約第5条が尖閣諸島にも適用されることや、日米安保条約の下で、米国の条約上のコミットメントを確認をしてきておりまして、我が国を取り巻く安全保障環境が、一層、厳しさを増す中、このような揺るぎのない立場を日米間で確認をしていることは、たいへん意義があることであると考えております。

佐藤正久自由民主党

総理、今まで尖閣諸島の防衛警備について議論をしてまいりました。南西諸島に自衛隊が駐屯し、南西域の要衝に米軍が存在しても、日米連携が実際に機能しなければ意味がありません。

今回の平和安全法制の整備によって、平素から、日米間の〔同盟調整メカニズム〕が機能し、それが、活用が可能になることによって、日米の共同訓練、警戒監視の臨機応変な運用協力が実現いたします。

またそのような活動にあたって、日米は相互のアセット、装備品をお互いに守りあい、そしてまた、自衛隊から米軍、米軍から自衛隊に対する物品・役務の提供も可能となります。

平時の警戒監視や共同訓練から、「グレーゾーン」、我が国有事に至るまで、法的隙間を埋めて、あらゆる事態に切れ目なく、日米が相互連携できるようにして、抑止力を高めて、国民の命を守り、尖閣を含め我が国の領土を守るのは、今回の法整備のいちばんの狙いと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣

日米同盟は、我が国の安全保障の基軸であります。また、我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、地域における不測の事態の発生に対する抑止力としても機能しています。

日本が攻撃を受ければ、米軍は日本を防衛するために、力を尽くしてくれます。そして今でも、日米安保条約の義務を全うするため、日本近海で適時・適切に警戒監視の任務にあたり、日々、共同で訓練を行っています。

しかし、現在の法制の下では、わたしたちのため、その任務にあたる米軍が攻撃を受けても、わたしたちは日本自身への攻撃がなければ、彼らを守ることはできません。

我が国を取り巻く安全保障環境は、一層、厳しさを増しています。こうした中で、我が国の平和と安全を確保していくためには、平時から「グレーゾーン」、集団的自衛権に関するものも含め、あらゆる事態に対して、切れ目なく、日米が、一層、協力して対応をできるようにしておくことが必要であります。

ご指摘のあった〔同盟調整メカニズム〕の設置、アセットの相互防衛、平時からの物品・役務の提供の拡大は、そのような取り組みの具体例であります。

日米同盟の強化を、世界に発信することによって、紛争を未然に防止する力、すなわち、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は、一層、なくなっていくと考えます。

平和は唱えているだけでは実現しないわけでありまして、まずもって、外交を通じて平和を確保をしていく。その上で、法案は、万が一のために隙のない備えをつくり、国民の命、平和な暮らしを守り抜いていくために、必要不可欠なものであります。

佐藤正久自由民主党

極めて明快な答弁で、総理の思いが伝わったと思います。

今の法案、どうしても集団的自衛権の方に目が行きやすいんですけども、平時から、あるいはその「グレーゾーン事態」、これに対する対応も極めて重要です。

次に、「グレーゾーン事態」の対応について、議論を進めていきたいと思います。

一般に防衛警備というのは、法律と運用、これを相まって行う、これは当然です。特に、今回の法案審議、法案の検討に合わせて運用検討。これのひとつの目玉は「グレーゾーン事態」でした。

現在、民主党維新の党から〔領域警備法案〕が提出されていますが、残念ながら、さまざまな誤解にもとづいている。他国の武装漁民が、我が国の離島に上陸・占拠する場面を念頭に、指摘をしていきたいと思います。

まず、「警察機関だけでは、武装漁民が機関銃などの重装備、それで来た時に対応できない」という誤解であります。

安倍政権になりまして、前政権、いや、前の政権以上に、警察と海保の、警察機関能力向上に努めてまいりましたが、警察と海保の対処能力強化の現状を説明ねがいます。

沖田警備局長(警察庁)

