8月25日 福山哲郎(民主党)の質疑(全文) 参議院『平和安全特別委員会』
※平成27年8月25日、参議院『平和安全特別委員会』より
おはようございます。民主党の福山哲郎でございます。よろしくお願い申し上げます。
あまり、他党の議員の審議に入りたくなかったんですけど、特に自民党の若い議員ががんばっておられたので、あまり批判的なことを言いたくなかったんですが、他国が、我が国の法案に対して抗議がない、賛意を示されてる、当たり前のことです。
それぞれ主権国家でございまして、日本の外務省も説明する時に、「あなたに戦争をふっかけますよ」という説明をするわけがないので、「平和に貢献するために、日本はいま法案を審議をしてるんだ」という説明をしてるわけで、それに対して外交交渉の中で、他国が歓迎するというのは、ある意味、当たり前のことでございまして、我々も、他国の法律を審議してるものに、声高に反対ということを直接、言うことというのはめったにないわけですから、そこのところは外交だということで、そこは国民の皆さんにもご理解をいただきたいと思います。
質疑に入ります。
わたくしは東日本大震災当時、官房長官として原発事故に向き合ってまいりました。当初の4日間は一睡もできず、その後は官邸に寝泊まりをいたしました。自分の力不足を痛感した数ヶ月でした。
その経験からすると、8月11日、川内原発再稼動の時間に、総理は山梨の別荘にいらっしゃいました。わたしは、休暇を取られることも大切だと思いますけれども、不安を抱えておられる周辺住民のことを考えれば、何も再稼動の日でなくてもと、実は驚きました。
また、桜島が噴火したのは15日の午前中でしたが、総理は、やはり午後から別荘に出かけられました。桜島の噴火は地震を誘発させる可能性があります。川内原発の近くです。午後、避難勧告も出ました。ところが、翌日の16日と17日に、ゴルフをされておられます。ゴルフも、わたしは別段かまわないと思います。
しかし、避難をしたり、避難をこれからしないといけないかもしれないと思っている住民に、どう思いを寄せられてるのかと思いました。さらに大きい噴火の可能性をどう考えておられたのか。わたしは臆病者ですから、まったく理解ができませんでした。
今日も、九州で台風が上陸しています。株式はこの1週間で2,500円以上、下落をしています。国民の実質所得は下がり続けています。総理の地元の山口でも、いま、非難勧告が出ました。
この国会で、この法案を通す必要のないと思っている国民は7割を越えています。いま、国会を、本当にこの法案を慌てて、力でやらなければいけないんでしょうか。国民からは、もっと他のことがあるだろうと、国民の生活にしっかり目を向けるべきだという声が上がってくるのではないでしょうか。
きょうは、自衛官の安全確保について議論をしたいと思います。
そちらには、3.11の2日後に10万人の自衛官の派遣を決断された北澤元防衛大臣がいらっしゃいます。17日には福島第一原発にヘリで放水することを下令されました。線量が高く、炉がきわめて不安定な状態だったので、菅総理も、北澤、当時の防衛大臣も、苦渋の選択をされたことを、わたしは側で拝見をしておりました。約22万人の自衛官にもそれぞれの人生があり、家族があります。
今日は総理、真摯にご答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、パネルを見てください。
公明党さんが、自衛等の海外派遣に関して、〔国際法上の正当性〕、〔国民の理解と民主的な統制〕、〔自衛隊員の安全確保〕、いわゆる〔北側3原則〕を主張されました。わたしは非常に行動力の結果だったと思います。わたしはこの3原則については、公明党さんの、ほんとに歯止めに対する意識が高かったんだと思っております。
この問題について総理は、
自衛隊員の安全確保のための必要な措置を定めること、そして北側3原則について、この3つでございますが、いま、委員がご指摘されたように、政府としては全面的に受け入れまして、3原則を法律上の要件として明確に定め、すべての法案にこの原則を貫徹することができた。
また、別のところでは、ここに書いてありますが、
すべての、この3原則の方針が、法案の中に忠実かつ明確に盛り込まれた
と、総理は本会議や委員会で述べられています。このことは総理、間違いありませんね?
