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聞文読報

聞こえる言葉を文字に起こし、目で聴く読み物に変えて発信します。

8月24日 小川敏夫(民主党・新緑風会)の質疑(全文) 参議院『予算委員会』

※平成27年8月24日、参議院予算委員会』より

アベノミクスについて

小川敏夫民主党・新緑風会

民主党・新緑風会小川敏夫です。

これまでたびたび、安倍総理には、アベノミクスについて、破綻するんではないかという観点から質問させていただきましたが、いよいよ、その兆候がはっきりと表れてまいりました。

直近の勤労者の賃金統計。

いちばん新しい統計調査では、今年の6月、実質で3%下がりました。昨年の6月は3.6%下がっております。これは、3%下がってる水準が、そのまま維持されているというのではなくて、昨年3.6%下がった、その下がった水準から今年はまた、さらに3%下がったと、こういうことになるわけであります。一昨年は0.1%下がりました。

安倍政権が発足してから、今年の6月、6月を見てみますと、実に、勤労者の賃金、92.5%になっている。すなわち7.5%程度も実質賃金が下がっておるわけです。国民の過半を占める勤労者のこの生活が苦しくなっている。この状況について総理はどうお考えですか。

安倍内閣総理大臣

政権交代後、3本の矢の政策によって、デフレではないという状況を、わたしたちは創り出すことができました。

GDPでは、実質2.2%、名目では5.8%、27.6兆円増加をしました。株価は、約2倍に上昇し、国民の皆さんの年金資産にも40兆円近い運用益が見込まれておりますし、企業の状況は、中小企業を含め改善をし、営業利益は過去最高水準となり、倒産件数は、政権交代前に比べて2割減少し、24年ぶりの1万件を下回っているわけであります。

雇用においても、所得環境についても、同様でありまして、有効求人倍率は23年ぶりの高水準でありますし、雇用者数は100万人以上増加をし、昨年に続き今年も、賃上げ率が2%を超え、17年ぶりの高水準であります。着実に改善をしている、雇用も、所得環境も、着実に改善をしているといってもいいと思います。

雇用者の所得の合計、総雇用者所得。これは国民みんなの稼ぎでありますが、名目ではこの2年間、増加傾向でありまして、実質でも、消費税率引き上げの影響を除けば、昨年12月以降、本年5月まで、6ヶ月連続でプラスであります。

このようにデフレ脱却、経済再生に向けた取り組みは、全体として、着実に前進をしていると考えております。

6月についてでありますが、6月はマイナスとなりましたが、これは、相対的にボーナスの支給額が大きい30人以上の事業者において、6月に支給した事業所の割合が、前年に比べて低くなったことにより、ひとり当たり、平均賃金がマイナスになったことによるものでありまして、仮に、この割合が昨年と同水準だったとすると、名目・実質ともに+1.7%になると推定されるわけでございまして、今後ともしっかりと、この3本の矢の政策を前に進めていくことによって、国民の皆さまにさらに、実感をしていただけるように努力をしていきたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

限られてた質問時間ですので、答弁は簡潔にお願いいたします。

「7月が昨年と同水準なら」というようなことで、7月には回復するというふうに言いましたけど、「昨年と同水準だったら」という前提そのものが、何の裏づけもない話ででして、現実に下がってるわけですから、かつて総理が使った言葉を言わしてもらえば、「出てる結果がすべてじゃないか」ということですよ。

都合のいい数字だけをつまみ食いして、そしてあたかもうまくいってるかのように説明する、そういう雰囲気を作るということ、それについては、たいへん総理はお上手でありますけども、しかし、現実には勤労者の実質賃金が、平成25年5月から今年の6月まで26ヶ月間、ただの一度も上がってないんです。0という月が一ヶ月だけあっただけで。

つまり、勤労者の平均。これは比較的恵まれた方は上がってるかもしれない。しかし、そういう上がってる方も含めて、平均したら下がってんだから、恵まれない環境の方は平均以上に下がってるだけで、総理のアベノミクス、わたくしは結局、アベノミクスを始めた時もただお金を流すだけ、何の具体性もないただのマジックじゃないかと、アベノマジックじゃないかとこういうふうに言わしていただきましたけど、ますますアベノミクスの仮面が剥がれてきたように思います。

