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聞文読報

聞こえる言葉を文字に起こし、目で聴く読み物に変えて発信します。

8月21日 小池晃(共産党)の質疑(全文) 参議院『平和安全特別委員会』

※平成27年8月21日、参議院『平和安全特別委員会』より

小池晃共産党

日本共産党小池晃です。

統合幕僚監部の内部文書について聞きます。

この文書は、5月15日に大臣が支持して統合幕僚監部が作成をし、5月26日、衆議院本会議で総理が趣旨説明を行ったその日に、350人の自衛隊幹部を集めた会議で説明したことを、防衛省は認めました。

ところがそれから3ヵ月後、8月11日、当委員会でわたしがこの文書を示すまで、大臣は内容を把握していなかったと答えたと。

しかも大臣はこの委員会で、当初は安保法案については国会の審議が第一、法案が成立したのち、これは検討を始めるべきものと言っていたのに、1週間後の委員会では、検討ではなく分析、研究だから問題はないと開き直ったわけです。

総理に聞きます。

検討ならばダメだが研究ならば許される、こんな中谷大臣のデタラメな言い逃れを総理は許すんですか?

総理。

安倍内閣総理大臣

平和安全法制については、グレーゾーンから集団的自衛権に係わる事態まで、また国際平和協力に関するものなど、広範な内容を含むものであります。

部隊運用を担当する統合幕僚幹部として、法案の内容や政府の方針について、現場の部隊指揮官に対して丁寧に説明するとともに、今後、具体化していくべき検討課題を整理すべく、必要な分析や研究を行うことは当然のことと考えております。

ましてや、今回の資料の作成は防衛大臣の指示の下、その範囲内で行われたものであり、また防衛政策局など法案担当部局とも調整の上、作成されたものと承知をしております。

このようなことから、今回の資料作成については問題があるとはまったく考えておりません。

小池晃共産党

これに問題がないっていう発言は驚くべきですよ。いち省庁の問題じゃないんですよ。自衛隊という実力組織ですよ。軍隊を独走させてはいけないというのは戦前の教訓ですよ。

しかも単なるいち法律ではない。従来の憲法解釈を大転換して出してきてる重大法案。しかも丁寧にって言うけども、国民にはこんな丁寧な説明してないですよ。自衛隊の中でこれだけ丁寧にやってるんですよ?国会にも国民にも一切示していないような中身を出してるじゃありませんか?

いま総理は、この経過について問題ないと全部認めた。わたしは、この文書と同じ立場に総理も立ってると。国民と国会を愚弄するものだというふうに言わざるを得ないと思います。

この文書、いま言ったみたいに、たとえば〔新ガイドライン〕にも、あるいは法案にも書かれていないような中身がたくさん盛り込まれている。たとえば、この文書にある自衛隊の部隊行動基準、武器使用基準ともいいます、《ROE》。これ、6月の衆議院の審議で我が党の宮本徹議員がこの問題取り上げました。

先ほど自衛隊法第95条の問題、ここでも議論になりました。ところが米軍などの武器、武器といってもこれ何でもいいわけですよ、艦船でも航空機でも空母でも、核兵器でもいいと。これを防護するようになるのであれば、自衛隊の《ROE》も改定することになるんではないかという質問だったんです。

防衛省は国会ではお答えすることは控えるというふうに言った。ところが5月に作られたこの文書にはちゃんと策定って書いてあるじゃないですか?別の部分には《ROE》との整備を行うことは必要と書いてある。答弁とまったく違う。

大臣、国会では一切説明してませんね?そのことを確認と、米軍の武器防護のために《ROE》を策定するということになれば、これは共有することになりますね?お答えいただきたい。

中谷防衛大臣

まず、シビリアンコントロールにつきましては法案が閣議決定されましたので、正しく、この内容を分析をし研究をする、これは当然のことでもありますし、各実施は自衛隊が行うわけです。

