聞文読報

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10月5日 照屋守之(自由民主党) 一般質問(全文) 沖縄県議会『平成27年第7回定例会』

※平成27年10月5日、沖縄県議会『平成27年第7回定例会』より

照屋 守之(てるや・もりゆき/自由民主党

おはようございます。質問をさせていただきます。

質問に入るまえに、最初の「しまくとぅばの普及について」は割愛し、次回にまわさせていただきます。2点目の「埋め立て承認取り消しについて」から行います。

国は(公有水面)埋立法の手続きによって責任を果たして、県は9ヶ月かけて審査をして責任を果たした。県及び県知事の果たした責任を放棄して、いま、なぜ承認取り消しの議論がなされているのか、ご説明をお願いします。

翁長 雄志(おなが・たけし)知事

照屋守之議員のご質問にお答えいたします。

「埋め立て承認取り消しについて」に関するご質問のなかで、いまありましたように、承認取り消しについてお答えいたします。

わたくしは、「辺野古新基地はつくらせない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」との公約実現に向け、平成27年1月26日、普天間飛行場代替施設建設事業にかかる公有水面埋め立て承認に関し、法律的な瑕疵の有無を検証するため、第三者委員会を設置しました。

第三者委員会からは、同年7月16日、「埋め立て承認手続きには法律的な瑕疵が認められる」との報告がありました。その報告も踏まえ、現在、取り消しに向けた手続きを行っているところであります。

照屋 守之(自由民主党

検証委員会は、県内部を検証した結果、「瑕疵がある」ということであります。つまり、わたくしは、この検証委員会は「県が悪いということを証明をした」ということになっていると思っております。

ですから、翁長知事は、この県行政の責任者として、県民に、あるいはまた国に対して、わびるべきではありませんか。県の内部のチェックミスでそういうふうな事態を招いたというのは、これは県行政の責任ですよ。

ですから、「瑕疵が認められた」というかたちで検証委員会からそういう指摘がありますから、当然、翁長知事は、県民に、それをわびるのが筋だろうと思いますけれども、いかがですか。

喜納 昌春(きな・まさはる)議長

(照屋議員の発言終了後、約30秒経過)

休憩します。

(約10秒経過)

再開します。

翁長知事。

翁長 雄志(知事)

照屋守之議員のご質問にお答えをいたします。

まあ、前知事の埋め立て承認に至った経緯も、たいへん[わたしたち]からすると、残念なことでございました。その後、そういったことを踏まえて、第三者委員会を作りまして、そして、ご承知のとおり「法律的な瑕疵がある」という、答申といいますか、報告がございまして、それを、[わたしども]も検証した結果、それは間違いなくそういうことだというふうになりました。

ですから、4年前、前知事が「県外移設(を含む、あらゆる手段で普天間飛行場の危険性の除去に取り組む)」ということで公約をして、当選をして、そして3か年何か月かは、ものの見事に立派な発言をされておったんですが、どういうことかわかりませんけれども、[]承認(発言ママ)としてしまいました。それについては、残念な思いをしながら、今日にきてるところであります。

照屋 守之(自由民主党

わたしはここで、仲井眞前知事の批判という、こういう発言を、聞いておりませんよ。

これはどなたが県知事であろうが、検証委員会が県の内部のものをチェックして「瑕疵がある」ということですから、これは国の責任じゃなくて、県内部の責任なんですよ。

ですから当然、これは前知事がそこにいらっしゃれば、そういうふうなかたちになりますけれども、今は、沖縄県の行政は、翁長知事が行政の最高責任者ですから、県内部の方々がミスを指摘して、それを翁長県知事が県民・国民にわびるのは、当然のことじゃないですか? わびをしてくださいという、そういう話をしてるんです。いかがですか。

翁長 雄志(知事)

先ほど、申し上げたとおりの経緯でありますので、たいへん残念であったということで、わたしは、県民は、ご理解をいただけるんじゃないかなあと、そのように思ってます。

照屋 守之(自由民主党

ご自身の判断、責任を確認をしていながら、それをすべて周りの責任とか、前知事云々ですけれども、今は、翁長知事が県政の最高責任者ですから。

検証委員会は、「県が悪い」というかたちで内部体制をチェックをして、そういうふうに指摘をしてるわけですから、この問題を、「前知事」とか、「国がどうのこうの」とかっていうふうなことではなくて、県行政としての責任。それがどうか、ということなんですね。

