9月24日 青山 繁晴 翁長氏の国連人権理事会での演説について(全文) 『虎ノ門ニュース 8時入り!』
※2015年9月24日放送、DHCシアター『虎ノ門ニュース 8時入り!』より
居島 一平(MC・米粒写経)
共同通信によりますと、沖縄県の翁長知事は22日午後、スイスのジュネーブにある国連 ヨーロッパ本部で記者会見し、今後もアメリカや国連を訪問し、国際社会に向けた沖縄の立場の発信に取り組む考えを示しました。また国連 人権理事会での演説について、「わたしが世界に語ったことで、県民は勇気と誇りを持つことになっただろう」と感想を述べました。
という、まずはこのニュースからなんですけれども。
青山 繁晴(独立総合研究所社長)
このニュース、共同通信の記事もこれだけだし、それから、大半の新聞、全国紙。それからテレビはもちろんというのか、これだけなんですよね。
ところが本当は、もうひとつ重大なニュースがあって、これ、こんなちっこいんですけど、ここに若い女性。
26歳の、なんとなく雰囲気はわかっていただけますよね。
まだ26歳の、沖縄生まれの、っていうか普天間基地の移設先の名護にお住まいの、我那覇(がなは)さんとおっしゃいますね。我那覇 真子(がなは・まさこ)さんとおっしゃって、沖縄では今、こう、注目っていうのか、すごく期待が集まってる、まあわずか26歳ですけど、人なんですけど。この人が「反対演説」やってるんですよね、翁長さんと対等に。
ところが、いま言いましたとおり、新聞もテレビも「ほぼ無視」なんですよね。安保法制も、特定秘密保護法も全部そうですけど、ほんとに日本のメディアはもともと、僕が共同通信にいた20年も含めて、おかしいですけれど、この頃はもう「マスメディア」と言えないですよね。政党機関紙。政党機関テレビ。政党機関ラジオ。はい。
だから、余計なことを言うようですけど、この『虎ノ門ニュース』みたいなニューメディア。もう古い言葉になっちゃって、死語になってる感があるけど、まあ実はやっぱりネットの良い面を活用した「ニューメディアの役割」って大きいなとは思うんですけどね。
翁長知事の演説に戻りますと、まず、国連といっても国連本部じゃなくて、ジュネーブにある「人権理事会」での演説なんですけど、人権理事会っていうのは、たとえば、「中国で政府に反対、共産党に反対の人がどんどん投獄されて、拷問も受けてる恐れが極めて強い」というようなこと。あるいは、「日本国民が北朝鮮に拉致されたまま、30年、40年、帰国できない」。
そのような、まさしく人権問題を話し合う場に、はっきり言うと、直接関係のない「基地をめぐる問題」ってのがいきなり、しかもその「自治体の長」から持ち込まれるというのは、まあ僕も長いこと国連を取材したり、あるいは国連の中にたくさんの知友もいますけれども、聞いたことも見たこともない話で。
なぜ、この演説が実現したかってこと自体、調べますと、安保理常任理事国のひとつ。P5。パーマネント・ファイブ。パーマネントのPなんですけどね。「永久に五大国だ」という意味なんですが、そのうちの中国が、そのうちのひとつの中国が、この翁長さんの後押しをして、それで実現したわけですよ。
その中華人民共和国ないし中国共産党の動きが実は、国連の舞台で、これ日本で全然報道されてませんけど、露骨なんで、それでまあ、アメリカ、イギリス、フランスといった、いわば民主主義陣営の国連常任理事国が心配をして、それで、いわば沖縄「県民」代表の、さっきの我那覇 真子さんが「反対演説をやった」というのが、ありのままの経緯なんですよ。
これ、国連の場では知らない人いないわけですよ。ところが、国連加盟国の中で最も主要な国のひとつの日本は、国民、まったくこれ知らないわけですよ。