この委員会でもリスクとかいろんなご指摘がございますが、やはりこういったものが任務を受けた場合に、しっかり任務を果たすためには、事前によく問題点を整理したり、また、研究、分析をしたり、そういうことをする必要もございますし、隊員にも周知徹底する必要があるということで、これの説明をする前はわたくしに相談がありましたので、それはしっかりやってください、そしてその内容も見まして、わたくしが支持をした範囲内であるということでございます。

そこで、今回のお訊ねでございますが、ご指摘の記述は、統合幕僚監部において武器使用に係わる手続き等に関しまして、この法案の成立後に検討していくべき課題を整理すべく、分析、研究を行ったということでありまして、部隊行動基準の詳細については《ROE》でございますので、この自衛隊の任務に支障を生じるおそれがあるから公表は差し控えさしていただきますが、この詳細につきましてお訊ねの記述については、法律の施行に関して必要となる事項の分析、研究の一環として、自衛隊の武器使用に関して細部事項について具体化し、また関連規則《ROE》の策定等を行うことが必要ではないかと、統合幕僚監部として当然に有しうる認識の課題を示したものでございます。

小池晃共産党

大臣、8月11日まで3ヶ月間知らなかったって言ったじゃないですか?それでシビリアンコントロールができてるって、もう笑わせるんじゃないよって話ですよ。非常におかしい、無責任な答弁だとわたし思う。

しかも、これ《ROE》の策定、わたくし《ROE》の中身のことを言ってるんじゃないんですよ。《ROE》を策定するんですか、改定するんですかと言った時に答えられないと言ったのに、5月にはちゃんと書いてるじゃないかと言ってるんですよ。おかしいじゃないですか?

しかも、これは検討するかどうかじゃないんですよ。検討、整備を行うことが必要と書いてあるじゃないですか?全然今の、答弁になってない。結局こんなことをやれば米軍と共有することになるんじゃないかということについても一切答えていない。

わたくし、これ、結局こんなことをやれば、米軍の武器防護のために武器使用基準を作るわけですから、これは米軍と共有するのは明らかだと思いますよ、こんなことをやれば。

さらに、国会審議で明らかにしてこなかったことがもうひとつあり、ほかにもたくさんあるんですが、時間の関係でいうと今日はしぼって。

〔新ガイドライン〕で、同盟調整メカニズム《ACM》が新たに設けられることになったわけです。この内部文書では、それが常設になることが明記をされて、《ACM》内には運用面の調整を実施する〔軍軍間の調整所〕が設置されるとあるわけです。〔軍軍間の調整所〕について、中谷大臣は軍軍というのは自衛隊と米軍だと認めた。

総理。

総理は、自衛隊が軍を自認することをよしとするんですか?お答えいただきたい。

安倍内閣総理大臣

この〔軍軍間〕と、こう表現をされておりますが、これは自衛隊と米軍のことでありまして、まさに《Military to Military》を日本語で〔軍軍間〕、あるいは〔軍軍間の調整所〕ということがあります。

ご指摘の記述は、〔新ガイドライン〕の下でも日米の制服中心で構成する組織の設置を検討していることから、そのような日米間の組織を便宜的に〔軍軍間の調整所〕と表現したものだと認識しておりますが、これはあくまでも便宜的な表現であり、問題があるものとは考えておりません。

小池晃共産党

憲法で軍を持たないといってる憲法を持ってる国の首相が、軍と書くことを便宜的な問題だからかまわない、そんなことが許されるんですか?

しかも《Military to Military》、アメリカに向かってものを言ってるから軍だと、国民に向かっては軍じゃないと、アメリカに向かっては軍だと、自衛隊の中では軍だと、こんなことが通用するんですか?

総理は2月に「我が軍」と言った。結局あなたは憲法もないがしろにしてる。自衛隊の中でも、憲法も国民も無視した議論が行われている、そういうことを示すものに他ならないんじゃないですか?