中谷防衛大臣
法案に、具体的にどのように書いたのかということでありますが、具体的には〔国際平和支援法〕や〔PKO法〕におきまして、国連や国際機関の決議、要請等がある場合においてのみ、〔自衛隊〕を派遣することとか、また、〔国際平和支援法〕では、例外なく国会の事前承認を要することとか、また、〔自衛隊の安全確保〕に関する配慮規定を設けるとか、さまざまなかたちで、この3原則を法案に明記をしたということでございます。
安倍内閣総理大臣
ただいま大臣から、どのように法案の中に明記されているかと、述べたとおりでございまして、そのとおりでございます。
すいません、まず防衛大臣。わたしの質問にまったく答えていただいてません。
それから、わたしは安倍総理にお伺いしたんです。安倍総理はこれ、特別委員会でも、なんと、衆議院の本会議でも答えておられます。
この〔北側3原則〕、〔自衛隊の安全確保〕のために非常に重要な3原則だとわたしは思っていますが、これを全面的に受け入れて、3原則を法律の要件として明確に定め、すべての法案にこの原則を貫徹することができた。さらには、すべての方針が法案の中に忠実、かつ明確に盛り込まれたと言われていますが、総理はこの答弁については間違いありませんね、とお願いしてるんです。
安倍内閣総理大臣
それは、答弁したとおりでございます。
防衛大臣、なんで総理が答弁されてるのに全然関係ない答弁されるんですか?
じゃあ、防衛大臣にお答えします。(発言ママ)
海外活動を〔自衛隊〕が行う際に、〔自衛隊〕の〔後方支援〕における安全確保は安全配慮、実施区域の指定、一時休止、撤退という措置を講ずることで確保されてると、これは防衛大臣も、何度も衆参の委員会でお答えになりましたが、安全確保、実施区域の指定、一時休止、撤退ということの措置で、安全確保がされてるということでよろしいですね?大臣。
中谷防衛大臣
そのほかにおきましても、国連の決議が必要だとか、また、任務の明確化、実施の区域、こういった、先ほど委員がおっしゃられました、活動の休止、中断、安全配慮規定、そして武器の使用。これも安全に係わることでありますけれども、派遣された隊員が安全に活動できる、そういったさまざまな規定が法案に盛り込んであるということでございます。
違います。
〔自衛隊員の安全確保〕は重要で、総理も、大臣も、この委員会、ずーっと安全配慮だ、実施区域だ、一時休止、撤退があるから安全が担保できるんだと、ずっと答弁されてたことは間違いないですかと確認をしてるんです。
それでいいです。そのとおりなんです。
次のパネル、ご覧ください。
〔存立危機事態〕における〔後方支援〕について、これも先日の委員会の大臣の答弁でございます。先日の委員会で、つい最近でございますが、防衛大臣は、
後方支援を実施するということで、これは安全を確保しながら実施するということでございます。これは当然、安全に配慮し、また、円滑な活動を実施できる、そういう範囲で後方支援を行うということでございます。
と言って、〔存立危機事態〕における〔後方支援〕についても、このように答弁されていますが、これに間違いありませんね?
中谷防衛大臣
そのとおりで間違いございません。
えっと、間違いないんですが、総理。
総理はたぶん、この法案、よくよくわかって、ご理解されてると思いますので、ちょっと失礼な質問をさしていただきますが、新日米〔ガイドライン〕、新しい〔ガイドライン〕にある、いま防衛大臣にわたしが質問した、〔存立危機事態〕における〔後方支援〕は、どの法律を根拠に実施されるのか、総理、ご存知ですか?