わかりきったことですけどね、この国の埋め立て承認手続きは、国にも責任があり、県にも責任があり、共同責任なんですよ。国が所定の手続きを踏まえて、国の責任を果たして、県に渡しました。9か月かけて、県は、県の責任を果たしました。

いま検証委員会で言われてるのは、その県が果たすべき役割を怠った、「やってない」というかたちで具体的になってますからね。これは国の問題ではなくて、県内部が問題があったということですから、当然、最高責任者として翁長知事は、そのことを素直にわびる。そこがスタートじゃないですか。いかがですか。

翁長 雄志(知事)

ある意味で、承認に至った経緯とか、こういったところまで深く掘り下げなきゃいけませんけれども、ある意味では、県民からしたら、「法律的な瑕疵がある」というようななかで承認がされた。そうすると、そういったことについては、むしろ正常に戻すというなかで、県民に責任を負うような、そういったことが、要求されているのではないかと、それが、昨年の知事選挙の結果ではないかなあと、このようにわたくしは思いながら、これからもがんばっていきたいと思っています。

照屋 守之(自由民主党

すべて「周りの責任」で、「前知事の責任」というかたちですけれども、これは社会通念上も、客観的に見ても、国の責任、県の責任というのは、はっきりしてるわけですから。

そういうかたちで、自らの責任を放棄して、いろんな理屈をくっつけて、その埋め立て承認取り消しをしようという、これはやっぱり、県知事としてあるまじき行為ですよ。そのことを指摘しておきます。

次は、「国との集中協議」であります。

この集中協議、どういう下準備…、安慶田副知事官房長官と何度か密かにお会いをして、いろいろお話し合いをして、こういう集中協議の下準備をしてきたというふうに認識しておりますけれども、この目的。どういう目的で集中協議をやってました?

安慶田 光男(あげた・みつお)副知事

お答えいたします。

集中協議につきましては、作業を一時中断をして、忌憚なく意見を交換することが、政府と県のあいだに、理解を含める(発言ママ)ことになるのではないかということで、県と、それと国と、意見が一致しましたので、それでは、そういう意見交換する場を設けようということで、つくられたものであります。

照屋 守之(自由民主党

意見交換をして理解を深めるのが目的ですか?

翁長知事は、つくらさない、反対、「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」ということを、実現をするために集中協議したんじゃないですか。意見交換をして理解を求める? いまさら、その程度のことで集中協議やるんですか。

意見を、理解を求めるのが集中協議の目的?

われわれ県民は、いま辺野古で反対してる方々も含めて、この集中協議で翁長知事が、「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」という県民に対する約束。そこを目処付けをする、しっかり当事者と、意思決定する方々とやる。今まではずっと、政府だって批判していた人たちが、じっくり腰を据えてやるという、「辺野古をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」という、そういう目的で集中協議やるわけでしょう。

意見交換して理解を深める? その程度のことですか? もっと詳しく説明してくださいよ。

安慶田 光男(副知事

舌足らずで、ご理解していただけないようです。

わたしが理解を求めると言ったのは、国の立場は「辺野古唯一だ」と言っておりますし、県は「辺野古をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」と言ってるから、お互い意見が違うから、一応、工事を一時中断をして、お互いの立場を主張し、そして理解を求めあうというのが集中協議の目的だと言っている、という説明であります。

以上であります。

照屋 守之(自由民主党

理解を求める集中協議をして、結果的にどうなったんですか。

安慶田 光男(副知事

お答えいたします。

残念ではありましたが、平行線でございました。

以上であります。

照屋 守之(自由民主党

これは残念という、この程度ですよね?

辺野古をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」という10万票の重さ。3万9千人集めてセルラースタジアムで「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」と言って、外では大風呂敷を広げる、それで選挙は勝つ。

実際、具体的に、知事が総理と話して協議をして、意思決定者と一緒に協議をしていく。「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」、これを実現する。その程度なんでしょ?

ただやって、セレモニーじゃないですか? 「反対をしましたよ」というセレモニーでしょ? わかりきったことじゃないですか。

これ、非常に不思議なのは、この辺野古普天間問題の原点が、「土地の強制接収・収用だ」と言うわけでしょ? いまさらの話が、そういうことを言うわけですよね?