警察におきましては、ご指摘のような事案に対処するために、特殊部隊《SAT》や銃器対策部隊などの専門部隊を設置しております。

これらの部隊は、装備といたしましては、自動小銃サブマシンガン、ライフル銃、防弾仕様の特殊車両等を備え、関係機関とも連携の上、各種事案を想定した訓練を実施するなどして、不断に、対処能力の向上に努めているところでございます。


佐藤海上保安庁長官

お答えします。

離島に接近してくる武装漁民に対しましては、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする警察機関である、海上保安庁が第一義的に対応いたします。

海上保安庁におきましては、速力を向上させ、正確な射撃が可能な武器などを装備した巡視船艇を順次、整備してきております。また常日頃から、射撃技術の向上などを目的とした訓練を実施し、対応能力の維持・向上にも努めているところであります。

海上保安庁といたしましては、今後とも、必要な体制整備を推進し、領海警備に万全を期してまいります。

佐藤正久自由民主党

いま答弁にありましたように、機関銃等のレベルであれば、充分、対応できる能力を逐次、向上しています。また、そもそも現実の問題として、多数の武装漁民がいきなり、尖閣諸島などに上陸することは想定しにくいと思います。

多数の漁船団の近接は、早期から情報を入手でき、それに応じて海上保安庁も体制を取れますし、警察や自衛隊尖閣諸島などへの事前配置も可能と考えます。

政府の情報収集体制、離島への事前配置の可能性について、防衛大臣に伺います。

中谷防衛大臣

防衛省自衛隊は、平素から、P-3C等の哨戒機によりまして警戒監視活動を実施しておりまして、その際、得られた情報につきましては、関係機関と適時・適切な情報の共有、これを行っております。

この5月14に、閣議決定を行いまして、離島に武装集団が不法上陸する事案に対しましては、関係省庁等が、当該事案発生前から、関連する情報を収集・交換するなど、緊密に連携をするということといたしております。

そのため、一般論として申し上げれば、お訊ねのような事案が発生する前の段階で、離島等に対する、武装集団による不法上陸等の事案に発展する可能性がある事案に関する情報を、収集・支援し、警察機関が増援部隊の派遣等により、体制を構築することは可能であると考えております。

くわえて、自衛隊についても、平素から自衛隊に認められている権限の範囲内であれば、自衛隊に行動が命ぜられていない段階であっても、艦艇等により警戒監視活動を行うとともに、陸上自衛隊等の部隊等は、特定の駐屯地への移動等の所要の体制を整えるために、必要な措置を講じることができるわけでございまして、これらによりまして、防衛省自衛隊と関係機関が、一層、連携して、事態の推移に応じて、切れ目なく対応できると考えております。

また、実際の対処における関係機関との連携のあり方に関する、さらなる検討等を通じまして、関係機関との連携強化にも努めてまいる所存です。

佐藤正久自由民主党

いま、ご説明がありましたように、早期察知、早期展開は、やっぱり可能なんです。いきなり武装漁民が尖閣のところに上陸するということは、ほとんど考えにくい、事前展開を可能という答弁がありました。

次に、資料⑫をお願いします。

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安全保障は机上の空論ではなく、現実的に対応しないといけないと思います。ただ、武装漁民の離島上陸等の場合、警察は非力、自衛隊が出動すれば何でも対応できるというような誤解があります。自衛隊の行使しうる権限は、自衛権ではなく、あくまでも警察権。基本的には、警察や海保自衛隊は同じです。

防衛大臣海上警備行動や治安出動で、自衛隊が行使可能な制約事項、あるいはその権限等について、ご説明願います。

中谷防衛大臣

まず、領土と治安の維持につきましては警察、また海上保安庁が第一義的な対応の責任を有しておりますが、自衛隊は、警察機関では対応できないような場合等には、公共の秩序の維持として、海上警備行動や治安出動の発令を受けて、警察機関と緊密に連携して、対処することになります。

その際の権限でありますが、警察官職務執行法第7条等の準用によりまして、自己もしくは他人に対する防護、または公務執行に対する抵抗の抑止のため、必要と認められる相当な理由がある場合等には武器の使用が許されますが、これらの権限は、佐藤議員のご指摘のとおり、警察官や海上保安官の権限と同じであります。