安倍内閣総理大臣
米軍行動関連措置法です。
さすがに、総理はよく理解いただいてると思います。
〔存立危機事態〕における〔後方支援〕は、いま総理がおっしゃられた、この米軍等関連措置法が根拠法になっていて、これは今回の〔平和安全法制〕で丸められた10本のうち1本でございます。
中谷大臣、この〔米軍等行動関連措置法〕において、〔後方支援〕における〔自衛隊〕の安全確保は、安全配慮、実施区域、一時休止、撤退はどのように担保されるのかお答えください。
中谷防衛大臣
この〔米軍の支援〕に関しましては、これは〔武力攻撃事態〕におきましてと同様でございます。
〔存立危機事態〕については、これは我が国を防衛するための諸活動を行うために、さまざまなリスクというものは伴うわけでありますが、この場合でも、隊員の安全確保が重要であるというのは当然でありまして、米軍の行動関連措置法の〔第4条〕におきまして、
行動関連措置は、武力攻撃及び存立危機武力攻撃を排除する目的の範囲内において、事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えるものであってはならない。
と規定しております。
このことは隊員の安全確保についても配慮した上で、必要な支援を行うという趣旨を示した、含むものでありますし、また、〔重要影響事態〕と同様に、法律上、〔隊員の自己保存のための武器使用〕の規定が明記をされておりまして、隊員の安全確保のために必要な措置は、この法案の中にも明記、盛り込まれているということでございます。
中谷防衛大臣
法律上、〔隊員の自己保存のための武器使用〕の規定が書かれております。また、隊員の活動範囲におきましても、この〔武力攻撃及び存立危機武力攻撃〕を排除する目的の範囲内において、事態に応じて合理的に必要と判断される限度を超えるものであってはならないと規定しておりまして、このことは、隊員の安全確保についても配慮した上で、必要な支援を行う趣旨を含むものでございます。
自衛隊の安全確保のために必要な措置といたしまして、武器使用及び行動の活動の範囲、これを書いてるということでございます。
すいません、武器使用の権限が安全確保などというのは、わたし聞いたことありません。それから先ほど、必要最小限の話も安全確保の措置なのだというのは、わたしは聞いた事がありません。
大臣は明記とおっしゃったので、先ほど申し上げたように、わたしはずっと、大臣も、総理も、自衛官の安全確保は、安全配慮、実施区域、一時休止、撤退で確保するんだと、ずっと国民に説明をされてきたから、いま〔存立危機事態〕における後方支援については、この〔米軍等行動関連措置法〕の中に、どこに明記されてるのかとお伺いしてるので、しっかりお答えください。じゃないと、この質疑、続けられませんので。
中谷防衛大臣
まず〔北側3原則〕における総理のご発言でございますが、これは〔自衛隊員の安全確保〕のための必要な措置を定めるということでございます。
それから、委員にご質問申し上げ、お答えいたしますが、この〔存立危機事態〕、また、〔武力攻撃事態〕、これはまさに我が国の有事でありまして、国の存立に係わるとか、また、〔武力攻撃〕を受けているとか、そういう事態に米国を支援をする、かたや、武力行使を我が国はしてるわけです。そういう中で、米軍の支援をするということでございますので、この点におきましては、〔国際平和支援法〕とか〔重要影響事態法〕、これとは違って、まさに我が国の存立に係わる場合の〔自衛隊〕の活動であるということを申し上げておきたいと思います。
これは、まさに我が国、有事の事態でございます。
したがいまして、自衛隊員の安全確保のための措置につきましては、内容は事態の性格によって異なるということが大前提でありまして、この〔存立危機事態〕というのは、我が国の存立が脅かされる、また、国民の権利が根底から覆される、そういう、まさに有事でございまして、我が国の防衛をするための諸活動を行うということで、さまざまなリスクが伴うわけでございますが、この間に安全に係わることに配慮してあるのは2点ありまして、ひとつは第4条におきまして、〔行動関連措置〕は〔存立危機武力攻撃〕を排除する目的の範囲内において、事態に応じて合理的に必要と判断される限度を超えるものであってはならないと規定をしておりまして、これは隊員の安全確保、これについて配慮をいたしてる。そして、隊員の自己保存のための武器使用の規定、これも付与いたしておりますので、行動の際には、これらのことによって隊員の安全を確保するということでございます。
一時停止につきましては、これは〔重要影響事態〕と違いまして、まさに我が国、有事。これは現在の〔武力攻撃事態法〕にも同様の規定がございます。そういう前提において、活動をしていくとういことでございます。
〔重要影響事態法〕とか、また、国際平和法のように、この実施区域の指定とか、一時休止、中断、これはございません。
しかし、これは我が国、有事でございまして、まさに〔存立危機事態〕ということで、この自衛隊の活動におきましては、まさに、国民の生命、平和を守るために全力で命令に応じて任務を果たすわけでございますので、そういったリスクというものは非常に伴うことでございますが、しかし、与える任務におきましては、〔存立危機武力攻撃〕を排除する目的の範囲内、そして、武器使用、これも付与しているということでございます。
中谷防衛大臣
〔重要影響事態〕とか〔国際平和支援法〕に規定された、一時休止、中断の規定はございませんが、しかし、隊員の安全確保についても配慮した必要な支援を行う趣旨を含んだ事項はございます。
中谷防衛大臣
一時休止、中断とか実施区域の指定、これに関する事項はございません。
これ、ずっとこう言わなきゃ、言っていただければいいのに、最初は明記したとおっしゃったんですよ。
そして、もと、もどります。
こないだの委員会でここで言われた、
当然、安全に配慮し、また、円滑な活動が実施できる、そういう範囲で後方支援を行う
と言われましたが、先ほど言われたように、事態が応じて変わるので、それはできないみたいなことをおっしゃいました。
ってことは、これに書いてあるように、円滑な活動が実施できるとか、そういう範囲も指定できないということは、この8月4日の委員会の中谷大臣の答弁も、虚偽ということでよろしいですか?