そりゃそうですよね。今日来られてる(ギャラリーの)皆さんも、仕事と生活、忙しくて、「ジュネーブだ、ニューヨークだ」って行くわけいかないじゃないですか、当たり前ですけど。そのためにメディアがあるんであって、わたしたちが新聞料金を払ったりテレビCMを見たりすることによって、巨額のお金が新聞社やテレビ局に入って、あるいはラジオ局、ラジオ局はあんま入ってないけど(笑う)。まあテレビ局・新聞社には大きなお金が入って、それで特派員だしてるわけですからね。それなのに、まったく無視。
ニュースにいつも「尻尾がある、ヒントがある」ってことも申してるんですが、この共同通信の出した、その翁長さんだけを持ち上げる、偏った記事の中にも、実はヒントが表れちゃってて、いま一平ちゃんが読んでくれた中にもあってですね。
この翁長さんは、演説なさったあとに、自画自賛して、集まった記者団に対して、「わたしが世界に語ったことで、県民は勇気と誇りを持つことになっただろう」と。これは、このまま聞くと何でもないように見えるじゃないですか。でもちょっとだけ・・・、考えていただかなくても、「あれ?」って思った人、いると思うんですよね。
というのは、その普天間基地で地元住民はみんな苦しんでると。その解決方法に悩んだあげく、やむを得ず「辺野古に移設する」って話になってるわけですよね。だからいずれにしろ悩ましい話ですよね、賛成・反対は別にして。
「悩ましい話」をジュネーブまで行って、出かけたことで、なぜ沖縄県民が勇気と誇りを持つんだろうと。つながるようでつながらないでしょ?これは、実はこの背景にあるのは、深刻なことであって、これが琉球独立論なんですよ。
つまり沖縄県民は、沖縄県じゃなくて、日本国沖縄県じゃなくて、琉球王国として独立するという「勇気」。「自分たちは日本人じゃないんだ」と。「琉球人」だと。琉球人という言い方はあんましないんですけど、要するに「違うんだ」と。「ウチナーンチュだ」と。そういう「誇り」を持つことになると。
つまり、これ本当は、「辺野古への移設阻止よりも、独立論をかき立てるためだ」ってことを、翁長さん、言っちゃってるんですよ。はい。
居島 一平(米粒写経)
そうなるともう、基地の問題だったはずが、いつの間にか民族の問題、しかも、あるはずのない「民族問題」にすり替えられてる...
青山 繁晴(独立総合研究所社長)
すり替えられてる。
すり替えられてて、それをこの我那覇さんという沖縄の一女性が的確に指摘されてて、これ公平に言うと、これ産経新聞の電子版のコピーですけど、
こっちにあんのが、たったこれだけ。実質4行なんだけども、沖縄タイムス。地元紙の記事なんですよ。
地元沖縄には、沖縄タイムスと、琉球新報という、いわゆる県紙、ローカル紙が、普通は1紙ですけどね、兵庫県だったら神戸新聞というふうに、1紙ですけれども、沖縄の場合は「2紙」あって、その2紙ともが、まあ反日の姿勢とってるっていうのは有名で、ね。
ただし、深くお付き合いしてきた上で申しますと、実は色合いがやや違ってて、沖縄タイムスは、それでも日本を愛するっていう立場の記事も、なるべく、こう、琉球新報よりは載せようとするところがあって、ぼくのことを言うのもどうかと思いますけど、僕が沖縄で講演した時に、沖縄タイムスが一面に載せて、カラー写真、僕が講演して県民の方々の中に入って話してるところの写真のせてですね。琉球新報は一切無視ですよ。
僕は沖縄タイムスの方に、「ぼくの話っていうのは普通、沖縄の主流派が聞きたくない話だから、よく載せましたね」って言ったら、
「いや、青山さんは昔から“実は中国は沖縄を狙っている”ということをずっと言われてきて、それがだんだん現実の影を感じるから、そういう意味で、その青山って人は『こういう問題提起を言ってるよ』という記事なんですよ」
と言われて、漠然と感じてた琉球新報との違いっていうのを、感じたんですけどね。
