10月2日 花城 大輔(自由民主党) 一般質問(全文) 沖縄県議会『平成27年第7回定例会』
※平成27年10月2日、沖縄県議会『平成27年第7回定例会』より
花城 大輔(自由民主党)
失礼いたします。自民党の花城 大輔です。通告の内容を変更して、4番から質問をさしていただきたいと思います。
まずは翁長知事、スイス・ジュネーブへの出張、お疲れ様でした。出発前の忙しい時期に、自民党会派のために時間を取っていただいたことも感謝をしております。また要請書を受け取っていただいて、「この要請書には何の違和感もない」と。そして、「何かあれば本会議で議論しましょう」とおっしゃっていただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。
冒頭でも申し上げましたけども、面談した際に具志幹事長のほうからは、「国連の場で、われわれ沖縄県民が先住民として誤解を受けることの無いよう注意していただきたい」と。またわたくしのほうからは、「特定の思想・信条を持つ団体の主催するシンポジウムでありますから、発言には注意していただきたい」というようには申し上げました。
しかしながら、その際、知事からは「わたくしは先住民という認識は今までない」とコメントと、「わたくしも日本人としての誇りを持ってきた」というコメントをいただいたのにもかかわらず、残念ながら、知事の演説、そして、サイドイベントであるNGOのシンポジウムの実態を見ますと、「沖縄県民は先住民族である」と発信してしまったと、判断せざるを得ない状況があるというふうに思っております。
この件について、知事の見解をお聞かせください。
喜納 昌春(議長)
休憩します。
再開します。
町田 優(まちだ・まさる)知事公室長。
町田 優(知事公室長)
お答えします。
先住民につきましては、今回、沖縄県では、「沖縄県民が先住民かどうか」っていうことについて、議論もしておりませんで、このことについても、知事は意見を述べてないと理解しております。
今回の国連 人権理事会では、国際的な人権保護や、自治権拡大の視点も踏まえつつ、米軍基地から派生する人権や、自己決定権の問題について、沖縄県の立場を訴えたところでございます。
花城 大輔(自由民主党)
そのようなことを聞いてるのではなくて、結果として、「沖縄県民が先住民族だ」というふうに発信をされてきたという、そういう判断をせざるを得ない状況があるというふうに言っているんです。
特に、人権理事会の演説において、self‐determinationという英単語を使っておられますね。まあ、いま公室長、笑ったんで、発音が悪かったのかもしれませんが、これは直訳すれば、民族の自決権を意味します。
しかも、一般に常用されている単語ではないそうで、先住民族であることが前提として使われる言葉。すなわち、民族の自決権を意味するということであります。
この対象となる人々は、今回はわれわれ沖縄県民ということになるわけですが、この事を発言して沖縄のことを訴えたということは、沖縄の人間が差別されている前提において、沖縄県民が「先住民族である」というふうに認識した上で、使用したというふうになると思われます。
知事は、この英単語の意味を理解した上で、使用したのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
町田 優(知事公室長)
いま議員のご指摘された部分を日本語で訳しますと、「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見てください」と、そういう言葉で説明しておりまして、self‐determinationにつきましては、「自己決定権」という意味合いで使ってるところでございます。
花城 大輔(自由民主党)
あの、繰り返しになりますけれども、この「民族の自己決定権」ということは、われわれ沖縄県民が、「先住民族である」っていう前提のもとで使われてるってことになるんですよ。
そのことについての見解を述べていただきたいというふうに質問をしているんです。
町田 優(知事公室長)
民族というわけではなくて、「沖縄の人々の」と、「自己決定権」という趣旨で使っております。
花城 大輔(自由民主党)
水掛け論になりそうなんで終わります。いま野次で、「われわれはウチナーンチュぞ」とかって言われてますけれども、当然じゃないですか。