中谷防衛大臣
先ほどお話しましたけれども、米軍行動関連措置法の〔第4条〕で、〔存立危機武力攻撃〕を排除する目的の範囲内において、事態に応じて合理的に必要と判断される限度を超えるものではあってはならない、ということが書かれているということでございます。
この米軍行動関連措置法の活動は、〔後方支援〕でございます。〔武力の行使〕ではございません。
この〔後方支援〕というのは、そもそも戦闘を行うものではなくて、また、性質上、危険を回避して活動の安全を確保した上で実施をするものでございまして、これは〔米軍〕に対する補給支援等、米軍の支援を行う〔後方支援〕でございますので、通常の〔武力の行使〕と違う扱いになると、そういう点で安全に配慮をするということでございます。
わたしは先ほどから〔武力の行使〕などとひと言も言っておりません。そして、先ほど大臣が、安全確保というのは、先ほどから申し上げてるように、安全の配慮、実施区域、一時休止、撤退で確保するんだとおっしゃったから、そして、現実にはこの〔米軍〕の措置法にはないわけです。安全確保の規定がないんです。
ってことは、この中谷大臣の当然、安全に配慮し、活動が実施できるそういう範囲でって、範囲が指定できないから、この答弁は虚偽とは言いません。じゃ、この答弁は間違いだったので撤回をされますか?
中谷防衛大臣
この法律は、今でも〔武力攻撃事態法〕に伴う〔米軍の支援〕を実際にやってきております。
今回は〔存立危機事態〕という事態におきましても、これを適用するということでございますけれども、あくまでも〔後方支援〕でもございますし、あくまでも、先ほどご説明したような範囲内において、活動していくということでございます。
もちろん、〔後方支援〕でございますので、安全に配慮をして実施をすると。〔武力行使〕ではございません。〔後方支援〕でございますので...(速記停止、音声不良:...配慮をして活動をするということでございます)
わたくしが答弁いたしましたのは〔後方支援〕として実施をするということで、これは当然、安全に配慮し円滑な活動を実施できると、そういう範囲で〔後方支援〕を行うということでございます。
従来、〔後方支援〕は、わたくしも何度も答弁いたしましたが、そもそも戦闘を行うものではなくて、また、その性質上、危険を回避して活動の安全を確保した上で実施をするものでありまして、これは〔武力の行使〕ではございません。
〔後方支援〕の実施は、安全な場所であるということが大前提でございまして、このように隊員の安全確保のために必要な措置というのは、こういったかたちで担保をしたということでございます。
こういったかたちって、どういったかたち、さっき無いっておっしゃったじゃないですか。さっき、規定無いっておっしゃったのに、こういったかたちで担保する、どうやって担保するんですか。
だって、さっき事態によって変わるって言ってたのに、ここにそういう範囲でって書いてあるから、どうやって範囲を指定するんだと。どうやって安全確保ができるんですかと聞いてたら、規定が無いとおっしゃったのに、いまはそこはできるみたいなことをおっしゃるから、だから、この答弁が間違ってるんだったら間違いで結構ですから、間違ってましたと、じゃあこの答弁は撤回されますかと聞いてるのに、ぜんぜん変わらない、これ時間、もったいないですよ。これ以上は僕、質問できませんから、お願いします。
中谷防衛大臣
〔国際平和支援法〕とか〔重要影響事態法〕のように、一時休止とか中断とか実施区域の指定というものはございませんが、この〔第4条〕に活動の範囲が明記をされておりまして、
事態に応じて合理的に必要と判断される限度を超えるものではあってはならない
そして何よりも、〔後方支援〕です、〔後方支援〕。
〔後方支援〕というのはそもそも、戦闘を行うものではなくて、その性質上、危険を回避して、活動の安全を確保した上で実施すると、これは何度も、わたくし申し上げました...(速記停止、音声なし)
ほかの法案と書き方が違っておりまして、明確な規定がないと、これはわたくし、言わしていただきますが、ただ、これは〔後方支援〕であることには間違いがございません。
〔米軍〕の活動の支援をする、〔後方支援〕でございまして、この点につきましては、隊員の安全確保が重要であるというのは当然でありまして、この法案の〔第4条〕に規定をされているように、このことは、隊員の安全確保についても配慮した上で、必要な支援を行うという趣旨を含むものでございます。