さらに、治安出動時におきましては、小銃、機関銃等の殺傷力の高い武器を所持した者が、暴行、脅迫をし、武器を使用するほかにこれを鎮圧する適当な手段がない場合等にも、武器の使用が許されるということでございますが、いずれの場合におきましても、武器の使用は、事態に応じて合理的に必要と判断される限度にかぎられて使用されるということでございます。

佐藤正久自由民主党

資料⑬をお願いします。

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いま、ご説明にありましたように、自衛隊の権限というのは自衛権ではなく警察権、何でもできるわけではありません。特に、この資料⑬にありますように、自衛隊の出動した場合の懸念事項もございます。

もともと自衛隊というのは、自衛権に基づき、敵国の軍艦を相手にすることを基準に設計されており、小回りの利く漁船対応には実際、難があります。

さらに、漁船への乗り込み・検査は、自衛権に基づく武力行使の訓練をしている海上自衛隊よりは、海保隊員の方が慣れており、効果的であります。

仮に警察機関で対応可能な状況で、武装漁民に自衛隊が出動した場合、懸念事項、このパネルにありますけども、まさに、向こうが民間に対して最初に自衛隊が出る。まさに、ミリタリー対民間という形になります。

このような状況になれば、当該地域はまさに係争地域であるといった誤情報を自ら発信し、我が国が先に軍事力を使用したと宣伝材料に使われ、かつ相手国が軍事力を行使する口実を与えてしまう。場合によってはこの3番にありますように、ミリタリー対ミリタリーへの、事態がエスカレーションするおそれもあります。

やはり警察権で対応する以上は、警察力を高めて対処体制を構築する、これが基本です。実際に竹島に韓国の武装勢力がいますけども、これは軍ではなく、やっぱり警察なんです。いかにそういうエスカレーションを抑えるか、これは基本中の基本です。

その上で、警察と海保の能力上の限界、また、自衛隊の行使可能な権限や、実際の運用面での向き、不向きを考えて、警察と自衛隊の連携強化、これを図ることが必要です。

わたしも、共同訓練に参加したことがございます。警察との共同訓練です。実は自衛隊は、場所というのは座標、8桁のグリッドであります。警察は住所です。不審者を捕まえて、山の中でこれを引き渡そうとしても、山の中には住所がないところがあります。なかなか受け渡しが難しいということもあります。また通信機は、自衛隊は秘匿性があって、ただ一方で、警察はそういうものがない。互換性にも問題がある。結局、携帯電話ということもあります。

当初は課題も多くありましたが、最近の連携強化、共同訓練の状況について、防衛大臣からご説明を願います。

中谷防衛大臣

佐藤委員、ご指摘のとおり、それぞれの省庁によって、装備や運用の仕方、異なるところがございますが、5月14日に閣議決定を行いまして、海上警備行動等の発令の手続きの迅速化にくわえて、それぞれの場合において、内閣官房を含む関係省庁が、事案発生前においても連携を緊密にして、訓練等を通じた対処能力の向上を図る点についても、定めているところでありまして、これまで、各般の共同訓練などを積み重ねてきておりまして、警察機関、また自衛隊等の関係機関の連携、これまでと比較して、格段に向上しているところでございます。

訓練の詳細につきましては、事柄の性質上、お答えを差し控えますが、今後とも訓練等の取り組みを着実に実施するとともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化にも、的確に対応しうるよう、不断の検討を行いまして、武力攻撃に至らない侵害への対処に、全力を期してまいりたいと考えております。

佐藤正久自由民主党

まさにこの、以前、いがみ合っていたというような批判がありましたけども、現在はまったく、それの批判は当たらないと、極めて連携が進んでいるという答弁でございました。

資料⑮、これをお願いします。

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先ほど答弁がいろいろありましたけれども、警察機関の対処能力を向上させるとともに、日頃から、自衛隊と警察・海保の共同訓練にくわえて、事態の兆候を察知した場合は、いかに現場に海保や警察官を集中するか、これが大事です。