わたくしは日本に生まれたことを幸せに思っています。そして、沖縄で生まれ育ったことに誇りを持っています。今「先住民族」という言葉が使われているなかで、その誇りが傷つけられようとしてるというふうに思っているんです。だから質問してるんですよ。
われわれが日本人であるとか、沖縄県民であるとか、そんなことを声高に言わないといけない、そんな状況が今あるというふうに、危機感を感じてるんです。
野次を言っている人は、何を思想として持っているのか、述べていただきたいとわたし思いますね。
われわれが先住民族であることを認めてるのか。また、われわれの子や孫たちが、そういった関係で、先住民族扱いすることを望んでいるのか。わたくしは聞いてみたいというふうに思っています。
では、知事に対する質問に戻ります。
結果的に、翁長知事が、意図したとしても、そうでなかったとしても、全世界に誤解を与えるようなメッセージを送ったことは、わたくしは確かだと思っております。
これは、翁長知事としての職務の権限を越えたものであるかどうか、見解を伺いたいと思います。
花城 大輔(自由民主党)
ですから、先ほどから何度も同じことを言いますけれども、そんなことを聞きたいわけじゃないんですよ。
町田 優(知事公室長)
先ほど来、申し上げているとおり、知事は、「先住民族」という言葉は使っておりませんで、国連のスピーチでも、「沖縄の米軍基地から派生する事件・事故、それが沖縄県民の生活に大きな影響を与えている」。あるいは、「あらゆる手段を使って新基地(普天間飛行場代替施設)建設を止める」。そういう基地問題について、発言してるわけでございます。
花城 大輔(自由民主党)
いま報道されてるニュースや、まあ、新聞も含めて諸々、読んでいただければ、わたくしの言ってることは理解していただけるというふうに思って質問をしたんですけれども、そのような答弁しかいただけませんので、残念に、いま思っております。
質問を続けます。声が大きくなってることをお許しください。
先ほど、「知事としての職務の権限を越えてるかどうか」という質問をしました。まあ、「越えてない」という答弁でしたけれども、またこのような、世界的にメッセージを発信する場に出発して、実際、危惧することが現実として起こったわけです。
その出発前に、県の代表として出発する前に、県議会にその内容を諮る必要があったかどうか。それについても、ご見解をお聞かせください。
町田 優 知事公室長
知事はこれまでも、訪米など、海外に行って、県の実情、あるいは県の考え方などを、お伝えしているところでございます。
今回も、そういった一環で、世界の方々に、沖縄の実情をお伝えするという目的で行っておりまして、これまでも慣例として、特に出発する前に議会にお諮りするということはやっておりません。
花城 大輔(自由民主党)
わかりました。
今回、何度も同じことを言うようで申し訳ないんですが、本当に誤ったメッセージを発信してしまったというふうに思っております。ですから知事に、ひと言、おっしゃっていただきたい。
まず、「われわれ沖縄県民は日本人である」。
いかがですか。
翁長 雄志(知事)
花城議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
まあ、わたくしが国連に行って、いろいろ話をした中身について、まあ、「先住民族」の話とか、いろいろいま、ご指摘がありました。
わたくしはただ、歴史を、客観的に世界の方々に説明をさしていただいたんです。
1879年の話、1952年の話、そしてそのなかで沖縄がどういう立場にあったかというようなことを、話をさしてもらいまして、それを聞いた方々がどのように思ったかということにつきましては、わたくしの意図とは別の話でありまして、わたくしは客観的に、沖縄のおかれてる立場っていうものを、世界に発信をしてきたわけであります。
ですから、こういったことを踏まえますと、背後にある、いろんな考え方を持ってる方、おられますので、皆さま方の背後にも、いろんな方々がおられますし、わたしの背後にもいろんな方々がおられます。
そういったようなものを包括的に話をするなかで、ただ歴史とかそういうものは、客観的に、中立的に、わたしはご説明をして、さしてもらいながら、沖縄県の在り様というものを、世界の方々にもご認識をいただきたい。そういうことで話をさしてもらいました。
花城 大輔(自由民主党)