〔4条〕にどこに書いてあるんですか?〔4条〕にどこに書いてあるんですか?書いてないでしょ!ちょっと待ってください。
つまり、ここには、大臣が言われたんですよ?ついこないだ、ここで。
当然、安全に配慮し円滑な活動が実施できる、そういう範囲で後方支援を行う
と書いてあることが、規定が無いんだったら、この答弁を撤回していただいて結構ですと僕は言ってるんです。撤回しないかぎりは、いまの答弁ではわたし、納得できませんので、どうですか?これ。撤回されるかどうか、YESかNOか言ってください、じゃあ。
中谷防衛大臣
〔米軍の支援〕というのは、この法律でございまして、〔後方支援〕ということであります。その範囲について、この〔4条〕に、事態に応じて合理的に必要と判断されるということではないと規定しておりまして、このことは隊員の安全確保についても配慮した上で...(速記停止、音声なし)
...おっしゃってますが、〔4条〕には安全確保の規定はありません。そして、大臣はつい最近の委員会で、「安全に配慮し活動が実施できる、そういう範囲で」とおっしゃったので、これは規定が無いということは、この答弁を撤回いただくか、別の答弁でご説明いただかなければいけないんですが、〔4条〕は説明にならないので、簡潔にお答えいただけないと、これ、時間が経つばかりですので、よろしくお願いします。
先ほど、安全確保の規定はないということを認められました。
じゃあ、総理が答弁で言われた、「安全に配慮し円滑な活動が実施できる、そういう範囲で」という指定とはどうするのか。
なぜならば先ほど事態が動いて、流動的だからできないと大臣はおっしゃったわけですから、大臣、ここをどうやって担保するのかお答えいただけますか?
中谷防衛大臣
たしかに〔重要影響事態法〕や新法のような安全配慮義務等の規定はございませんが、これは〔武力の行使〕ではなくて、〔後方支援〕であるから、安全確保は当然のことでございます。
わたくしが申し上げました、「実施をするということで、当然、安全に配慮し、円滑な活動が実施できる、そういう範囲で後方支援を行う」ということでございますが、これは〔武力攻撃事態〕等と同様に、〔米軍〕の〔後方支援〕を行うわけでございますので、そういった実施につきましては、そのような運用をして、安全を確保するということでございます。
これにつきましては、現行の〔武力攻撃事態法〕も同じ規定で、有事の規定でありまして、〔重要影響事態法〕のような安全配慮義務等の規定はございません。
しかし、この法律自体が〔米軍〕の〔後方支援〕を定めているものでございまして、〔後方支援〕でありますので、安全確保は当然のことでございまして、わたくしが答弁いたしましたのは、そういう範囲で後方支援を行うというようなことで、この実施におきましては法律で規定された規定に基づいて、当然、安全に配慮して、また、円滑な活動ができる、そういう範囲で〔後方支援〕を行うということで、これは当然、運用の確保をするということでございます。
中谷防衛大臣
こういった〔重要影響事態法〕のような安全配慮義務等の規定はございませんが、これは〔後方支援〕でございますので、安全確保は当然のことでありますし、わたくしが答弁したように、その範囲で〔後方支援〕を行うということでございます。
鴻池委員長
この際、委員長より申し上げます。
午前の福山委員の質疑におきまして、中谷国務大臣と議論がかみ合わなかったということはご承知のとおりでありますが、この自衛隊の安全確保ということに関しましては、自衛隊、あるいは関係者以外の国民の多くの皆さまが、きわめて関心深いことであります。
ここで、これ以上のかみ合わない議論が続きますと、のちの、これより先の質疑の時間を無駄にすることに相成りますので、ぜひとも、この件に関しましては、委員長預かりにさせていただきたいと思います。
そこで、政府におかれましては、福山君の質疑につきまして、充分、検討を加えていただきまして、より善処をしていただくということをお願いをしたいと思います。それができますまで、いま、申し上げましたように、委員長預かりとさせていただきます。
そこで、質疑の続行を福山君に願いたいと思いますが、よろしゅうございますですか?