この表は、まさにこれまでの運用検討の結果、これをまとめたものでございます。まさに、警察や海保の能力を超えることが予想された場合、そういう場合は速やかに自衛隊に治安出動や海上警備行動を命じて、速やかに現場に進出する、事前配置をする。これが基本です。

こういうかたちで、まさに法案と、あるいはその運用、これを相まって、この体制をつくっていく。いきなり、自衛隊が運用すれば何でも解決、そういうものではありません。

総理、現時点で、民主・維新提出の〔領海警備法案〕は、わたしは必要はないと考えますが、総理のご見解をお伺いします。

安倍内閣総理大臣

防衛大臣から答弁さしていただきましたように、海上警備行動、治安出動等の発令にかかる手続きの迅速化のための閣議決定や、警察や海上保安庁などの関係機関の対応能力の向上、機関相互の連携強化など、必要な取り組みを、一層、強化していくこととしております。

また仮に、自衛隊が平時から、警察機関とともに警察権を行使した場合、「日本の側が、事態をミリタリーのレベルにエスカレートさせた」との口実を与えるおそれもあると考えます。

むしろ大切なことは、他国の警察組織や民間の船舶などに対しては、警察機関がまずは対応し、そしてそれが無理であれば、自衛隊が対応する、この速やかな移行が可能になることであると考えています。

こうしたことから、政府においては、現下の安全保障環境において、武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても、切れ目のない、充分な対応を確保するための体制を整備しており、現時点では、新たな法整備が必要であるとは、考えておりません。

佐藤正久自由民主党

まさに現時点においては、警察機関で対応し、いざとなれば自衛隊がそこに迅速に展開をすると、こういう、まさに法律と運用の相まって対応するということだと思います。

次に、集団的自衛権の議論の方に移りたいと思います。

今回の安全保障法制。一部には、安倍総理が、岸元総理の遺志を受け継ぎ、個人的な思いでやっているという一部の批判があります。これはまったくの誤りであります。

今回の安全保障法制は、実は10年以上の長きにわたって議論をされています。実際に、小泉政権下においては、まさに有識者で、この限定的な集団的自衛権等についても含めて議論をされており、また民主党政権下の菅内閣においても、有識者の方から提案がなされています。

安倍政権は、これまでの議論を踏まえながら、あるいはそれらの提言を真摯に踏まえながら、今回の集団的自衛権、こういうものを提言をしてきたというふうに認識しています。

総理、改めて、今回なぜ憲法解釈を見直して、限定的な集団的自衛権の行使を容認する必要があるのか、改めて伺います。

安倍内閣総理大臣

今日、我が国を取り巻く安全保障環境は、昭和47年、1972年に政府見解がまとめられた時から40年以上を経て、想像もつかないほど変化をしています。いまや脅威は、容易に国境を越えてきます。もはやどの国も、一国のみで自国の安全を守ることができない時代となりました。

昭和47年に政府見解がまとめられた当時と比べ、たとえば米軍の規模は、兵員数、艦艇の隻数、航空機の機数の、いずれも半分になっています。北朝鮮は、当時まったく保有をしていなかった弾道ミサイルを大量に保有し、数100発が我が国の大半を射程におさめ、ミサイルに載せるための核開発も推進をしています。同時に我が国は、当時存在しなかった弾道ミサイル防衛システムを保有するに至り、その運用には従来にはない、日米の極めて、日米の極めて緊密な協力が不可欠となっています。そしてまた中国は、東シナ海において、尖閣諸島周辺の領海において、公船による侵入を繰り返し、また、境界未確定海域における一方的な資源開発を行っています。

まずもって、外交を通じて平和を守ることが重要なのは言うまでもありません。今後も、積極的な平和外交を展開していきます。その上で、万が一の場合の備えも必要であります。安全保障に想定外は許されないわけであります。