だから沖縄タイムスも、この翁長さんを褒め称える記事が延々とあって、こっち(正面を向いたコピー)側にね。こう延々とあって、
記事の最後には「海外大手報道機関の記者が『知事の発言にすべて同意する』と言った」という(笑う)、これもまさしく、同意する人としない人といるはずが、「同意した」って話だけ、こう紹介してて、明らかに不公平なんですけど、でもその下に、
実質4行だけど、我那覇さんの発言を紹介してて、それちょっとお読みするとですね。これもその、沖縄タイムスがジュネーブに特派員、まあ臨時特派員だと思いますけど、出して、その記者の署名入りで出ててですね。(【ジュネーブ22日=阿部岳】)
名護市の我那覇 真子さん(26)が22日、国連人権理事会で翁長雄志知事に反論する声明を発表した。
で、鍵括弧。直接引用になってて、聞いてくださいね。
「中国は、沖縄県民に先住民であると言わせて...、まあ日本国民じゃなくて。...先住民であると言わせて沖縄を独立させようとしている。私たちは先住民ではない。プロパガンダ...、これは「政治宣伝」という意味ですけど、...プロパガンダを信じないでください」と訴えた。(沖縄タイムス)
ズバっとその、一番大事なところが出ていて、産経新聞の方も、こう書いてます。
沖縄生まれの我那覇さんは、沖縄が日本の他の地域と同様に人権が守られていると明言。つまり人権理事会で話す理由はないということをおっしゃったと。で、鍵括弧。こうやって鍵括弧が始まりまして、直接引用ですね。
「沖縄が先住民の土地だと主張することで、沖縄を独立に導こうとする人たち、それを支持する中国こそが、地域の平和と安定を脅かし、人権への脅威だ」と報告した。
こういうふうに書かれていて、実はこれ、我那覇さんのお話を紹介する記事なんですけど、実は、この番組でまだ全部は言ってないと思うんですけれども、
翁長さんが、いま知事の翁長さんが那覇市長の時期に、「中国共産党と中国共産党の工作機関がどうやって接近したか」っていうのが、沖縄県の、沖縄県在住の華僑の方、つまり、もとは中国系のビジネスマン。あるいは、県庁の内部職員。そういうところから情報が提供されて、日本の情報機関は、ほぼ全部を把握してます。
それで、ぼくは一民間人で、ご承知のとおり「特定秘密保護法」が施行されてますが、ぼくはその内容を、正当な手段で、ほぼ全部、把握してます。
何を言ってるかというと、特定秘密保護法が施行されて、「小説や映画も作れない」って言った人は、また言いますが、どうしたんですか? 情報活動、要するに、こんな深い情報も、何もおかしなことしなければ、当然、情報を入手できるし、国家公務員の協力もあったわけですけども、ちゃんと、その特定秘密保護法に違反せずに、国民に情報を提供することもできるんですよ。
その上で、どういう事実経過があったといいますと、沖縄県の北方に、当然、いわば九州本土があって、九州があるわけですけど、九州沖縄地区といわれますけど、その九州の福岡に、中国の総領事館があって、そこに総領事がいらっしゃるんですね。現在の総領事の前の総領事の時代に、中国共産党から指示が下りて、当時の仲井眞知事はもう高齢だから、仮に再選を目指したとしてもおそらく当選できないので、
っていうかね。記録、非公開の記録を丁寧にたどっていくと、実は、そこはちょっと読み間違ってて、「出ないだろう」と。
もともと沖縄は敗戦後、知事、あるいはその前、祖国復帰の前は知事じゃないんですけど、その時代から、要するにトップは2期までしかやってないんですよ、歴代ね。中国はそれも考え、 仲井眞さんがすでに高齢だと考えて、「三選、出ない」と読んだわけですけど、実際はお出になって落選したんですけどね。いずれにしろ仲井眞さんは終わりだと。
でね、その秘密文書に書いてある言葉は「仲井眞知事は我々に非協力的だった」と書いてあるわけですよ、まず。