貿易収支、GDP。これも前四半期ごと、総理は、円安になって輸出がどんどん増えるから、どんどん日本は豊かになるよということでしたけども、総理の政権になってから、第二次政権になってから、四半期ごとに、ただの一度も貿易黒字はありません。単月では一度だけありました。すなわち、日本は総理の説明のとおり、貿易、輸出がどんどん増えて黒字になって日本が豊かになるよとは、反対の現象になっておるわけであります。GDPもマイナスになりました。

たとえば総理、民主党政権時代は、平成22年、+3.5%でした。23年は大震災という未曾有の災害がありましたが、それでも+0.4%でありました。

アベノミクスではどうでしょう。平成25年度、失礼しました。平成26年度、昨年です。-0.9%です。今年の4、6ヶ月、これも0.4%でマイナスでした。

安倍総理は、消費税の影響ということを言っておられますけども、その消費税の影響がなくなった数字においてもマイナスになってんです。これはもう、アベノミクスが結局は中身がない経済政策、ただ単にお金を流すだけで、日本のこの構造を何も変えてないということだったと思います。

ところで、アベノミクスの象徴的な効果とされております、株価であります。株価について、今日はGPIFの理事長にお越しいただきました。昨年に、国内株式の運用比率を12%程度から25%程度に上げるということでありました。その結果、これまでにどの程度、株式を購入して、比率を、現在の、この国内株式の投資比率はどうなっているんでしょうか。

三谷理事長(年金積立金管理運用独立行政法人

お答えいたします。

わたしども、昨年度、平成26年度におきましては、国内株式について、約3兆9千億円購入しております。比率につきましては、国内株式の比率は、今年の3月末現在で、22%でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

3月以降も購入しておるわけですね?この点はどうですか?3月以降も、25%の比率に高めるために購入してるんじゃないですか?

三谷理事長(年金積立金管理運用独立行政法人

わたくしどもは、年金受給者のために積立金を運用しているわけでありまして、あまりこの、短期的な売買の中身をディスクローズいたしますと、これはこれでまた、市場にいろんな影響を与えますし、また我々の株式の購入等に対して、市場に先回りをされるということもございます。

したがって、今年の4月に入ってからの数字につきましては、ちょっと、この場でのお答えは差し控えさせていただたいと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

じゃあ、いつ公表するんですか?

三谷理事長(年金積立金管理運用独立行政法人

株式の比率につきましては、毎四半期ごとに公表させていただいております。また年間、年度間の購入額、株式の購入額、いわゆるリバランス額でありますが、これにつきましては年度を終わりましたところで、業務概況書という中で、公表さしていただいております。

小川敏夫民主党・新緑風会

四半期ごとに公表するということでした。今年の3月時点で22%になってる。では6月時点ではどうですか?

三谷理事長(年金積立金管理運用独立行政法人

4-6月の結果につきましては、いま準備中でございまして、これが出来次第、おそらく間違いなく、8月末までには公表できると思っておりますが、現時点では、ちょっと、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

日銀においても、ETFという形で国内の株式を購入してます。日銀総裁が就任して、現・日銀総裁が就任してから、どれだけのETFを購入してますか?

黒田東彦参考人 日本銀行 総裁)

2013年の4月に、いわゆる量的・質的金融緩和を導入いたしまして、その際、ETFの保有残高が、年間約1兆円に相当するペースで増加するよう、買い入れを行ってまいりました。また、昨年2014年10月の追加緩和以降は、年間約3兆円に相当するペースで増加するよう、買い入れを行っております。

なお、量的・質的緩和導入以前にも、ETFを約1.5兆円保有していたために、ETFの保有残高は、2015年7月末現在で、約5.6兆円となっております。

小川敏夫民主党・新緑風会

政府の方はいろんな説明されるでしょうけども、結局、日銀の株価が上がった、上がった、あるいは維持されてるといっても、こうした公的資金が、事実上、買い支えていると。実際の、このあるべき姿の株式形、株価形成ではないかたちで、この株価が高い方向に維持されてきたんではないかと、このようにわたくしは考えております。しかし、総理の答弁はいりません、違うことを言うでしょうから。