冒頭でも申し上げましたけれども、出発前に自民党会派でお邪魔をした際に、知事は「わたくしも日本人としての誇りを持って生きてきたという自負があります」というふうにおっしゃっていただきました。その時にとても安心した感覚を覚えております。いま多くの県民が、その知事の言葉を聞きたいんだというふうに、わたし思っているんですよ。知事はひょっとしたら琉球独立に向かうのではないかとか。ひょっとしたらいま、知らず知らずのうちに沖縄県民が人質になろうとしているのではないかとか。根拠のない杞憂が、心配してる方が、増えてきてるというふうに思っています。なので、この本会議の中で、知事の口から発言をしていただきたいと思っていますが、「琉球独立は考えていない」、おっしゃっていただけませんか。
翁長 雄志(知事)
お答えをいたします。
まあ、日本人としての誇りというのは、わたしも持っております。ただ、日本人としての誇りを持つためには、日本の民主主義の在り方とか、沖縄に対する政府の立場とか、そういったものには意見も強く言わなければ、いまの沖縄のおかれてる環境というのは、たいへんこれは、わたしから言うと理不尽だと、こういうふうに思っております。
ですから日本国を良くするという意味で、沖縄の基地問題を解決しなければ、日本の国っていうのはよくなりませんよと。民主主義国家、日本というものが世界に冠たるリーダーとして、このしっかりと立つ意思を持って、がんばることはできませんよということで、わたくし自体は、いまの国内で行われてる沖縄県に対する政策含め、これについては異議を申し上げないと、日本人としての誇りを持っていたら、政府がやることにはみな賛成かということになりますと、そういうことではないと思うんですね。
ですからそういったようなことは、しっかり言わなきゃいけないということで、わたくしも子や孫のために、日本国の誇りを持ちつつも、ウチナーンチュの誇りもしっかりと持っておりますので、これがやはり、ちょっと他の都道府県と違うぞというようなものがありましたら、これは言わなきゃいけない。言って、そしてそれを是正をしてもらって初めて、また、もっと大きな日本人としての誇りを持ちながら、勇気と希望をもって、日本とアジアの架け橋となって、がんばっていけるというようなことで、いま一生懸命がんばっているところでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
翁長 雄志(知事)
まあ、福島の原発にしても、いろんな日本の国内では、各地域、問題があります。どこでも、いま佐賀県と長崎でも、農業と林業、漁業ということで、埋め立ての問題もいろいろありますが、向こうは政府にものを申しても、独立という話にはならないんですよね。いわゆる地域の問題を話をした時に、ぼくらから独立というよりも、「独立をするのではないか」という、この考え方を持つこと自体が、わたくしはいまの沖縄のおかれてる難しい立場にあると思うんですね。
沖縄は、もういっかい申し上げますけども、1879年に併合(編入)されました。そして1952年には(サンフランシスコ講和条約によってアメリカによる信託統治下におかれることで、日本の領土であるにもかかわらず、日本の施政権下から)切り離されたんですよ。わたしたち(翁長氏を中心とする勢力)が独立するというよりは(サンフランシスコ講和条約によって、日本の領土であるにもかかわらず、日本の施政権下から)切り離されてしまったんですよね。27年間、無国籍人(アメリカによる占領下及び信託統治下におかれた日本国民)として生きてきた経緯もあるんです。そういったことも踏まえながら、この沖縄の問題を話をすると、独立するんじゃないかという話がありますが、しかしいま、世界情勢とかいろんなことを考えますと、独立する心配よりは、また歴史が繰り返されるのではないかという心配のほうがあるからこそ、物を申して、そういうことではなくて、同じ日本人として、一緒にがんばらしてくださいよという話をさしていただいてるわけであります。
花城 大輔(自由民主党)
いまのお話を聞くと、まあ、独立も、ひとつ交渉のカードになっているような気がしないでもありません。
ぼくはとっても、この事を、どうしても言っていただきたいんですよ。なぜかというと翁長知事は辺野古の新基地(普天間飛行場代替施設)建設を反対するという大きな公約を掲げて当選をいたしました。非常に努力されていることもわかっています。
しかしながら、それ以外はダブルスタンダードが多いというふうな気もしてるんですよ。辺野古の基地(普天間飛行場代替施設)は駄目だけど、牧港にもっと大きな工事は許す。日本政府の政治は堕落しているけれども、振興策はおねだりをする。いろんなことで...、(周囲の野次に対して)ちょっと黙れよ!