だいたい〔軍軍間の調整〕と、調整というけれども圧倒的な情報量を持ってるのは米軍であります。するとどうなるか。

防衛庁幹部の柳澤協二さんは衆議院参考人質疑でこう言っています。

米艦防護にしても、どこから脅威がきている、どの船のどのミサイルで対応するのが適当か、それはアメリカの情報ネットワークの一環として動かざるを得ない。情報を持って主導権を持ってる方が主従関係からいえば主に決まっている。言い方を変えれば、より従属を深めていく。

総理、〔軍軍間〕の調整だと。調整と言うけれども、実態は柳沢さんが言うように、まさに米軍が主導権をもって、自衛隊が平時から共同司令部の下で米軍の指揮下に入る。そういうことを、これ、示してるんじゃないですか?そうでないと言えるんですか?

総理!総理答えて!

中谷防衛大臣

まずこの軍軍という表現でございますが、これは現実的に今の〔ガイドライン〕でも《BCC》という共同調整所、日米の《Uniform to Uniform》の場がありまして、やはり内局と、局長どうしの話し合いとはまた別にユニフォームとユニフォームの協議もありまして、《Military to Military》という言葉はもうすでに使われておりまして、この国会でも以前、民主党政権の時に前原外務大臣も《Military to Military》の関係においてというようなことで、これはいわゆるそういう関係においてということで、便宜的に部内において使っているところでございます。

それから共同調整所というのは、あくまでも、それぞれの国の指揮系統に基づいて調整をするという意味でありまして、〔ガイドライン〕の中におきましても、日米両国の部隊がそれぞれの異なる国内法令等に基づき行動する以上、それぞれの指揮に従って行動するんだということは明記をいたしておりますし、同盟として調整をする場合におきましても、適時の情報共有、自衛隊及び米軍の活動に関する政策面及び運用面の調整を強化をしていくというようなことで、これもこの前提は、それぞれの主体的な判断のもとに国際法及び国内法を含む我が国の国内法令に従って行われるというようなことでございますので、あくまでも自衛隊が米軍の指揮下に入るということは考えられないし、まったくわたくしも責任大臣として、そのようなことがないように、これはその運用については常に、我が国の自衛隊の指揮をしっかりしていきたいと思っております。

小池晃共産党

《Military to Military》、軍隊、軍と軍ということが日常的に語られてるってことを認めてるわけですよ。これ、ほんとに重大だと思うし、実際に中身、これはそれぞれの法律に従う、当たり前のことじゃないですか?しかし、その憲法解釈を変更して、『憲法違反』の法案を強行しようとしてるんですよ。それで、この実際の軍事行動を一緒にやっていくってことだから、今の説明ではまったく説明になってない。

結局、こんな仕組みを作ってしまえば、米軍の指揮下に入るということになるのは誰が見たってはっきりしてるというふうに思います。

さらに、内部文書には陸上自衛隊の南スーダンPKO国連平和維持活動に関して、中部方面隊から出される第9次派遣隊は9月から準備訓練を実施し、年明けからは新法制に基づく運用を行うということが初めて書いてあるわけですよ、日程も含めて。これまで行わなかった宿営地の共同防衛及び駆けつけ警護を法施行と同時に南スーダンでやるということが書かれているわけです。

大臣は、派遣部隊は順番に入れ替わるのが通例だから問題ないんだと、次に派遣される部隊がその準備を行うのは当然だって言ってますけども、そんな簡単に言っていいんでしょうか?

スーダン政府軍と反乱軍の停戦協議は、米軍などが期限としてきた今月17日になっても最終合意に至っておりません。国連PKOの専門家として世界各国の紛争解決にあたってきた伊勢崎賢治さんは衆議院参考人質疑で、

自衛隊が今まで無事故ですんだのは奇跡だ。今回の安保法制で任務が拡大すれば、奇跡ですむ可能性は非常に薄くなる。

 と、こう言ってるわけですよ。

順番に交代するからなどと計画を立てれば、派遣される自衛隊員の命が危険にさらされることになる。

総理、こんなことが自衛隊の中で具体的に、国会で一切説明されてませんよ。南スーダンPKOに、年明けから新法制の下で行くと。こんなことは説明されてないですよ。こんなことが自衛隊の中で準備をされてるってことを許していいんですか?