ところで、このアベノミクスを始める時、だから平成25年の2月に、このアベノミクスについて質疑をさせていただきました。

実はこの、アベノミクスの中身。日銀による、この国債買い入れによる金融緩和、これは安倍政権が初めて始めたかのような喧伝をされておりますけども、実質的には、民主党政権が平成22年10月から始め、平成24年2月からは物価目標1%という数字を掲げて開始したことでございます。

それを安倍政権になって、同じことをただ単に物価目標2%ということにして、2%を達成しなければ成功しないんだというお話でした。どうでしょう。しかし、2%は達成されておりません。この平成25年2月で、安倍総理は2%の目標について、このように厳しく言っておりますよ。

今回は明確に日本銀行に責任として責任が生じるんですよ。できるだけ早い時期に達成できなければ、日本銀行の責任なんです。

つまり物価目標2%を達成できなければ、日本銀行の責任なんだということですが、まったく達成できてません。総理は、2%目標を達成できない日本銀行の責任について、どうお考えですか。

安倍内閣総理大臣

わたくしが申し上げてる責任というのは、この時も説明をさしていただいておりますが、日本銀行に説明責任が生じるわけであります。

政府と日本銀行の間において取り交わした約束は、まさに日本銀行が2%という物価安定目標に向けて金融政策を実行していく。そして政府においては、財政再建の努力を進めていく。それを約束を交わしたわけでございます。

その中におきまして、原油価格が暴落をした中においては、当初の目標を達成できないということについては、これは、我々はやむをえないと考えているわけであります。

つまり、原油価格の暴落というのは、これはCPIに大きく影響するわけでございますが、同時に、経済にはプラスの影響を及ぼすわけでございます。その中においての目標達成が事実上、難しくなっているということについては、我々は日本銀行側の説明を理解をしていると、こういうことでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

総理は、民主党政権が行っていた1%物価目標の金融緩和は、失敗なんだと。2%でなければダメなんだといって始めたわけです。1%と2%の違いについて、ではもう一度、総理、説明してください。

安倍内閣総理大臣

1%という、申し訳ないんですけども、そういうやや弱々しい目標では、市場の空気を、我々は変える、その目標の設置自体では、市場の空気を変えることができないというのが、我々の考え方でありました。

その中で2%という目標を掲げ、そしてその2%に向けて、黒田総裁がしっかりとした金融的な手段を表明したことによって、市場の空気が大きく変わったのは事実なんですよ。

民主党政権時代の1%の目標というのは、何の変化も起こすことができなかったのは事実であります。これは、先ほど小川委員が言われたように、結果が示してるということではないかと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

1%の物価目標の金融緩和ではダメだと。でも、民主党時代に67兆円、金融緩和しておるわけです。その後、2%でなければダメだと。弱々しいというようなお話でしたけども、どうなんでしょうかね。2%というのが、結局はただ合理的な理由がない、要するにかけ声だけの、ムード作りの、まさにマジックだったんじゃないですか?わたくしはアベノマジックとして訴えさせていただきましたけど、結局2%を実現できてなくて、1%も実現できてないと。じゃあ、民主党の目標でよかったんじゃないかと、こうなるわけで、結局は安倍総理のご発言は中身がなかったんじゃないかと。

この同じ時に、総理はプライマリーバランスについて、27年に22年比半減、32年に黒字化すると。この財政問題にも、国の財政、厳しい財政についても、気を配ってるかのような約束をしました。27年に22年比、プライマリーバランスを半減すると、このように約束されたことは実現できてませんね?