喜納 昌春(議長)
あの、冷静に、てん、展開して。
は、花城議員。
花城 大輔(自由民主党)
そのなかで、もし、この琉球独立ということまで含まれていたときに、知事にはそこまでの権限を許して応援していただいたのかということが、疑問になるんです。
なのでわたくしは、自身の公約を達成させるために努力をするということは当然ですので、この新たに、にわかに出てきた、「琉球独立論」というのは、明確に否定をしていただきたい。もうほんとにしつこく、お願いをします。
翁長 雄志(知事)
まあ、普天間(飛行場)の県外(移設)、あるいは、新辺野古基地(普天間飛行場代替施設)はつくらせないと。オスプレイも配備撤回ということは、これは集約された沖縄県民の声として、昨年の選挙に問うて、10万票の差(県知事選の投票率は約64%、翁長氏の得票率は投票総数の約52%、すなわち沖縄県の有権者の約3割の支持)でもって、がんばりなさいということを言われて、まあ、一生懸命がんばってるわけです。ほかにも基地の問題、いろいろあるじゃないかといったときに、沖縄のおかれてる長い歴史の中で、いろんな幾筋の経緯があったりするようなものを、全部一回で物事が解決するようなものでないことは、わたしも承知してるから、むしろ現実的に、ひとつ、これだけは許しませんよというような話をしてるわけで、これを許さなかったら、あれも許されんじゃないか、これも許されんじゃないかという、そういう話ではないんです。
ですから、筋道というものをたてながら、なにも理想論だけでやってるのではなくて、このひとつは、是非とも、去年の民意もありましたし、名護市長も民意もありましたし、県知事選挙、衆議院選挙、ぜんぶ、そういった民意で、選挙が行われたというようなことで、話をさしてもらっております。
ですから、そういうようなもののなかで、民意を受けて話をするなかに、こういうことを是正してくださいというようなものが、独立論につながるなどというのは、これは議員もだいたい、自分の支持者とも話しあって、そういう方々がそう多くはないというふうにもご承知かと思いますので、そういうふうに見られる立場にある沖縄というものが、いわゆる、いまわたしたち(翁長氏を中心とする勢力)が、たいへん気をつけながら、話をしなきゃいかんということだと思うんですね。
だからわたしたち(翁長氏を中心とする勢力)からすると、物事を是正をして、そして日本国が品格のある民主主義国家として、ともどもにがんばっていきたいということを、多くの言葉を費やして、やってるところでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
花城 大輔(自由民主党)
くわえて、知事に、この項目で最後のお願いをしたいというふうに思っています。2008年、2014年、国連人権理事会から、日本政府に勧告が出されているのはご承知かと思います。要は「沖縄県民は先住民族であるから、これを保護しなさい」という勧告であります。
今回、ジュネーブに翁長知事が出席をして、NGOの団体で発言をしたことによって、わたくしが先ほど申し上げたように、その沖縄県民が「先住民族である」ことを進めようとしてる団体の後押しをしてしまったとわたし、理解しているんですよ。
なので知事に、県知事としての発言をお願いしたいというふうに思ってます。国連の人権理事会に対して、県知事の名前で、沖縄ではそういう議論がなされたこともないし、こういうふうに「先住民族である」というふうに勧告されたことに対しては、訂正をしていただきたいというふうに知事から求めていただきたいと思っています。いかがですか。
翁長 雄志(知事)
この「自己決定権」というものについては、多くの県民が、それなりの立場で、ちょうど花城議員もいまの立場で話をされておりますし、それから「先住民族である」ということをお考えになってる方々もおられるんですね。
独立論というのは、ぼくらがその、あの米軍の施政権下にある時から、独立をしたほうがいいという人もいましたし、アメリカの一州になったほうがいいという人もいましたし、日本に帰ろうという人もいろいろいました。ですから議論としてはあったんです。議論としては、これはもともと議論があって何もおかしくはない、沖縄の今日までの流れだと思うんですよ。