国民の命と平和な暮らしを守り、今の子供たちや未来の子供たちへ、戦争のない平和な社会を引き継いでいくことは、政府の最も重要な責務であります。まだ危機が発生をしていない今のうちに、あらゆる事態に対して、切れ目のない対応を行う体制を整えておくことが必要であります。

平和安全法制は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中で、憲法第9条の範囲内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために不可欠な法制であり、一日も早い整備が必要であると考えております。

佐藤正久自由民主党

ありがとうございます。

ただ、限定的とはいえ、集団的自衛権の行使には法整備が必要です。でも「ルール違反の法律では嫌だね」と多くの国民は思うし、わたしもそれがルール違反であれば嫌だし、現場の自衛官も嫌だと思います。だが、今回の法案は憲法の枠内であることは明白だし、国際法にも適合する。つまり、ルール違反ではありません。それをこれから再度、議論いたします。

今の憲法には、〔戦争の放棄〕という言葉はありますが、逆に〔国防〕とか、〔自衛〕とか、〔自衛権〕、〔自衛隊〕という言葉は、今の憲法にはありません。これまですべて解釈、解釈で、〔自衛〕とか〔自衛隊〕、〔自衛権〕を、憲法の認めるところとしてきました。

そこで、憲法に適合するかどうか、これを判断するのは最高裁判所です。自衛権に関する唯一の最高裁判例が、昭和34年の〔砂川判決〕で、平和的生存権を担保するための自衛の措置は合憲とされました。ただ、〔必要最小限の自衛の措置〕としては、無限定な、フルサイズの集団的自衛権は認めないとするのが、昭和47年の政府見解です。

科学技術の変化や、安全保障環境の変化を受けて、たとえば、米イージス艦等への攻撃を放置をしていたら、日本が攻撃された場合と同等の急迫不正の侵害発生の危険がある場合など、例外的に集団的自衛権の行使を認める。言い換えれば、自国防衛目的以外の、自国防衛目的以外の集団的自衛権は認めないというのが、今回の〔新3要件〕であり、これが〔必要最小限の自衛の措置〕に入るのは当然です。憲法の枠内であることは、明白だと思います。

総理、この資料を見て、ご所見をお伺いします。

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安倍内閣総理大臣

ご指摘のとおり、日本国憲法には、〔自衛〕、〔自衛権〕、〔自衛隊〕という言葉は、用語も書かれていないわけであります。

政府としては、従来から憲法前文で確認している、〔国民の平和的生存権〕や、憲法第13条で示している、〔生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利〕を、国政上、尊重すべきこととしている趣旨を踏まえると、憲法第9条が、「我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じている」とは、到底、解されず、そのための実力組織である自衛隊を保持することも、憲法上、認められると、こう解してきました。

また、憲法解釈を最終的に確定する権能を有する唯一の機関である最高裁判所も、砂川事件判決において、憲法の解釈として、〔我が国が自国の安全と平和を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として、当然のことと言わなければならない〕と述べております。

佐藤正久自由民主党

まさに今回、許されるのは、自衛隊が米国を守るために米国まで行って武力を行使するのではなく、そのまま放置をしたら、日本国民の命が守れない場合に限っての、自衛のために限定した集団的自衛権です。自国防衛目的以外の集団的自衛権は認められないということです。

ただ、憲法上は合憲でも、国際法に合致しないと、ルール違反になってしまいます。我が国は、主権国家として、国連憲章51条に基づき、個別的・集団的自衛権を保有してます。

外務大臣維新の党の対案がいうように、国際法上、個別的自衛権集団的自衛権、これが重なることはあるのでしょうか。

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岸田外務大臣

国際法上、個別的自衛権は、自国に対する武力攻撃を、実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。一方、集団的自衛権は、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。

このように両者は、自国に対して発生した武力攻撃に対処するものであるか、どうか。この点におきまして、明確に区別をされています。よって、この両者が概念として重なることはないと考えています。

佐藤正久自由民主党

まさに、個別的自衛権の拡大解釈はいちばん危険で、歯止めがなくなり、自分の行為をすべて、個別的自衛権で成立してしまうおそれがあります。

資料⑱をお願いします。

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これは限定的な集団的自衛権の一例で、まさに今まで何回も、この委員会で提示されました「アメリカのイージス艦」、これを守るという場合の一例でございます。