甘利経済再生担当大臣

2015年に半減というのは、達成できる見込みです。そして、2020年にPB黒字化するという目標は、今、しっかり掲げて、それに向けての道筋をつくっているところです。

小川敏夫民主党・新緑風会

だから、できてないということですね。

このように言ってんですよ。財政の健全化について、プライマリーバランスの黒字化を目指していくと。2015年に’10年比の半減を目指していくと。ですからそれは達成できてないですねと言ってるわけです。

甘利経済再生担当大臣

できる見通しということを申し上げています。(2015年は)まだ終わってませんから、はい。

小川敏夫民主党・新緑風会

その、たとえばわたし、この春に、勤労者の賃金のことについて聞きました。4月になれば、消費税の影響が消えるから上がるだろうという楽観的な説明を聞いて、説明を受けて、まだ4月になってないもんですから、じゃあしょうがないなということで質疑を終わったわけですけども、しかし蓋あけてみれば4月5月、上がるわけじゃなくて、6月になったらどっと下がってると。ですから、まだ終わってない話を見通しですと言われても、じゃあ、いまは終わってない話だから、しょうがないことになるから、ここまでにしときましょう。

結局、株が、GPIFが107兆円買ってきた。日銀もなぜか株を買い増ししてると。アベノミクスを成功してるかのように、株価を維持するために、公的資金が出動してるんではないかと。このようにわたくしは考えて、想像しておりますけども、こうした声について、総理、ひと言いただけませんか。

安倍内閣総理大臣

金融緩和の政策的な手段においては、日本銀行が行うわけでありまして、それについて、政府がどうこう申し上げる立場にはないわけでありまして、わたしは、黒田総裁の、いわば手腕を、全面的に信頼をしているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

アベノミクス、経済の話はこれで終わりますけども、政治の責任は国民の生活を安定させることです、経済的にも。

しかし、国民の過半を占める勤労者の実質賃金が、6月を基準にすれば、アベノミクスが始まってから、7.5%も下がってるという、この客観的事実。ですから、街角に聞いても、生活はよくなってないという方が圧倒的に多い。これは政治の失敗以外の何ものでもないんだということ。そして、その責任はしっかりと、安倍総理にも取っていただきたい。このことを述べて、まずアベノミクスについての質問を終わります。

平和安全法制関連法案について

小川敏夫民主党・新緑風会

次に、政府が平和安全法制と呼んでいるこの法案のことです。いろいろ、法案も多いし、問題もたくさんあるんで、お訊ねしたいことはたくさんあって、おるんですけども、きょうはひとつ、やはりいちばん大きな集団的安全保障、存立危機事態。...失礼しました、集団的自衛権の問題についてお訊ねをします。

いわゆる存立危機事態。我が国と密接な関係を有する国に武力攻撃が生じて、我が国の存立が覆される。こうした時には存立危機事態として、総理は自衛隊に出動命令を発することができる。その出動命令としては、何を目的として、すなわち出動命令を受けた自衛隊は、どのような行動をとるのでしょうか。ご説明ください。

中谷防衛大臣

存立危機事態の認定におきましては、新たに〔新3要件〕ということで、3要件を満たすものでございまして、その際には、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃があって、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険があるもの。そして他に手段がなく、そして必要最小限度の場合において、政府として必要かどうかという認定を行うということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

どういうことをするのかというふうにお訊ねをしたんで、存立事態の、その要件を聞いたわけではありません。存立危機事態の要件を聞いたわけではありません。

質問すると一般論の解説から始まるんで、全然、質疑が噛み合わないんですけども、ですから法律を指摘しましょう。

この武力攻撃事態対処法、この条文を見ました。第3条4項です。「存立危機事態においては武力攻撃を排除しつつ」ですから、密接な国が攻撃を受けた、その受けてる攻撃を排除する、これが自衛隊の任務ですね?

中谷防衛大臣

そのとおりでございまして、存立危機武力攻撃事態ということで、存立危機をもたらしている武力攻撃、これを排除するということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

それで、ひとつ的を絞って、今度はテーマを絞りますけども、存立危機事態の際に、他国の領域に入るんですか、入らないんですか、こういうことについて質問させていただきました。総理は、いや個別的自衛権の時とまったく同じ解釈で、他国の領域には入らないんだというお話でした。ただ、どうもその説明では、説明つかないと思うんですよね。つまり、図を見てください。

個別的自衛権の場合には、この図の右側ですね。ある国が日本を武力攻撃してきた。それを排除するんだから、日本はそれを排除すればいいと、必要以上に敵国まで行くことないよということだから、他国に行く必要がないですよという説明は、すごくスムーズにわかる。

しかし、今度は集団的自衛権。存立危機事態の場合には、密接関係国に武力の攻撃がなされた。そして日本は密接関係国になされてる武力攻撃を排除する、これが任務です。密接関係国になされてる武力攻撃を排除するのに、密接関係国の、この領域に入れなくて、この排除行動ができるんですか?