これは、ぼくにはよくわかる話であって、仲井眞さんと、これもう、今だから言っていいと思うんですが、知事時代に二人きりで、知事応接室で会ってた時にね。こうおしゃったわけですよ、仲井眞知事が。「わたしは家系が渡来人です」と。
もともと中国からやってきた渡来人で、仲井眞さん自身は、これはもちろん何百年も前の話ですよ? 仲井眞さん自身は大阪で生まれた人ですけども、「家系がそういう家系だからこそ、中国の狙いがたいへんよくわかる」と。「いま尖閣諸島を侵しつつあるけれども、尖閣諸島で止まるはずはなく、必ずこの沖縄本島を狙ってくる。それも、直接侵略したりするような子供っぽいわかりやすいやり方ではなくて、文化でまず侵略してくる」と。
だから「孔子学院」というのを沖縄県にも作ってしまってて、孔子学院というのは中国語の語学スクールってことになってるんですけれども、「中国共産党が正しい」ってことを、この語学のテキストから刷り込んでいくやり方で。これはアメリカの、いま大学でね、大問題になってるわけですけど、工作活動だとして。沖縄では全然、工作活動を言われずに、孔子学院で中国語を学ぶ人が増えてると。
仲井眞さんは、これをまあ心配して、なぜぼくに話されたかというと、「青山さんは中央の人をたくさん知ってる」と。「自分は沖縄県知事だけど、東京行って、たとえば総理大臣とかと話しても、なかなかみんなが胸を開いてくれる、胸襟を開いてくれるわけじゃない」と。「青山さんはまったく利害関係を持たない自由な立場と聞いてるから、その東京へ行って聞いてほしいことがある」と。「本当に中央は大丈夫なのか」と。「実は中央の与党の中にも、親中派の先生方がたくさんいて、歴代の総理にも中国と関係の深い人が、国民が知ってるよりもっとたくさんいる」と。
「そういう中央の政治が、中国が本当に沖縄本島にも手を伸ばしてきたときに、ちゃんと沖縄を守るのか。尖閣諸島がこのような現状を見ると、自分は心配だから、本当に守る気があんのかってことを、すいませんが確かめてください」
って言われて、ぼくは正しい問題意識だと思って、東京で、その時の総理も含めて、お会いしたり電話したりしまして、もちろん守りませんって言う人はいないけれども、ぼくも本土の人間のひとりとして、もう一度沖縄へ行って、こういうの、当たり前ですけど、誰かに頼まれたんじゃなくて全部、無償の行為。利害関係、一切関係ない。だから独立総合研究所は赤字ばっかりになるわけですけど(笑う)、まあ、よくうちの総務も、こういうのを、こう、許してくれると思うんですけどね。
話を元に戻すと、そうやって仲井眞知事にもっかい会って、話をしたら、仲井眞さんは「青山さんの話はわかったけど、やっぱり信用できない」と言われて、どうなさったかというと、県庁の中に「安全保障課」ってのを作ると。
さっきちらっと兵庫県と言ったけど、岐阜県とか兵庫県とかの中に「安全保障課」ってできると、ビックリでしょ? だって、安全保障は国の仕事ですから。
それでぼくは、
「その志はわかるけど、安全保障というのは国家がやるべきものであって、自治体が介入すると、それ自体が国際社会から見ておかしな話だし、そもそも辺野古移設がこんなに揉めるというのは、国家が、国家同士が合意してるのに、地元が反対って言い出すと止まるっていうのが、日本社会の歪んだところなんで、敗戦後の。たとえばそれは原子力発電所から出るゴミの問題も実はそうなんであって、安全保障課って作るのはおかしい!」
って言ったんですよ。
仲井眞さんは、ムっとはされるけれども、たいへんご機嫌斜めになったけど、いろいろ、そのあと考えられて、「じゃあこうしましょう」と。いや、ぼくとのやり取りだけじゃないんですよ?もちろん仲井眞さん、もっと地位の高い人とやられてるわけだけど。