しかし、わたくし自身は先住民族という議論をここでやってきたこともありませんし、わたし自身がそれを持っていって話をしてきたわけでもないんです。歴史を客観的に、中立的に、わたしなりに話をした。しかしそれを聞く人たちがどのように思うかということについては、わたくしが申し上げることはないわけでありまして、わたくしからすると、自由、平等、人権、民主主義。民主主義っていうのは特に去年の4つの選挙で、民意も表れたのにもかかわらず、他の都道府県では知事さんや市長さんが選挙にも関係なく、「いやあ、できませんよ」というからすぐ引き下がるのに、(日本の南西、東シナ海と太平洋の境界、中国と台湾に近い国境海域に位置し、中東へと続くシーレーンの玄関口である)沖縄はあれだけの選挙を経てNOと言っても(防衛政策は国の専権事項であるため)引き下がらないということについては、やっぱりこれは、わたしたち(翁長氏を中心とする勢力)からするとたいへん理不尽だというようなことを申し上げないと、この申し上げることについて、どういうふうに感じられるかと言われても、わたしからすると日本国民として、沖縄県民として、言うべきことは言わなきゃいかんという、この視点に立って言っておりますので、よろしくお願いします。
花城 大輔(自由民主党)
この件については、まあ、通告が出たというような野次もありますけれども、引き続きわたくしは議論をさせていただきたいというふうに思っております。またよろしくお願いしたいというふうに思っております。
質問を変えます。通告どおり、1番からさしていただきたいと思います。「河川整備事業」ということになります。
これは先月、もう10月になりましたので8月ですね。茨城県や栃木県、または東北の一部で、大雨によって河川が氾濫して、死者が出るほどの被害が出ております。非常に悲しい災害であります。
しかしながら数年前から、わが沖縄県の中でも、そういう被害が、遭う可能性の高い地域がいくつかあるというふうに聞いています。
今回、わたしの地元である沖縄市の件を取り上げますけれども、昨年8月に県道75号線と58号線の交差する所、いわゆる嘉手納と海老名の境界線のちょっと手前というところでしょうか。そこが冠水をして、読谷(よめたん)が陸の孤島と化した。このニュースは皆さまのご記憶に新しいとは思いますけれども、同じ日に、同じ比謝川(ひじゃがわ)流域の沖縄市の知花4丁目という所で、河川が氾濫をして、床上浸水。車が流され、その西側にある米軍のフェンスの高さまで水が浸かったという、そういったことがありました。その地域の住民は、大雨の降るたびに恐怖を感じながら生活をしているんです。
調べたところ、昭和54年から、この河川の事業については、手をつけているということでありますけれども、きょう現在、それがまだ解決されていなくて、非常にこの、大雨が降るたびに恐怖のなかで生活している県民がいることを、どう考えているか。その内容についても説明をお願いしたいと思います。
末吉 幸満(土木建築部長)
比謝川・与那原川(よなばるがわ)等で、特に比謝川なんですけど、度々、浸水の被害が発生しているのを、わたくしどもは承知しております。それで、いま議員、ご指摘のとおり、昭和54年度から事業を進めてるとこなんですけが、この中流域にある米軍施設用地とのなかでの整備等々がありまして、なかなか、思うように整備が進んでいないというような実情がございます。
花城 大輔(自由民主党)
これ、平成26年度の実施計画だったと思いますが、15年以内に完成するというふうに書かれておりました。平成26年から15年以内というと非常に遠い気がします。ここの住民はいつまで恐怖のなかで暮らさないといけないのか、説明をお願いします。
末吉 幸満(土木建築部長)
いま、わたくしども、事業年度っていうのは平成35年度を目標にしてございます。そのなかで、先ほど申し上げましたように、中流域におきまして米軍施設用地等があるということが、これが非常にネックになってると。さらに、沖縄市の下水道等の移設工事も一緒にやってもらわないといけませんので、そういう関係がございまして、ちょっと事業の進捗が遅れてるのがあります。
河川事業において、特にわれわれがいちばん苦慮してるっていうのは、なかなか用地買収が進まないというのがございまして、こういう用地買収というのも、地元の沖縄市の協力をいただきながら、鋭意、進めていって、整備をとにかく加速させていきたいっていうのは、常々思っているところでございます。
花城 大輔(自由民主党)
いろんなところが絡み合うところで、皆さまが努力していることは理解ができます。しかしながら、今年の8月にも氾濫が起こっているんです。是非とも一日も早い工事の完成を目指して、または、それが名言できるようなところまで、まずは詰めていただきたいという要望にして、質問を終わりたいと思います。
続いて、「GIX事業について」というふうにありますけれども、これは9月2日と19日に、県内の新聞で報道されたことであります。「アジアの展開を考える企業は、沖縄が海底光ケーブルの事業を始めるのを待っていた」、こういったコメントも載せられております。これは一部、知事の公約にも関わってくる内容にもなるかと思います。