ただこの公海上の米艦防護の必要性については、実は民主党の岡田代表も、平成15年に『与野党幹事長の憲法座談会』の場でも、その必要性を認めて、集団的自衛権の行使についても言及されています。

石川政務官、資料⑲。恐縮ですが、読んでいただけますか。

石川防衛大臣政務官

委員、お示しのパネルを、そのまま読み上げさせていただきます。

読売新聞(2003年5月3日)
与野党4幹事長、憲法座談会。北朝鮮危機と自衛権解釈、集団的自衛権行使認め、政策判断』

岡田氏
「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為とみなし、日本が反撃する余地を残すのは、充分、合理性がある。今の憲法は、すべての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで、充分、整合性をもって説明できる。」

以上でございます。

佐藤正久自由民主党

まさに認めて、必要性は言及しているわけです。

しかしなぜか、今年6月の党首討論では、「集団的自衛権の行使は必要ない」と断言をされ、さらにこの米艦防護を「個別的自衛権や警察権で説明してしまえばいい」ということまで言及されました。驚きました。

個別的自衛権の拡大解釈は、それこそやはり危険です。

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目的が自国防衛だからといって、外形上の他国防衛を、集団的自衛権ではなく個別的自衛権だというのは、国際法違反だと思いますが、外務大臣の答弁を求めます。

(不規則発言の喧騒、質問中に審議が中断)


いま外務大臣に答弁を求めたのは、これは他国防衛というものを目的とした集団的自衛権で、個別的自衛権とこれをいうのは、国際法違反ではないかという質問でございます。

岸田外務大臣

先ほど申し上げましたように、個別的自衛権集団的自衛権国際法上は、自国に対する攻撃に対処するかどうかで、明確に区別をされています。

個別的自衛権においては、自国に対する武力攻撃の発生が必要とされていますし、集団的自衛権においては、この武力攻撃を受けた国からの要請、同意が必要である、このようにされております。自衛権の行使を適法だというためには、こうした要件を満たす必要があります。

目的が自国防衛だとしても、自国に対する武力攻撃が発生していなければ、個別的自衛権の行使として正当化することは難しいと思いますし、一方、集団的自衛権により正当化すべき事例を、個別的自衛権だと説明するということは、この集団的自衛権行使の要件である、武力攻撃を受けた国からの要請、または同意を得ずに武力行使を行う、こういったことから、国際法上、正当化することは難しいと考えます。

集団的自衛権により正当化すべき事例を、個別的自衛権という形で拡張するということは、国際法違反のおそれがあると考えます。

佐藤正久自由民主党

さらに、法制局長官に伺います。

岡田代表の言われるように、すでに米国が武力紛争の当事者となっている状況での米艦防護を、海上警備行動により自衛隊が対応することは、法制上、憲法上の問題もあると思いますが、いかがですか。

横畠内閣法制局長官

米国が、国際的な武力紛争の当事者となっている場合に、我が国が、当該武力紛争の相手国による武力攻撃から米国艦船を防護するため、実力を行使することは、まさに〔武力の行使〕にあたるものであり、海上警備行動など、我が国の統治権の一環である警察権の行使によって、対応できるというものではございません。

そのような〔武力の行使〕にあたる実力の行使を行うためには、〔新3要件〕を満たし、手続きとしては、〔事態対処法及び自衛隊法〕の規定に従って、防衛出動を下令することが必要であります。

そのような場合、海上警備行動なる警察権の行使としてこれを行うとした場合には、国会の承認を含むシビリアン・コントロールを先達して、違法な武力の行使を行うということになってしまうという問題があると考えております。

佐藤正久自由民主党

やはり自国防衛が目的とはいえ、集団的自衛権の範疇に入るものを、個別的自衛権とか、警察権で対応するというのは、これは絶対やってはいけないことだと思います。

次に、この集団的自衛権につきまして、歯止めについていろんな議論がありました。実は、民主党の元代表の方々も、「集団的自衛権を、憲法の枠内で歯止めをかけながらも認めるべきだ」と述べています。