安倍内閣総理大臣

存立危機事態においては、先ほど中谷大臣が答弁したように、存立危機事態における攻撃を排除するわけでございまして、いわば、たとえば隣国が米国を攻撃をする。隣国国内において、たとえばAという国と米国が戦闘状態になると。

しかしその後、A国からのミサイルの攻撃に警戒をしている米国の艦船に対するミサイル攻撃があった場合は、我が国のミサイル防衛の一翼を担いうる米国の艦船への攻撃であれば、3要件に該当する可能性がございますので、この艦船への攻撃、これは大体おそらく、公海上で行われると想定されるわけでありますが、その艦船への攻撃は阻止をするわけであります。

一方、今回はフルに集団的自衛権の行使を認めているわけではございませんので、たとえば、A国に我が国の自衛隊が行って、米国と共に戦って、A国に攻撃をすることはできない、ということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

だって法律は、密接関係国という他国が武力攻撃を受けてる。その受けてる武力攻撃を排除するのが自衛隊の任務なんです。日本の国内で武力攻撃が生じてるわけじゃないです。密接関係国に武力の攻撃が生じてる、それを排除するんだったら、密接関係国に行かなきゃ排除できないじゃないですか、とわたしは聞いてるわけです。ですから、密接関係国という他国の領域に入って、他国の領域において自衛隊は武力の行使をするんではないですかと聞いてるわけです。

安倍内閣総理大臣

それは、他国の領域に入っていって大規模な空爆を行ったり砲撃を行う、そうした武力行使を目的として、自衛隊を派遣すると。これは海外派兵に当たることであって、3要件にある「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」、これを、これから出ると、これに反するということに、明確になるわけであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

総理の説明の、この論点ごまかしのポイントはいまの説明でも2つありました。

まずわたくしは、存立危機事態についてお訊ねしてるわけです。しかし、まず総理は一般にという言葉をつけて、存立危機事態とはかかわらず、自衛隊の海外派兵というものは一般に禁止されてるんだと。まさに存立危機事態とか、あるいは武力攻撃事態ということを抜きにして、一般に自衛隊が武力を持って海外に戦争をしに行くということに話をすり替えて、そういうことは禁止されてるから行かないと言って、話のすり替えがある。

それからもうひとつ、存立危機事態に当たった場合の武力行使を聞いてんのに、存立危機事態に当たる場合がないかのような、なんか、論理がおかしい論理を言っていらっしゃる。

すなわち、存立危機事態にあたって、必要最小限度の範囲内で武力の行使をできると書いてあるから、そのできる攻撃について、密接関係国の領域に行くんじゃないですかとお訊ねしてるわけですけども、すでに必要最小限度という枠は、もう当然の前提で議論をしてんのに、総理はそこで、いや必要最小限度の範囲を越えるからとか、やれ空爆がどうのとか、要件をずらして答弁をされてる。結局、わたくしの質問には何にも答えてない。あるいは間違った答えをしている。

だって、どう考えたって武力攻撃が密接関係国に加えられてんですよ。それを排除するのが自衛隊の任務ですよ。排除するためには密接関係国の中に行かなきゃ排除できないじゃないですか?もちろん、限られた例においてですよ。

たとえば、密接関係国にミサイルが飛んでいる。そのミサイルを公海上で撃ち落とす。それもこの集団的自衛権の行使だというんだったら、そういう例はあるかもしれない。でも、そういう例がすべてじゃないんで。

法律というのは、密接関係国に加えられてる武力攻撃を排除するために、自衛隊は密接関係国の領域に入るということが、むしろ当然のことだと思うんですが、それを総理は違うと言う。法律とまったく合わない説明をされているわけですよね。

総理、総理はいま、アメリカという特定の国を出して説明をされました。米国の艦船と言って、船の話をされました。あたかも存立危機事態が、そういう事態のことだけを想定してるかのように、誤った方向で説明をしようとしてる。