浦崎副知事も、安慶田副知事も、よくわかってるでしょ。平成8年の日米合意が原点だっていうのは、誰だってわかりきったことじゃないですか。

わたしは、この集中協議を通して、この「原点が違う」というものが明らかになってきた。普通は、官房長官と事前協議のなかで、「わたくしどもはこう考えてますよ、原点は。国はどうですか、考え受けて」。基本的なそういう擦り合わせをしたのちに、じゃあ、この問題解決をどうするんだ、ということをやるのが、副知事や、リーダーたちの仕事であって、その前にそのままやって、集中協議をやった結果、「原点が違います」? これで話になりますか?

なんでそういう原点を、きちっと擦り合わせた上で集中協議しないんですか?

なに考えてんですか、副知事。いかがですか。

安慶田 光男(副知事

お答えいたします。

(集中)協議会の中で、それぞれ、国、県の立場を、お互い主張しあって意見を交換するということも、これひとつの意見交換であって、事前にやる・やらないというのは、それは手法の問題だと思いますから、(集中)協議会の中で、じゅうぶんに、翁長市長(発言ママ)は、原点について、失礼、翁長知事は、じゅうぶんに「サンフランシスコ講和条約以降が問題だ」ということを原点にしましたし、官房長官は、いま議員がおっしゃるように、「普天間の問題の改善が一緒だ」と言ってまして、それがなかなか、一致点を見出せなかったということで、それは相違がありました。

ただわたくしは、この(集中)協議会がただのデモンストレーションではないかという話には、わたくしはそうではないと考えておりまして、(集中)協議会は平行線に終わりましたけれども、総理並びに官房長官、そして、外務、防衛、沖縄担当大臣に、沖縄県の思い、そして知事の思い、沖縄県の民意を伝えて、なおかつ、[本土]のマスコミが、多く、[本土]の皆様方に呼びかけて、沖縄の立場を理解してもらった。そして、翁長知事が、「辺野古に基地をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」というのが県政の柱であるという思いを、理解してもらったという意味では、ある一定の評価をしているものであります。

照屋 守之(自由民主党

いまさら協議会でそういうことを理解を求めるという、話になりませんよ? みんな理解してますよ、いま日本。日本国民もぜんぶ、マスコミも。だからそういうかたちで、外にPRするためだけの集中協議で、問題解決も真剣にやろうとしない、こういうものが、だから問題だというわけですよ。

だから「辺野古をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」って、「反対する」っていうのは、結局、スローガンだけでしょ? 県知事としてどうするか、という話ですよ? いくらマスコミに訴えたって、県民に訴えたって、国民に訴えたって、(普天間飛行場の危険性の)問題、解決しますか? 外だけ騒いで、当事者どうしが、それぞれ適当にそういう、一方は「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」、一方は「つくります(移設します)」。その結果、そのままいくわけでしょ?

じゃ、「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」と言った翁長知事はどうするんですか、これから。「これから協議をしてやる」と言いますけど、具体的にどういう協議をするんですか。

安慶田 光男(副知事

先ほど、(振り向いて何事か話し合う)、先ほどの、...失礼しました。ご答弁に申し上げます。

ただの話し合いだけで、じゃあ、翁長知事はどうするかということでありまして、(集中)協議会が決裂したあと、翁長知事は取り消しに向けての意見聴取を進めましたし、防衛(沖縄防衛局)に対して、ちゃんとした文書を出しましたし、しかし(沖縄防衛局は)それに応じられないということですから、今度は聴聞手続きをとって、その聴聞の、10月7日までを待って、その後、ありとあらゆる手段を使って、辺野古には「新基地をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」という方向で、進んでいるということは確かでございます。

照屋 守之(自由民主党

「ありとあらゆる」ということを聞いてるわけじゃない。この問題、解決するには、政治決着しかないんですよ。翁長知事が総理、そこと、日米合意をやった、約束をした、それをどうするかという、そこでしょ?

だからいま「選挙で云々」とかって言ってますけどね、それとは別に、日本とアメリカの約束は、辺野古でしっかり約束されてるんですよ? これ選挙の結果とは違いますよ、別ですよ。

だから、なんで集中協議の中で、翁長知事が、日本政府とアメリカ政府の、その約束を、「白紙に戻してくれ」というかたちで、そういうふうな政治的な活動結果をつくらない限りは、「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」って言ったって、約束事ですからっ! 約束事をあんた、そんな簡単に、国際約束を破ることできますか?