この事業の今後の計画について、お聞かせをください。
下地 明和(商工労働部長)
県では、現在敷設中の国際海底ケーブルと、今年度から供与を開始している沖縄情報センター。それを沖縄クラウドネットワークというかたちで、連携施設等で、各データセンター、あるいは津梁パーク、あるいはオフィス等々の全体を結ぶことで、高度なクラウド環境というものをつくって提供していくということをしております。
これによりまして、オンラインゲームなどのコンテンツを配信するサービス。あるいは国内外の企業のデータのバックアップサービス、それをする機能。あるいは、アジアのオペレーションサービスなどが提供される環境がつくられるものと思っております。
このように県では、このクラウド基盤、それに国際海底ケーブル、それから直接アジアと接続するインフラ構築をすることによって、IT産業の高度化・多様化を図り、産業のブランド力、それから国際競争力、それを高めて、本県の国際情報通信ハブの形成につなげていきたいと考えております。
花城 大輔(自由民主党)
企業誘致の、現在詰まっているところと、今後の計画についてお聞かせをください。
下地 明和(商工労働部長)
ただいまの、この3つのセット。クラウド空間の整備、それから海底ケーブルの整備と、それからデータセンターの整備というのを、この企画を発表した後に、いろんな企業から大きな反響がございました。
具体的な名前で言いますと、ヒューレット・パッカード・HP社だとか、そういう大手の企業さん。たとえば多くのデータを、その保存するのを各企業から受けてる兼松エレクトロニクスさんというような、国内でも大手の企業さんが、県内を、そういう企業活動の場として活用していきたいというような、いまは代表的なのを挙げましたけれども、そういう声が多く上がってきております。
花城 大輔(自由民主党)
総額70億円以上かかる事業で、非常に沖縄が全世界から注目を浴びるチャンスでもあるというふうに思っています。また承認が下りた時期ということもあって、これから検討することもたくさんあると思うんですが、いま非常に危惧されているのが、年間のコストの件なんですよ。大手しかこれないような価格設定になるのか。または中小零細企業がどんどんどんどん、この県内に入り込んでいって、しかも中間層以上の人、人材がこの沖縄の中で残っていくのか。そういったことも含めて、今後期待をしたいというふうな思いがあります。
そもそも知事の公約の中には、無償化、もしくは安価で提供できるというふうにありましたんで、まあ、いまわかってる範囲でありますので、この企業が負担するコストについて教えてください。
下地 明和(商工労働部長)
今回の海底ケーブルの件に関しましては、使用権というかたちで購入しまして、それを低廉な価格で、あるいは無償に近い価格で提供することによって産業活動を活発にしていくということです。
まあ、これによりまして、たとえば、例示ですけども、首都圏と同じような価格設定になっています。たとえば、先ほど申し上げた企業さんが、いま東京に本社があるわけですが、沖縄に来て業務をしても、首都圏にいる価格で、同じような通信コストでできると。それが海外での通信コストもそうなりますので、そういうじゅうぶんな環境が整えられると。それは当然、県内の企業さんも使うことになりますので、なんて言うんですかね、産業インフラとしてじゅうぶんに県内企業さんにも役に立つものになっていると思っております。
花城 大輔(自由民主党)
是非、この社会インフラを活用して、新たな沖縄の希望という、若い人材に対するのも含めて、発信をしていただければと期待をしております。
では、次の質問に移ります。
「海底資源開発について」とありますけれども、これは本会議で何度も何度も議論をされてきたことでもあります。これまでどおり、国と歩調を合わせて新産業を構築していくこと、これについては変わりはないというふうに思いますけれども、ただ、いま報道にもありましたとおり、我が国のEEZの中に、今度、中国の、軍艦艇ではなくて、調査船が入ってるということがよく報道されています。
わが党の砂川議員の代表質問のところでは、翁長知事からは、まあ、なんと言いますか、「これまでの歴史的な背景もあわせて友好関係を築いていく」という答弁もありましたし、また町田公室長からは、「中国の脅威については理解をしています」というふうにありましたけれども、ひょっとしたらいま、わが沖縄の近海に眠るエネルギーさえも狙っているんじゃないかということも、まあ、心配をするわけですが、これについてあらためて、知事の見解を聞かしていただきたいと思います。
喜納 昌春(議長)
休憩します。
再開します。
下地商工労働部長。
下地 明和(商工労働部長)