総理、総理。

中谷防衛大臣

事実関係から申し上げますが、そのようなことがないから、わたくし申し上げておりません。

今回、ローテーションに基づいて部隊は交代しなきゃいけないわけでありますので、現時点において次の部隊に対して、この派遣を準備をし、そして命令をかけるわけでございますので、そのスケジュールを書いたわけでございまして、当然、この法案の閣議決定がありましたので、その点については研究をいたしますが、これをやるかやらないかにつきましては、まず法案が成立してからその決定をいたしまして、これに計画をやるわけでございます。

この点については、やはり隊員の安全にかかわることでありますので、これは研究を行うわけでございますが、あくまでも今回、事実、派遣命令を出しますけれども、現行の範囲内での任務として発出をするわけでございますし、また、先だって官邸内でもこの期間、半年延長しましたのは、やはり現地の状況を見て、現地で平和が保たれているという前提で6ヶ月延長したわけです。これは閣議、NSCで。それに基づいて部隊を派遣するということで、これは通常の任務を継続するという意味でございます。

小池晃共産党

デタラメ言っちゃいけません!

この内部文書には、新法制に基づく運用っていうふうにはっきり書いてあるじゃないですか?新法制に基づく運用ってことは今までと違うんですよ、これは。駆けつけ警護もやる、そういうことになるわけですから、今の説明はまったく事実に反する、そういったことが中で検討されてるわけです。

これまで国会と国民には丁寧に説明すると、総理はおっしゃってきた。しかし、どれも一度もまともに丁寧に説明してないことばかりですよ。この文書で初めて出たんですよ。丁寧に説明したのは自衛隊の中だけですよ。

わたくしは統幕の内部文書から見えてくるものは、自衛隊と米軍が軍軍間の調整所を設置をして、武器使用基準も共通のものを作り、共同作戦計画のもとで行動をすると。まさに自衛隊が米軍と肩を並べて海外で戦争をする集団に変えようとする中身がきわめてわかりやすく示されているのがこの文書だと思う。

実力組織の暴走と受けとめられることがあれば、平和国家の土台は崩れ去る。一点の曇りもあってはならない。

東京新聞の社説です。

総理はこの指摘をどう受けとめますか?

安倍内閣総理大臣

それはまさにそのとおりであって、実力組織の暴走があってはならないわけでありまして、これはまさにシビリアンコントロール文民統制は完遂されているわけでありまして、中谷大臣の指示の下に分析、研究を行っているわけでありますし、ここに書いてあるのは、いわば法律ができた時に検討する項目が書いてあって、そしてその検討に向けて分析、研究するのは、至極当たり前のことではないかと、このように思うところでございます。

小池晃共産党

いま総理が示された文書、その中身、国会で一度も説明してないんですよ?それが自衛隊の中では議論されてるわけですよ?しかもシビリアンコントロールだ、大臣の指示の下にって言うけど、大臣は指示した結果を3ヶ月間知らなかったと言ってるじゃないですか?丸投げじゃないですか?こういうのは指示とは言わないんですよ。これを暴走と言わずして何を暴走と言うんですか?暴走以外に何ものでもない。

わたくし、中谷大臣の責任はきわめて重大だと、そして総理もこれを全面的に認めたその責任、重大だと思います。

内部文書の作成に責任を持っている河野克俊統合幕僚長、当委員会に証人喚問を求めます。委員長、いかがですか。


改めて、この内部文書で、今度の法案が『憲法違反』の『戦争法案』であるということがきわめてはっきりしたというふうに思います。廃案しかない、ということを申し上げて質問を終わります。

安倍内閣総理大臣、中谷防衛大臣小池晃共産党