石川政務官、恐縮ですが、資料⑳を読んでいただきたいと思います。

石川防衛大臣政務官

委員、お示しのパネルを、そのまま読み上げさせていただきます。

2005年7月、岡田克也民主党代表、『外交ビジョンを語る』

――制限された自衛権行使を、理屈ではなく実体論でいくということか。

岡田氏
「仮に集団的自衛権を、憲法なり、法律なりで認めるとしても、きちんと制限を明示したほうがいいだろう。いずれにせよ、より具体的な形で議論をすべきだ。そして最後には、その時々のリーダーが、政治生命を懸けて決断しなければならない。」

下段の部分でございます。

野田佳彦『民主の敵――政権交代に大儀あり』(新潮新書/2009年)、第4章・自衛官のせがれの外交安全保障論「集団的自衛権を認める時期」

野田氏
「いざという時は、集団的自衛権の行使に相当することも、やらざるを得ないことは現実に起きうるわけです。ですから、原則としては、やはり認めるべきだと思います。認めた上で、濫用されないように、歯止めをかける手段をどのように用意しておくべきかという議論が、大切になってくるわけです。」

佐藤正久自由民主党

国民の皆さん、このように民主党の元代表も、しっかり歯止めをかけた限定的な集団的自衛権、これに言及されてるわけです。実は、前原元代表も、長島議員も、同じように言及をされています。

ただ、当時の6月の党首討論で、「新3要件を時の内閣に丸投げ、白紙委任、そんな国はどこにもない」と批判をしています。わたしは〔新3要件〕は厳格な歯止めだし、他国が自衛権発動で、それほど厳格な歯止めがあるとも思えません。

外務大臣、たとえば、米国、英国、豪州において、自衛権をこういう場合に発動しますと、法律に明記しているでしょうか。

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(不規則発言の喧騒。委員長席に集まるも、審議は中断せず)

鴻池委員長

聞こえなかった。誰に質問ですか?


佐藤正久自由民主党

外務大臣です。


鴻池委員長

外務大臣。岸田外務大臣

岸田外務大臣

お訊ねいただきました、米国、英国、豪州でありますが、我が国のこの〔新3要件〕のような、「自衛権を行使するような要件」を規定した国内法は、こうした国々には存在しないと、承知をしております。

佐藤正久自由民主党

まさに、アメリカも、イギリスも、豪州も、このような歯止めを法律に明記していないんですよ。つまり、今回の3要件は、極めて、ほかに類をみない歯止めがあるというふうに、わたくしは思います。

総理、ご見解をお伺いします。

安倍内閣総理大臣

ただいま、外務大臣から、他国の歯止めの例について、ご紹介をさせていただいたところでございますが、今回の平和安全法制は、憲法との関係では、昭和47年の政府見解で示した、憲法解釈の基本的論理はまったく変わっていないわけであります。これは、砂川事件に関する最高裁判決の考え方と軌を一にするものであります。砂川判決は〔我が国が自国の安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として、当然のことと言わなければならない〕と述べています。

我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変わってきているわけでありまして、昭和47年の政府見解が出された40年以上前から、想像もつかないほど変化をしています。一層、厳しさを増しています。脅威は容易に国境を越えてやってきますし、もはやどの国も一国のみで自国を守ることができない時代になっています。

このような中において、わたしたちは、厳しい現実から目を背けることはできないわけでありまして、砂川判決のいう、〔必要な自衛の措置〕とは何かを、とことん考え抜いていく責任があります。

その中でいま、我々は平和安全法制を提出をさしていただいているわけでありますが、我が国が〔武力の行使〕を用いうるのは、行いうるのは、〔新3要件〕を満たす場合に限られますが、これは憲法上の明確かつ厳格な歯止めになっており、今般の法整備において、過不足なく、明確に書き込まれております。