福山君!
福山でございます。
委員長におかれましては、たいへん公平な裁きをいただきましたことを、感謝申し上げます。ただ委員長、言われましたように、自衛隊の安全確保というのは、今回、たいへんな国民の関心事項でございますので、このことに対して中途半端な、前の答弁と違うような答弁を繰り返すことについては、はなはだ遺憾でございますので、そのことについては、政府としては善処いただき、委員長の裁きに、わたしも従っていきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、質問を続けたいと思います。
先ほど防衛大臣は〔米軍等行動関連措置法〕に、いわゆる〔後方支援〕、〔存立危機事態〕の〔後方支援〕については、法案の中に安全確保が無い、規定が無いとういことを認めていただきました。
総理。
総理は、この〔米軍等行動関連措置法〕に安全確保の規定がないことはご存知でしたか?ご存知ではなかったか、もう正直に、単刀直入にお答えください。
安倍内閣総理大臣
安全確保義務、あるいは活動区域を定めた規定がないというのは承知をしておりました。
義務ではなくて配慮(聞き取り不能)等ですが、総理が知っていた。知っていたなら、〔ガイドライン〕に基づく〔後方支援〕ていうのは、実は4種類も5種類もございます。
そして、この〔存立危機事態〕における〔後方支援〕が、規定がないということをご存知だったとしたら、総理のこの〔北側3原則〕における〔自衛隊〕の安全確保の答弁が齟齬を来します。もう一度、ご覧ください。
北側3原則の自衛隊の安全確保のための必要な措置を定めることを政府としては全面的に受け入れまして、3原則を法律上の要件として明確に定め、すべての法案にこの原則を貫徹することができた。
その下でございます。
すべての方針が法案の中に忠実に、かつ明確に盛り込まれたものと考えています。
と。
これを聞いた、この答弁を聞いた国民は「ああ、すべての安全保障法案には安全確保の措置がとられたんだ」と、そういうふうに認識するはずでございますが、総理が知っていたんだとしたら、このことに対してこういった答弁をするのは、わたしは国民に対して、一定の、まぁ、騙すという言葉は言葉が悪いので、誤解を与え、ある種、事実と違うことを総理は述べたというふうにわたくしは考えますが、総理、どうですか?
安倍内閣総理大臣
この〔北側3原則〕につきましては、与党間で何回も議論を行ってきたところであり、そしてこの3原則も、法的担保をどの条文から読んでいくか、あるいは、条文としてしっかりと規定しているかということについては、与党で議論をしたところでございます。
そこで、〔米軍等行動関連措置法第4条〕において、
行動関連措置は武力攻撃及び存立危機武力攻撃を排除する目的の範囲内において、事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えるものではあってはならない。
いわば、限度を超えるものであってはならないということにおいて、その規定しているとおりでありまして、この目的、限度内において行うとの限定があり、隊員の安全確保についても配慮した上で必要な支援を行う趣旨を含むものであると、まさにこれは、与党においてそういう合意がなされたわけでございまして、このように我々は解釈をしているところでございます。
えっと、いまの総理の答弁は〔4条〕ですが、〔4条〕は武器使用の合理的な限度、最小限度を定めているもので、隊員の安全確保を定めてるものではありません。
それは中谷大臣が午前中に何度も答弁をして、そして、結果として、それが理解を得られなかったことを、もう一回総理が答弁をするというのは、先ほどの委員長のお裁きに対して、あまりにも政府は不誠実だというふうにわたしは思いますので、いまの答弁ではわたしは納得できません。
安倍内閣総理大臣
いま、わたくしが申し上げましたのは、武器使用を定めたものではございません。
まさにこれ、〔後方支援〕を定めたものでありまして、その中の〔行動関連措置〕について、どういう行動をするかということでありまして、これは武器の使用の限度を定めたものではなくて、この行動の中におきまして、〔事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えるものではあってはならない〕。