安全保障課に、地域って名前を乗っけたんですよ。「地域」安全保障課。ぼくは「いや、いいんじゃないでしょうか」と(笑う)。「自治体は自分で、その地域の安全保障を考えるというのは、実は大きな問題提起になります」と。
地域安全保障課を作って、それを中国共産党は、こりゃ仲井眞はダメだと。要するに中国の言うことを聞かないと。
どうしたかというと、その当時の福岡の総領事が、まず、那覇にこっそり入って、まず、華僑を集めたんですよ。
華僑を集めたその席で、「仲井眞県政はもう終わりだ」と。「我々は良き候補者を探した」と明言してるわけですよ。バレないと思って。でもバレた。バレたっていうのか、世の中には、世の中にいま初めてバレてるんだけど、華僑から情報が漏れていったわけですけど、そしてその探した結果、「那覇市長の翁長雄志(おなが・たけし)がなかなか見どころがある」と。「この人物はもともと自由民主党の沖縄県連幹事長をやった人間だが、自由民主党には、中国共産党は太いパイプを持っている」と。ね?翁長さんひとりの問題じゃないんですよ。自民党が、いかに腐ってるかということでもある。
もちろん、その総領事は、まあちょっと、胸を張りながらだったそうですから、言葉も口もすべったんでしょうが、「我が党は、つまり中国共産党は、自民党も民主党もその他の政党も全部太いパイプを持っている」と言ったそうですよ。
その上で、実は翁長氏には接触を始めてて、じゅうぶん見どころあるから、これを「支えろ」と。特に「資金協力しろ」と。はい。
という話をやって、そのあとに、実はその福岡の総領事が交代したんですよ。交代してどうなったかというと、もっと、中国共産党の中央のなかで、その、いわば「隠れた序列」で、もっと高い人物、年齢もやや若い人が、いまの総領事がやってきて、そしてその人物が入ってきて、直接知事選を、いわば指揮したんですよ。
その知事選をやってる最中、つまり翁長さんを擁立した時に、再び華僑を集めて、今度は何を発言したかというと、「この知事選の最大の目的は実は2つある」と。
ひとつは、アメリカ軍を追い出すこと。「沖縄の地からアメリカ軍を追い出せ」と。「そのためには、普天間問題は、非常によいテーマである」と。そこに徹底的に集中する。
もうひとつは、「琉球を独立させるって話を盛り上げろ」と。今までは単にお話だったけれども、これを、翁長さんが当選したら、現実の問題というふうにだんだんしていくから、その時に、この世論を、大学であったり、学者さんであったり、ジャーナリストであったり、メディアであったり、そういうところに、「強力な資金も使って、この琉球独立論を盛り上げろ」と、実は言って、その際に、もういっこ重大な発言があって、「これは中国共産党の直接の指示である」と。「わかってるな」というふうに華僑の方々に言った。
実はこれは、これが、日本の情報機関もある程度がんばってるのは、これ全部掴んでるわけですよ。全部掴んでるだけで、でも日本には「スパイ防止法」ってものがないので、掴んでるだけ。
いま、ぼくはもう、もちろんリスクをおかして、つまりここに、
ガラスにピピピっとひびが入ったら、わたしがむしろ殺されると。殺してみろって(声を上げて笑う)。はい。まあ笑ってますけど、また独研の総務がひっくり返るだろうけど。
そういうのが背景にあって、だからなぜこの話を、あえてきょう紹介したかというと、別に大した決心で言ってんじゃないんですよ。毎日こうやって生きてますから。
一平ちゃんの目に心配そうな色が浮かんでますが、いまさら・・・、一平ちゃんは大丈夫ですよ。一平ちゃんは聞いてるだけですから。いまさらわたしを心配してももう遅い。だいたいあの富士スピードウェイでもクラッシュしたばっかりだし(声を上げて笑う)。
居島 一平(米粒写経)
まあ青山さんにご自愛くださいっていうセリフはもう、申し上げても無駄だっていうことは...