だから翁長知事は、その約束を破棄させる、そういうことを集中協議の中でどうやりましたか、ということですよ。

安慶田 光男(副知事

お答えいたします。

先ほどから答弁してますように、翁長知事は、これまでの沖縄の基地の在り方というものは、サンフランシスコ講和条約以降、70年にわたって、ほんとに(日本の国土の)0.6%しかない施設(県土面積)に、74%の(米軍専用)施設があると。これは非常に、非常にたいへん厳しいものがあると。

そしてもうひとつ、安全保障条約は認めますが、安全保障条約は、国全体で考えていくべきものであるということも述べまして、そして沖縄県は、そういうことをとって、仲井眞知事が、あの辺野古埋め立てを認めたんですが、その後に、辺野古反対を打ち立てて、県民の意思を確認して、自分は当選してきたんだと。だから、自分の公約である辺野古埋め立てにはどうしても、国に理解をしてもらって、辺野古建設、「辺野古に基地はつくらせない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」ということを、理解を求めたということであります。

照屋 守之(自由民主党

安慶田副知事もあれですね、翁長知事と一緒で、しつこい質問してるけど、答弁はぜんぜんトンチンカンな答弁ですね。

あなたっ…、わかってますか? わたし聞いてるの?

議長、ちょっと休憩願いますわ。

休憩願いますわっ!

喜納 昌春(議長)

休憩します。

照屋 守之(自由民主党

(議長に対して)ちょっと確認してください! わたしが聞いたことと、答弁したこと、おかしいでしょ? 議長あなた、そういうの注意しないとさあ! ああ?

わたしは、この問題に関して、「日本政府とアメリカ政府が約束しましたね」と。「これは選挙結果とは関係ありませんね」と。この日米約束事を、(集中)協議会の中で、破棄するとか、そういうことを、どういうふうにしましたか、ということを聞いてるんだよ?

あの答弁なに? 注意してくださいよちゃんと、議長あんたっ! 「答弁おかしいよ」と。

喜納 昌春(議長)

冷静に、とにかく質疑を交換してください、時間ありますので。

再開します。

照屋 守之(自由民主党

「冷静に」って、ですから、はい、ちゃんとやってくださいよ。

安慶田 光男(副知事

お答えいたします。

議員が質問されてるような会話は、国からも、県からも、ありませんでした。

照屋 守之(自由民主党

国からやるわけないじゃないですか、なに言ってんの?(笑う)

もうほんとに、あなた副知事ですよね?官房長官と、そういう調整役ですよね? 「辺野古をつくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」と言ってるのは、翁長知事ですよ?

向こうはつくる(移設する)って言ってるんですよ? これは、なんでつくるのか(移設するのか=普天間飛行場の危険性の除去のため)ですよ? 日本政府とアメリカ政府は約束してるからつくる(移設する)んですよ? それ約束をさせたのは沖縄県ですよ? わかってますか?

だから、「つくらさない(普天間飛行場代替施設を建設させない)」って言ったって、約束事項だから、約束を守らないといけないわけでしょう?

だからそれを「守らさない」と言うのは、国が言うんじゃなくて、皆さん方が、知事が、「あの約束は破棄してください、白紙にしてください」、そういうことをまず、手続きとしてやらないと、国が考えようがないわけでしょう? 国はそれを期待してたんじゃないですか? いかがですか。

安慶田 光男(副知事

お答えいたします。

議員は、「国の約束だから」と言っておりますが、しかし翁長知事は、沖縄県の現状を、こういう国の約束があったにしても、「沖縄県の現状は、こういう事情だよ。だからわたしの立場では、絶対に辺野古の基地をつくってもらいたくないし(普天間飛行場代替施設を建設してもらいたくないし)、つくらせない(移設させない)という立場である」ということを、何度も(集中)協議会では説明しておりました。

以上であります。

照屋 守之(自由民主党

ですからそれは、沖縄県、翁長知事の言い分です。世の中でそういうの通りませんよ。ひとつひとつ約束したことをね、履行するのがお互い人間のやることであって、それを理屈をこねてですね、ですからわたしは、やっぱりこういう直接交渉で、翁長知事が「つくらさない(移設させない)」ということを実現できないということは、やっぱり翁長知事は反対をする、国はつくる(移設する)、そのままずっと平行線で、こう、いくという。あと、自力でできないから、周りの力を借りてそういう交渉をしていくという。