つまり〔後方支援〕の行う、この限度について定めたものでございます。であるからして、この目的、限度内でおいて行うという限定があり、隊員の安全確保についても配慮した上で必要な支援を行う趣旨を含むものであると、我々はこのように解釈をし、その中において、我々は〔北側3原則〕、この原則がこの中に趣旨として盛り込まれていると、このように解釈をしているわけでございます。
総理、要件、追加してないです。〔4条〕、変わってないですよ。改正してないです。前と一緒なんです。規定を盛り込むもクソも、改正してないんです。そんなのは全然、さっきの防衛大臣の答弁と一緒です。これ委員長、質疑、続けられません、これでは。
安倍内閣総理大臣
これはまさに〔武力攻撃事態〕の中にある条文でありまして、この中にある条文において、いま申し上げましたように、これは武器の使用の権限ではなくて、まさに〔後方支援〕について書き込まれた、この行動について書き込まれているものであります。
その中において、いま申し上げましたように、目的、限度内において行うとの限定があって、隊員の安全確保についても配慮した上で必要な支援を行う趣旨を含むものであるというふうに、我々は理解をしているわけでございまして、その中におきまして、まさに自民党と公明党の議論の中におきまして、この〔北側3原則〕の趣旨がこの中に入っていると、このように我々は理解しているわけでございます。
わたくしの答弁と中谷大臣の答弁においては、趣旨としては同じことを述べているわけでございまして、その点において、先ほど委員長預かりになったわけでございまして、その中で我々がまさに、この答弁に対して善処することにおいては、当然、同じことをわたしも答弁するわけでありますから、それは同じ答弁になるということでありまして、その委員長預かりになった中に、当然、わたくしが答弁するこの中身においても、当然、同じことを答弁することになるということでございます。
先ほど、この〔4条〕について、答弁をさしていただいたわけでございますが、さらに質問をいただきましたので、席上において「同じ答弁になる」ということについて申し上げたことについては撤回をさしていただきたいと、このように思います。
ですから趣旨を聞いているんではありません。すべて趣旨が法案の中に忠実に、かつ明確に盛り込まれたと、それが〔4条〕だとおっしゃいますが、〔4条〕には実は盛り込まれたもクソも、〔存立危機事態〕だけが条文が、内容が加わってるだけで、ほかの中身はまったく変わっておりません。
それで総理が長々と答えられるので、これ、ほんと困るんですけど、次の一覧表を見てください。
実は総理は何度もこういう答弁をされています。
安全が確保されないかぎり、自衛隊による後方支援を行うことはないと言ってきています。言ってきている以上、自衛官の生命や身体に係わる問題であり、答弁でごまかすのではなく、法律に明確に規定すべきだと、わたしは思います。
答弁でそんな解釈でごまかして、自衛隊の安全なんか確保できないんです。
見てください、これ。これ、総理や大臣がいつも言われている〔後方支援〕の中の法律です。先ほど申し上げた〔米軍等行動関連措置法〕は、実施区域も安全確保も配慮義務も一時休止、中断もありません。なおかつ、〔存立危機事態〕においては、現に戦闘行為が行われている場所でも〔後方支援〕は可能です。これは、統一見解ではっきりと見解が出ています。総理が否定しようがしまいが、統一見解が出ています、政府から。現に戦闘行為が行われる場所でも実施が可能なところで、安全配慮規定がまったくありません。
それから〔国際平和支援法〕と〔重要影響事態法〕でいうと、安全確保の配慮義務が〔重要影響事態〕ではありません。これを僕は確認をひとつひとつ、質疑でしたいと思っていたんですが、まったく質疑にならない。
これを総理が知っていたんだとしたら、この安全確保が入っていないことを知っていて、国民に向かって「安全確保がされないかぎり〔自衛隊〕による〔後方支援〕を行うことはない」、行うことはない、確保できてる、自衛隊のリスクは減るんだ、これ全部だって、答弁違うじゃないですか。
総理が知っていてほんとに、〔後方支援〕は安全が確保されないかぎりやらないとか、先ほど申し上げたように、全部の法案、すべての法案に盛り込まれてるとか答弁で言ってるとしたら、これ、まさに国民を騙すことになりますし、自衛官は現に戦闘行為が行われている場所でも実施されるかもしれないところに、安全配慮規定が無いんです。
総理は答弁だけで調子のいいことを言ってるけれども、無い状況で、これ、自衛官にどう説明するんですか?