青山 繁晴(独立総合研究所社長)
「ご自愛」しません。他人を守るのがぼくの仕事なんで。他人守りながら自分も守る、天はそこまでくれませんよ。はい。
まあ話もとに戻すと、ですからなぜこの話をきょう紹介したかというと、名護の、きっと、要するに、翁長さんの側は言うでしょう。そんなものはただの一女の子じゃないかと。26歳の若い女子が言ったからといって何だと。言うでしょ?
しかしその我那覇 真子さんという26歳の女性がおっしゃった、中国が沖縄県民に「日本国民じゃなくて先住民」と言わせようとしている。先住民だから、日本人と違うから、独立して当然だと言おうとしている。しかし、わたしたちは先住民じゃない、日本国民だと。色のついた宣伝を信じないでくださいとおっしゃったのは、若い女性が適当な感情論を言ったんではまったくなくて、実はこういう強力な事実関係があると。
我那覇 真子さんとぼくは一度も会ったことありません。会ってくださいって話、我那覇さんからじゃないですよ? 沖縄の心ある人から言われたりはしてるんですけど、まあ会うのはもちろんお会いしていいんですけど、今後も利害関係一切持ちませんから。
だから、いまぼくが申した深いインテリジェンス、機密情報を、我那覇さんが知ってるかどうかも知らないけれど、たぶん知らないでしょう、そこまで。知らないけれど、しかし我那覇さんだけじゃなくて、すごく高齢な方。たとえばぼくの知ってる94歳の沖縄県民の方から、実は、ご家庭によっては小学生まで、中国がずっと沖縄を独立させようとしてる、翁長さんになってから激しくなったっていうのはみんな知ってるわけですよ。
みんな知ってるから、いろいろ言われても、沖縄タイムスは、この「中国を名指ししてる」ということを、あえて記事にしたんですよ。まあ琉球新報はまったく我那覇 真子さんを取り上げてないけれども。
でもこういうところにいわば救いがあるんであって、そしてこの際、やっぱぼくたちは、ぼくたちって日本国民全員、ぼくも含めて。あらためて、沖縄の歴史を学校で教えてもらってないから、きちっと教わったほうがいいんですよ。いやいや、ごめんなさい。自分で勉強したほうがいいんですよ。
沖縄のことを教わった方でも、「琉球処分」という言い方、まあ一平ちゃんはもちろん歴史好きだから知ってるでしょ?
琉球「処分」というね、すでにバイアスがかかった表現ですけど、これはどういうことかというと、もともと琉球王国は独立してたんだと。それを、日本が明治維新になった時に、その鹿児島県に、まあ鹿児島県、そのまえ薩摩藩、薩摩藩が吸収したんだと。吸収しようとしていろいろあったと。その時に廃藩置県があって、まあ薩摩藩はなくなって、その時に沖縄県ということにしたんであって、要するに日本が琉球王国を吸収してしまったんだということを、ぼくも教わったんですよ。
しかしこれは、その日本だけじゃなくて、たとえばアメリカの国立公文書館にある資料なんかも含めて、それだけじゃないんですけど、たとえばロンドンの図書館の資料とかを、もちろん英文ですけど、手繰っていくと、公平に言うと、まず、歴史好きの一平ちゃんなら知ってるだろうけど、1853年にアメリカのペリー艦隊が来たって、誰でも知ってるじゃないですか。でもそれが、その、今のお台場ね。東京のお台場の向こう側に、こう、やってきたってのは誰でも知ってるけど、実はペリー艦隊の大きな目的のひとつが、琉球、沖縄をいただくことだったんですよ。それ知ってるでしょ?