まさに、翁長知事の熱意の無さと、交渉力の弱さを、非常に痛切に感じましたね。

次は、「一括交付金制度」です。

一括交付金制度、わたしは是非、翁長知事、あるいは安慶田副知事もいらっしゃいますし、聞きたいと思ってますれけども、市町村事業ですね。これをまず、どういう状況になってるか、説明をお願いできますか。

謝花 喜一郎(じゃはな・きいちろう)企画部長

お答えします。

市町村におきましては、一括交付金を活用いたしまして、離島振興ですとか、子育て・福祉・教育など、さまざまな分野において、地域の実情に即した事業を実施しております。

具体的に申し上げますと、これまでに、離島におけます人工透析施設の整備ですとか、認可外保育施設の施設改修、またWEB会議室を活用した家庭学習支援など、活用が図られているところでございます。

照屋 守之(自由民主党

その次の、繰越事業の要因と説明もお願いできますか。

謝花 喜一郎(企画部長)

市町村の一括交付金事業におきまして、繰越の主な要因といたしまして、用地交渉の難航ですとか、法的手続きがかかります関係機関との調整の遅れ、また関係者との調整による計画変更などによるものとなっております。

照屋 守之(自由民主党

次の平成28年度予算化に向けての課題についてもお願いします。

平敷 昭人(ひらしき・――)総務部

28年度予算化に向けての課題でありますけども、沖縄振興一括交付金につきましては、27年度の予算額決定の際に、不用でありますとか、繰越などの執行状況を、国から指摘されたところであります。

28年度の予算額を確保するためにも、今年度の執行状況を改善する必要があると考えておりまして、現在、不要額、繰越額の縮減に向けて、全庁的に取り組んでいるところであります。

照屋 守之(自由民主党

市町村の一括交付金事情、特に那覇市の「龍柱建設事業」ですね。これ、わたし少し疑問を持っておりますけれども、実は、この龍柱建設については、中国出身の評論家の石平(せき・へい)さんという、石平という方、いますね。石(いし)と平(たいら)。この人、「龍」の持つ意味としてですね。

「龍は歴代の中国皇帝のシンボルである。つまり中国人は、『龍の柱』が他国に建っているのを見れば、その地が中国皇帝、今なら『中国共産党に服従しています』と宣言をしてると感じる」

と述べている。

なぜ、中国に服従するシンボルをいま、那覇市に建てる必要があるんですか? 翁長知事、これ説明してもらえませんか。

謝花 喜一郎(企画部長)

お答えいたします。

まず、その「龍柱」の件なんですが、那覇市によりますと、那覇市と福州市(中国・福建省)の「友好都市の交流シンボル事業」ということで実施しておりますけれども、那覇市と中国の福州市が有効都市提携30周年を迎えるにあたりまして、両市の友好交流を記念して作ったということです。

ご質問の「龍のモチーフ」でございますけれども、これにつきましては、有識者による検討委員会などにおいて、中国・福州市との友好交流の歴史ですとか、沖縄の特色性などを、総合的に検討した結果と。

具体的に申し上げますと、「沖縄独特の文化を発信できるものとして、首里城正殿前の大龍柱をモチーフにしたデザインにした」というふうに聞いております。

照屋 守之(自由民主党

わたしは、那覇市長だった翁長知事が起案してやってますからね、翁長知事に答えていただきたいんですけれども。

いま、尖閣ですね。尖閣を、尖閣諸島を、中国が非常にいま、厳しい状況になってますね。領土問題で主張してるわけでしょ?

ああいうかたちでやる時に、こういうことをやると、この「龍柱」で占領下とか、属国とかいうふうなシンボルを作ると、「中国・北京に利用される恐れがある」って、この石平さん、そう言ってるんですよ。

そういうシンボルをなんで、那覇市、翁長(当時)市長が、わざわざ、いまやったのか。この説明をお願いしますということですよ? それも一括交付金事業で。

翁長 雄志(知事)

お答えをいたします。

福建省との長いお付き合い、そういったようなものの30周年、福州市とありましたので、こういった節目、節目は、今、向こうに公園があるように、そういった節目、節目では、交流をさせていただいております。