実は〔国際平和支援法〕も〔重要影響事態法〕も、実は可能性としては戦闘現場になるかもしれません。これは法律に書かれてるんですけど、そのこと僕、きょう、聞こうと思ってました。
戦闘現場になる可能性が2つの法案の場所もありますね?と。法案に書かれてますね?って聞こうと思いましたが、これも実はきょう、ほんとにまともに答弁が返ってこないので、できませんでした。
そして、委員長のご英断によって、わたしは委員長の裁量にお任せをしましたけども、〔4条〕では安全配慮、安全規定ではありません。
解釈でなんか安全規定やられたら、自衛官、たまったもんじゃありません。この自衛官の安全が確保というのは、ほんとに、この、今回の法案の根幹です。それをこういったごまかし答弁をして、全部に規定が含まれてるんだとか、そして安全が確保できないかぎり、自衛隊は出さないんだと答弁を衆議院からずっとやってきているのが、この結果です。
わたしは、総理が答弁どおりだとおっしゃるんだったら、答弁どおり、ちゃんと規定を入れてください。総理の答弁どおりじゃないんだったら、衆議院から始まった答弁を撤回して、審議、やり直してください。そうじゃなければ、自衛官に安全じゃないですよと、安全規定もないけれども行ってくださいと言っていただけなければ、あまりにも不誠実だと僕は思います。
いまのわたくしの3つのうち、総理、どれかお答えください。
中谷防衛大臣
もう一度、説明させていただきますと、この〔米軍行動関連措置法〕、これは物品と役務の提供でありまして、いわゆる〔後方支援〕であります。これは類似、わたくしも答弁してきたとおり、性質上、安全に配慮しながら行うものでございます。
この〔米軍〕の〔行動関連措置法第4条〕はそのための法案でありまして、もう一点、付言さしていただきますが、この法案の中に、〔後方支援〕の実施にあたっては安全確保措置にも充分配慮する所存でありまして、この中に〔行動関連措置法第13条〕がございます。そこに〔行動関連措置に関する指針〕、これを作成するとなっておりまして、こういった必要な安全措置については、ここで指針の中に盛り込んで、安全を確保するということでございます。
一個だけ反論します。先ほどは総理も含めて〔4条〕だと言いました。その前は規定が無いといいました。今は〔13条〕だと言いました。なんなんですか、この答弁は。
総理、先ほどわたくしが言った3つのうち、どれかお答えください。
安倍内閣総理大臣
これは〔4条〕であることには変わりがないわけでありまして、この〔4条〕の中において、先ほど申し上げましたように、政府としては、まさに〔後方支援〕の中において、〔事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えるものであってはならない〕と規定をしており、この目的、限度内において行うことの限定があり、隊員の安全確保についても配慮した上で、必要な支援を行う旨、趣旨を含むものであると、このように述べているわけでございます。これが、政府の立場でございます。
そして、いま、中谷大臣から説明をさしていただいたわけでございますが、それは〔米軍等行動関連措置法〕に基づく〔後方支援〕の実施にあたっては、任務の遂行に際して必要な安全確保措置についても充分、考慮する所存であり、その具体的な内容については、その支援の対応に応じて、〔米軍等行動関連措置法第13条〕に規定する、〔行動関連措置に関する指針〕において、担保する考えでございます。
法案に規定が盛り込まれてると何度も国会で答弁をし、そしていまは、いきなり解釈が出てきたり、いきなりなんか、精神規定みたいな状況であったり、これ、自衛隊は実力部隊です。そして、ほんとに危険なとこでの業務です。先ほど申し上げたように、いのちも安全も家族もいらっしゃいます。
こんな状況だということを国民によく知っていただいて、政府に対して、ほんとにわたくしは反省を求め、一旦、きょうは質問を終わりますけれども、とにかく、この続き、またやりたいと思います。
ありがとうございました。