これはアメリカ軍だけじゃなくて、アメリカだけじゃなくて、フランスとか、その当時の帝国主義の西洋列強が、沖縄を取ろうとしたっていう厳然とした事実があって、ペリー艦隊の動きについても、沖縄は大きな焦点なんですよね。
つまりあの時、その明治維新がなぜ起きたかというと、これは誰でもわかってるはずだけど、もっかいわかりやすい言葉で言うと、となりの中国がアヘン戦争で負けて、つまりイギリスの帝国主義が、中国の人々にアヘンを売りつけて、中国人をグダグダにして、全部乗っ取ってしまう。あんまりにもおかしいっていうので、当時の清が怒ったら、イギリス軍は戦争して、要するに属国みたいにしてしまって、アヘンもどんどん売るようにしてしまったと。
それをとなりで見たから、日本は目覚めていって、これはその西洋人が、アジアをそうやって植民地にしようとしてると。その時に、幕府の体制ではとてももたないから、これを、その侍という階級を温存するんじゃなくて、たとえば軍も近代化して、西洋列強と立ち向かえるものにしなきゃいけないと。そのための「ご一新」、大改革が、明治維新だったわけですよね。
その明治維新の大きな目的の中に、沖縄県も入ってるわけですよ。つまりなぜかというと、そのままにしておくと、必ず、イギリスか、アメリカか、フランスか、ドイツか、特にアメリカはもう、重大な関心をペリー艦隊によって示してるわけですから、だから、それを「守る」ために取り込んだってのが本当は、廃藩置県の中での沖縄県の設置なんですよ。
それを、あたかも理由もなく、琉球王国を吸収合併して、守ろうとした話はどっか吹っ飛んでしまって、敵対するかのような話を、ずっとぼくらも学校で教わってきてるわけですよ。
そうすると、沖縄のことを考えてる人でも、「いやあ、もともとは琉球王国だったんじゃないか」とかいうね。要するに、感情をうまく刺激されるような話に、自分の頭の中でも置き換えられてしまってるんですよ。
残念ながら、ぼくの言った話を学校で教えてくれる見通しは、おそらく数十年ないでしょうから、だからこれはインターネットっていう大事なツールも使って、わたしたちが勉強していかなきゃいけないんですよね。
そこで、ウチナーンチュと、沖縄県民の方々と、わたしたち本土生まれの人間の、本物の連帯もあるんであって、実は、この翁長さんがこんな演説して、はっきり言って恥さらしですよ? 要するに、国内の揉め事をわざわざ不釣り合いな場に出して、こんなことを言ってるというのは、まあ情けない話ですけど、それで終わらせないで、そもそもぼくたちは沖縄のことをほんとに理解してるのか。沖縄へ行かれて、ウチナーンチュと、たとえば居酒屋で会った人と議論をする時に、実は、日本の中の沖縄、祖国の沖縄っていうのはこうなんですって話が、果たしてできるのかということを、ぼくら自身がやっぱ、よく考えるべきことだと思うんですよ。
この我那覇 真子さんが象徴するように、沖縄の若い人たちってのは、やっぱり、インターネットには闇の部分もありますよ? ハッキングもあればサイバー攻撃もあるし。ぼくは日常的に中傷被害にさらされてるから、ぼくは明らかにネットに被害者ですけれど、ただし、その市民のツールとしての、国民のツールとしての、この力っていうのは、ものすごいものがあって、つまりさっき、海外の図書館の話もしましたけど、正しく使えば、その図書館のライブラリの中に、別に海外、ロンドンとか行かなくても、入り込める。そういうことも使って、自分で多少の苦労もしながら、沖縄の歴史が特に歪めて伝えられてるから、それを、もう一度ぼくらでやり直しませんかというニュースなんですよね。はい。