では、アメリカではなくて、韓国だったらどうするんですか。韓国に隣国が、地上軍がどっと侵入してきた、武力攻撃で入ってきた。もし仮に、韓国が密接関係国であったら、入ってる、現に起きてるこの武力攻撃は、地上軍がどっと侵入してるわけですよ、隣国から。それを排除するためには、自衛隊は韓国に行かなきゃしょうがないじゃないですか。法律上、そうなりますよね?どうですか、総理。

安倍内閣総理大臣

法律上はそうなりません。

それは、それはこれから説明いたしますが、〔新3要件〕であります。〔新3要件〕をよく見ていただければ、これは自明の理でございまして、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、「これにより」、「これにより」ですね。我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。そして必要最小限度の実力行使にとどまるべきことと、こうあるわけでございます。

先ほど、わたくしは「一般に」と言った。「一般に」というと、武力攻撃事態や存立危機事態が、まさに別であるかのようにおっしゃったんですが、「一般に」の中に、存立危機事態も、武力攻撃事態も、もちろん入ります。これも含めた上において、いわば3要件の中に「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」と、こうあるんですから、これは存立危機事態であろうと、武力攻撃事態であろうと同じことでありまして、憲法の要請によるわけでありまして、海外に自衛隊を、武力行使を目的として派遣する海外派兵は、これを越えていくもの、一般に越えていくものであるから、禁止されているということは変わりがないわけであります。

そこで、そこでですね、そこで今回の我々の容認したものは、まさに先ほど中谷大臣が答弁したように、存立危機武力攻撃を、これ排除するわけであります。存立危機武力攻撃を排除するということは、たとえばいま、K国という名前をあげられました。そうすると、AとKの関係において、それはA国の領土の中で行われている、あるいはK国の領土の中で行われているところに、自衛隊を派遣するということは、これはいま申し上げましたように、一般に禁じられている海外派兵に当たるわけですから、できない。

さらには、それはすなわち、存立危機武力攻撃ではないと考えうるわけでありまして、それはまさに、我が国の存立にかかわるかどうかという、そのもの。そして国民の生命や自由、幸福追求の権利が根底から覆されるということにかかわってくるかどうか、ということの認定の中においては、いま小川さんがあげられたように、領土に自衛隊を送って、その相手国を殲滅するために攻撃を加える、これは第3要件にももちろん、第3要件を越えていくわけでありますが、第1要件にも当てはまらないと、このように考えるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

なんかあの、総理の説明で、与党の方からよくわかったというような声が飛び交いましたけど、まったくわかってないということですよね。

法制局長官、お越しですね。あの、基本的なことをお訊ねしますけども、個別的自衛権の場合、攻撃を加えてる国に、必要最小限度の範囲を越えるから攻撃はしないというのが一般の解釈ですけども、しかし、これまでの政府の解釈において、攻撃を加えてる国が、ミサイルを我が国にどんどん撃ち込んでくるというような場合に、座して死を待つというのが憲法の精神ではないから、そういう場合には、その敵国のミサイル発射基地、これを攻撃することも憲法上許されるんだと、このような解釈でありましたね?

横畠内閣法制局長官

ご指摘のとおりでございまして、我が国に対する武力攻撃が発生してる場合でございますけれども、その場合ですら、我が国の安全を本当に確保しよう、十全に確保しようとするならば、まさにその、攻撃国を攻撃する。あるいはその、他国を通ってくるならば、その他国において攻撃するというようなことも、それは我が国の安全を十全に確保しようとするならば、軍事的には合理的、あるいは適当という、国際法上は可能ということだったかもしれませんけれども、憲法上の制約というのがございまして、それは、まさにその、爆撃機が飛んでくるならば、飛んできたものを撃ち落とせばいい。しかしながら弾道弾、ミサイルですけども、ミサイルが次々、我が国に到達するという時には、その発射基地を叩く以外に国民を守る方法がまったく無いと、そういう極めて例外的な場合に限っては、他国における、その武力の行使、自衛権の発動ということも排除はされない。そういう意味で、極めて例外的な場合として、他国における武力の発動ということも、否定はされないということをお答えしてきているわけでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