いま尖閣の話もありましたが、尖閣がどうなるかというようなことは、[わたしども]がそういった企画をしてるなかでは、なかなか、2年後にはそうなるだろうというものが、わかってどうこうするわけではありませんで、なおかつ、中国との関係では、今定例会でも説明してますように、地方自治体は地方自治体で、中国との、たとえば浦添市泉州市(中国・福建省)と姉妹都市でありますし、それから宜野湾市は廈門(あもい)市(中国・福建省)と姉妹都市なんですね。

そういったルートを通じながら、そういった尖閣の問題も、こう、角突き合わせてということでなくて、なんとか平和的に、物事が解決しないだろうかというようなことの、あろうかと思うんです。

それから、龍の問題でありますけれども、県議会にも、こういうかたちで龍が置かれていますしね、尖閣の問題が起きたら、じゃあ、これは取り除くのかという話にもなりますし、それから、首里城にも龍がございます。

その龍は、もし中国のものであるとするならば、これはもう、ある時代から「沖縄は中国のもんだ」という話に、言われてもしょうがないような話を、いま議員はされてるわけでね。

わたしからすると「そうではありませんよ」と。沖縄独自の、アジアのいろいろな国とお付き合いをしてね、そういう中から出てきた文化が、沖縄独自の文化なんですよ、という話をされてるわけで、それを龍というかたちで、今はいいけど後はだめだとかですね、前はいいけど今はどうだというようなものは、これはわたしは考え方としては、たいへん一貫性がないのではないかなあと。

是非、照屋議員の、そのへんの歴史観とかも聞かしていただれば、わたくしも理解が早いと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。(※質問に答えていない)

照屋 守之(自由民主党

はっきりしてますよ。今までは、われわれ、わからなかったんですよ。中国の支配がどうのこうのとか。

いま、知事がおっしゃったのは、知事はずっと今まで、辺野古容認で、沖縄に基地を認めてきて、県知事になって、その考え方、変わったわけでしょ? その事とまったく一緒じゃないですか。自分の都合のいい解釈でやってきたという。

ですからわたしは、この中国に服従、属国の意味を持つこの「龍柱」とか、尖閣諸島問題で対立する日本・沖縄の、この「龍柱」が利用されるという、そういう危険性があるというものを、わざわざいま、那覇市長であった翁長知事が、そういうことをやる。

この一括交付金事業、2か年かけてまだ完成してませんよ。まだやってますよ? もう、とんでもない一括交付金事業の活用ですね。

ですからこれ、目的も含めて、これからの沖縄県の一括交付金事業、予算の獲得、非常に厳しい状況になるなあという、そういう危険性を、まず指摘しておきますよ。

次に、「国連の(人権)理事会」ですね。

わたしは、国連(人権)理事会での発言、まず、この目的についてお願いできますか。

町田 優(まちだ・まさる)知事公室長

今回の国連人権理事会では、国際的な人権保護や自治権拡大の視点を踏まえつつ、米軍基地から派生する「人権」や「自己決定権」の問題について、沖縄県の立場等を訴えるために出張したものでございます。

照屋 守之(自由民主党

わたしはこの、国連(人権)理事会の翁長知事の発言ですね。

1つ目、自己決定権を悪用してる。2つ目、基地問題を、政治問題から人権問題にすり替えた。3つ目、「沖縄県民は『先住民』である」と世界に誤解を与えた。4つ目、理事会で、翁長知事、日本政府代表、そして県民の我那覇さんの3人が演説しましたけど、正反対の主張で全世界に、沖縄県や、あるいは日本国に対する不信感、それを広めた。

そういう意味から、県知事として極めて不適切な発言で、沖縄県や日本の立場、誇りを著しく低下させたものだと思っております。この責任は、非常に大きいと思ってますよ!

ですから翁長知事は、県民や、日本国民に、わびるべきではありませんか? いかがですか!

町田 優(知事公室長)

今回、人権理事会では、沖縄の人々の「自己決定権」がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見ていただくよう申し上げました。

その結果、各国の代表や世界のNGO等、多くの方々へ、いま沖縄がおかれている状況を伝えることができたことは、たいへん有意義だったと考えております。

以上です。

照屋 守之(自由民主党

知事公室長。沖縄県の「自己決定権」が、なんですか、この「自己決定権」という意味は。ちょっと説明してくださいよ。

辺野古の人たちが、「辺野古でいい」と言った、あの自己決定権はどうするんですか、じゃあ!

漁業組合の皆さま方が、「辺野古でいい」と言った、あの自己決定権はどうするんですか!