〔新3要件〕は国際的に見ても、他に例のない、極めて厳しい基準であって、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものでは、決してないわけであります。さらに、実際の〔武力の行使〕をおこなうために、自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、これまで同様、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記されており、政府が判断するのみならず、国会のご判断もいただき、民主主義国家として、慎重の上にも慎重を期して判断されることになるわけであります。

したがって、我が国の〔新3要件〕について、極めて明確かつ厳格な、しっかりとした歯止めがあると考えております。

佐藤正久自由民主党

まさに、このようにしっかり歯止めをかけた、限定的な集団的自衛権。ほかの国にもみられないような歯止めだと、わたしも思いますし、総理からも明確な答弁がございます。

まさに、自国を守るためだけの限定的な集団的自衛権、自国防衛の目的以外の集団的自衛権は行わないという政治の責任を果たした。これが、今回の法案の中に盛り込まれているというふうに思います。

集団的自衛権も、あるいは重要影響事態も、また国際協力も、実は民主党政権時代も含めて、この過去10年間、まさに時の政権が営々と、まさに国民の命を守り、主権を守り、積極的な平和外交をやるために営々と力を尽くしてきた、その賜物です。実際に、周辺事態法を見直そうと、こういうふうにアメリカに提案したのも、民主党政権時代、野田政権時代の森本防衛大臣です。

総理が、岸総理の遺志を受け継いで、自分の思いでやってるという批判は、まったくあたらないということが、いまの議論で明確になったと思います。

安全保障は本来、与党も野党もないはずです。どうやって国民を守るか、そういう議論をしっかりこの国会の場でやる、これが我々の責務だと思います。国民の命を守るのは、政府の仕事だけではなく、国民から選らばれた我々、立法府の一員、それぞれの政党の責任でもあると思います。しっかりと政党の案を出して、議論をすべきです。

民主党のリーダーが、このように過去に主張をしているにもかかわらず、今回、対案を出さなかったのは、極めて残念だと思います。

わたしは出身が福島です。あの東日本大震災、いろんな現場を経験しました。宮城県のあの南三陸町では、遠藤さんという女性の方、役場の防災無線係でした。多くの方が逃げ遅れてる、なんとしても助けないといけない、「津波が来ます、高台に逃げてください、高台に逃げてください」と言われて、最後まで無線を握っていました。彼女は実は籍を入れていて、秋には結婚披露宴をやる予定でした。彼女にも幸せになる権利や自由はあります。それ以上に守るべき義務と責任があった。

まさに総理、現場の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、公務員の方々も、しっかり、そういう国民のリスクを下げるために、自分の思いを伝える、そういう現場があります。

総理、最後に、この国会でこの法案を成立させる必要性と、総理の思いをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣

まさに佐藤委員がご指摘をされたように、わたしたち政治家には、そして内閣には、国民を守るため、国民の命を守るために、〔必要な自衛の措置〕とは何かを考え抜く、大きな責任があります。

国際情勢は、日々、変わっていくわけであります。40数年前の解釈のままで、果たしていいのか。ここから逃げてはならないわけであります。〔必要な自衛の措置〕とは何か。これをまさにわたくしたちは考え抜いた結果、今回その責任を果たすために、国民の命を守るというその責任を果たすために、我々は憲法解釈を変更し、そして平和安全法制の整備のための法案を、提出をさせていただいたところであります。

しっかりとした議論を行い、そして決めるべき時にはしっかりと、結論を出していただきたいと、このように思う次第でございます。

佐藤正久自由民主党

まさに国民の命は政治が守るんだと、我々自由民主党は、政府与党一体となって、この法案、徹底的に議論をし、決める時には決める、そういう覚悟で議論を進めてまいります。

どうもありがとうございました。

発言者:安倍晋三(内閣総理大臣)、岸田文雄外務大臣)、中谷元(防衛大臣)、横畠裕介(内閣法制局長官)、石川博崇防衛大臣政務官)、沖田芳樹(警視庁・警備局長)、佐藤雄二(海上保安庁 長官)、佐藤正久自由民主党)、鴻池祥肇(委員長)