ただいまの危惧することに対しましては、たとえば経済産業省のホームページにあるんですが、その海洋エネルギー、あるいはその鉱物資源開発計画に、その経済産業省が言ってることを紹介しますと、あ、休憩します。ちょっとすいません。
喜納 昌春(議長)
休憩します。
再開します。
町田 優 知事公室長。
町田 優(知事公室長)
まず現状について申し上げたいと思います。基本的に、この排他的経済水域で海洋の科学調査をする場合は、沿岸国の同意を得て実施するということに、条約でなっております。それに対して、事前の同意がない中国の調査活動というのは、たとえば第11管区海上保安部の考えにおいては、昨年が8件、今年が、この9月までで14件、確認されております。国のほうは、そういうのを確認した場合は、現場において調査の中止を要求し、あるいは外交ルートを通じて活動の中止を申し入れてるという状況でございます。県としてもそういうふうな国の対応を含め、情報収集に努めているところでございます。
花城 大輔(自由民主党)
是非、沖縄県としてもけん制するような動きを起こしていただきたいというふうに思っております。もう守らないといけないです、これは。
続いて、県協議会による進捗状況と成果報告を伺いたいんですが、6月でわが党の具志県議からの質問に対して、「県協議会は今後方針を模索していく」というふうな答弁があったかと思います。是非、お聞かせをいただきたいと思います。
喜納 昌春(議長)
休憩します。
再開します。
下地 商工労働部長。
下地 明和(商工労働部長)
この海底資源の調査に関しましては、平成25、26と、まあ、海底資源利用と支援拠点形成、これに向けた可能性調査を行っております。この結果を踏まえまして、今年度は、まあ、将来、本県に海洋産業の支援拠点を形成し、まあ、産業化を推進するという目的で、海洋資源調査、開発支援拠点促進事業を委託しております。
まあ、そのなかで、「沖縄海洋産業創出協議会」というのがつくられておりまして、去る9月10日に第1回の協議会を開催しております。この協議会においては、まあ、前年度までの、その可能性調査の内容、あるいは今年度の事業内容、それから分科会の設置等について、協議・検討がなされました。
そのなかで、これまでのその協議・検討内容を踏まえまして、この協議会のもとに、海洋人材育成分科会、それから海洋産業化分科会、それから海洋研究分科会等を設置しまして、将来の海洋産業を担う人材の育成だとか、あるいは拠点形成の核となる企業、あるいは研究機関の誘致等、それから産業化につながる研究開発の促進などの取り組みについて検討していくということで、これから検討に入るところであります。
花城 大輔(自由民主党)
これも新聞から得た情報で恐縮なんですけれども、9月11日に報道のありました、協議会の内容についてであります。
10項目の方針を決定するというふうに載っていたんですが、これについては、もうすでに、この10項目という具体的な数字もあがっているので、もし内容があればお聞かせをいただきたい、またどのように決定されるのか、教えていただきたいと思います。
下地 明和(商工労働部長)
まあ、新聞報道には10項目程度ということでありました。これは、これからの作業によって出てくるものではございますが、いま、たとえば想定しているというようなものを2、3、紹介しますれば、まあ、次世代海中ロボット等の研究開発だとか、あるいは、その海底資源の採掘手法、そういったのをどうするだとか、あるいは、まあ、海底から採られたものには金属・鉱物だけとは限らず、いろんな微生物のいる可能性もありますので、まあ、そういうものの医薬品等への開発とかいう、まあ、そういうもろもろが想定されるのではないかなあと思っております。
花城 大輔(自由民主党)
わたくしどもが子どもの頃は、我が国は資源のない、そんな国だからというふうな教育がありました。しかしもう、今は違いますね。日本各地でたくさんのエネルギーが眠っていることもわかってきましたし、沖縄近海でも、もうエネルギーと名の付くものはほとんど採れるような状況にもあります。
これはいま沖縄県が、是非、いちばん力を入れてやっていかないといけないことではないかというふうに思っているんです。しっかりと調査・研究をして、これが産業としてどれくらい成長性を見込めるのか。そうすることによって、沖縄県の県内の総生産がどれぐらいになるのか。10倍や20倍も嘘ではないというふうな発言をする方もいます。是非、県の総力をそこに集中して、沖縄県で採れるエネルギーがよそに持っていかれないように、しっかりとわれわれの子や孫たちに、産業を受け継ぐことができるように期待をして、質問を終わりたいと思います。
お見苦しいところ、多々ありましたことをお詫びしておきます。ありがとうございました。