都合のいい「自己決定権」を認めて、人の自己決定権は認めない。こんな県知事がいますか? 説明してくださいよ!

喜納 昌春(議長)

静粛に願います。質問はちょっと、冷静にやってくださいね。


照屋守之(自由民主党

冷静ですよ。


喜納 昌春(議長)

再開します。

町田 優(知事公室長)

「自己決定権」については、それぞれの方々、さまざまなご意見があろうかと思いますけれども、今回はあくまで、[県]の考え方として、国連で説明させていただいたところでございます。

照屋 守之(自由民主党

「自己決定権」、詳しく説明してください。この内容含めて。

喜納 昌春(議長)

休憩します。

照屋 守之(自由民主党

(議場内の不規則発言に対して)選挙で負けた事と「自己決定権」は関係ありませんよ?(鼻で笑う) 代任を悪用しないでくださいよ。なんですか、この「自己決定権」っていうのは! はあ? 「自己決定権」ってなんですか。

喜納 昌春(議長)

はい、冷静に。

再開します。

町田知事公室長。

町田 優(知事公室長)

「自己決定権」とはなんぞや、というご質問でしたけれども、[わたしども]としては、これは、一般名詞として「自ら決定する権利」だというふうに理解しております。

照屋守之(自由民主党

だから自ら決定する権利が「決定権」だったら、なんで辺野古の決定権を無視するの? どういうことですか? 彼らは向こう自ら決めたんでしょ? 説明してください。

町田 優(知事公室長)

[われわれ]は、沖縄の過重な基地負担について、この国連人権理事会で、ご説明したところです。戦後70年間にわたって、国土面積のわずか0.6%に、74%の米軍専用施設面積があるというこの現実、沖縄県民が望まない、そういう現実について、「自己決定権」がないがしろにされているということを、ご説明したところでございます。

照屋守之(自由民主党

非常に曖昧ですね。「自己決定権」というのは、そんな中途半端な使い方は許されませんよ、行政のトップが!

最高裁判例でも日本語の「自己決定権」というのは、そういう判例がないんですよ? 認めるというのが! そういうのを、ないのに、勝手に自分の都合のいいように、「自己決定権、自己決定権」、人の自己決定権を否定して。

そういうのを堂々と、県の行政として、県知事としてやる。ひとたびそれを、愚かさをさらけ出す。こんな県知事がいますか? そこを言ってるわけですよ。

知事、同じ理事会で、日本政府代表が知事の発言を否定しました。我那覇さん、沖縄県民の我那覇さんが知事の発言を否定しました。これについてどう思いますか? 「政治宣伝を信じないでください」と言ったんですよ? それについていかがですか、どう思いますか。(※発言終盤、質問時間終了を知らせるブザーが鳴り続け、着席と同時に止まる)

町田 優(知事公室長)

まず、我那覇さんの意見については、これは個人としての発言ですので、[わたくしども]がコメントすることは適当でないかと考えております。

それから、日本政府の発言ですけれども、日本政府は発言の中で、「1999年当時の知事や名護市長たちに、辺野古移設計画は容認された」と発言しておりますけれども、[わたしども]としては、これは、当時の市長と知事の受け入れ前提条件は取り消されていることから、政府の主張は正当性がないと考えております。(※答弁の後半は明らかに声が震えている)

照屋守之(自由民主党

那覇さんのは個人の発言で、県知事のは公の発言か?

喜納 昌春(議長)

時間です。

照屋守之(自由民主党

県知事は、県民の了解を得てやったのか?

喜納 昌春(議長)

時間です。

照屋守之(自由民主党

え!! そんないいかげんなことは駄目ですよ、県、行政が! きちっとコメントしてくださいよ、なに言ってるの?

喜納 昌春(議長)

時間...

照屋守之(自由民主党

ぜんぶ自分の都合のいいことばかり言いやがって!! 「自己決定権」のしっかりしたあれもないのにさあ!!

喜納 昌春(議長)

時間ですよ! 照屋君。

照屋守之(自由民主党

ちゃんと説明してくださいよ、これ!! 終わりますよ!!

発言者:照屋 守之(自由民主党)、翁長 雄志(知事)、喜納 昌春(議長)、安慶田 光男(副知事)、謝花 喜一郎(企画部長)、平敷 昭人(総務部長)、町田 優(知事公室長)