ですからそれは、事態に応じ合理的にあると。ですから、非常に我が国に対する危険度が迫ってると、そして他に方法がない、もうミサイルは飛んでくる、その基地を攻撃しなければならないというような事態であれば、そういう事態に応じて行使できると。まさに、事態に応じた、応じた、対応ができるわけです。憲法上、許されてるんです。

ところで、先ほどの質問に戻りますが、K国ということでありました。総理の説明、聞いてますと、そもそもK国が外国から攻撃を受けて、外国軍が侵入しても、日本の存立危機事態に当たることはないという趣旨のお話でした。

もう一度確認します。

総理のお話はとにかく、わたくしが、韓国に隣国から地上軍が来た場合にどうするんですか、自衛隊が、という話をした時に、総理の答弁のいちばん最初は、この存立危機事態は、我が国の存立を覆す、そうした事態があることを云々かんぬんということを非常に説明されました。ですから確認します。

韓国でどのような事態が生じても、それは日本の存立の危機事態に当たることはない。すなわち、密接な関係を有する国の中で韓国は除外されてる。こういうふうに総理は言いたいんですか?

安倍内閣総理大臣

3要件に当たるか、当たらないかであります。先ほどの小川委員の想定において、我が国が、我が国に危機が及んでいない中において、我々がいきなり、自衛隊をその国の領土に派遣するということについては、第1条件に当てはまらないし、また、そもそも第3要件の必要最小限度を超えるものであると、このように考えているわけであります。

いずれにいたしましても、3要件のひとつに当たらなければ、これはできない。どれかひとつに当てはまらなければ、これはできないわけでございます。そのことに申し上げまして、そのことで申し上げれば、先ほど来、申し上げましたように、法制局長官から答弁をしておりますのも、極めて例外的に、座して死を待つべきじゃないということで、申し上げているわけでありまして、一般には、海外派兵は憲法で禁じられているということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

まったくわたしの質問に答えてないです。

密接関係国、存立危機事態の要件のひとつの密接関係国について、アメリカという国が、当然、入るということで、これまで総理は答弁されてます。

法律は、アメリカ合衆国だけとは書いてません。密接な関係を有する国と書いてあります。ですから、わたしはまず質問の前提として、議論の前提として、韓国は密接関係国から除外されるんですか、法律上、排除されるんですか、それとも排除されてないんですかということを聞いてるわけです。

安倍内閣総理大臣

それは排除されておりません。

小川敏夫民主党・新緑風会

排除されてないわけです。

次に聞きます。では韓国に何らかの事態が生じた。韓国が他国から武力の攻撃を受けたと。地上軍が進入してきた、攻撃を受けたという場合に、起きた事態は限定しなくてもいいです。韓国に何らかの、韓国が何らかの武力攻撃を受けた事態が生じた場合に、日本の存立危機事態に当たるということはありえない話なんですか?ありうることなんですか?この法律上、どうですか?

安倍内閣総理大臣

それはですね、それはさまざまな事態において、3要件に当てはまるかどうか、それは総合的に常に判断する、これは韓国であろうと、どこであろうと、それを常にそのように判断するというのは、これはもう、最初から繰り返しご説明をしてきているとおりでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

あのね、ですから、法律は隣国の韓国のおいて生じた事態が、いかなる事態が生じようとも、存立危機事態にはならないということはなってないんで、排除してないと。

ですから、起こる事態によっては、韓国が密接な関係国であって、そして、起こる事態によっては日本の存立危機事態になるというふうに、当たりうる事態があるわけですね?そこまでは総理、認めていらっしゃる。

では、そうした事態が起きた時に、日本は、密接関係国である韓国に自衛隊を派遣することが、法律上、できるのか、できないのかを聞いてるわけです。

安倍内閣総理大臣

これも先ほど来、申し上げているように、韓国の領土・領海・領空に自衛隊を派遣をして、武力攻撃を目的として派遣することは、これは必要最小限度を超えるものとして、一般に海外派兵は禁じられているということで、ご理解をいただきたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

なんか、総理の一般的な気持ちを述べてるのか、なんか、わたくしの質問とは関係ない理屈を述べてるのか、まったくわかりません。わたくしの質問に答えていません。

この法律においては、いいですか?韓国は密接関係国となりうる。そして韓国において生じた事態が存立危機事態にもなりうる。だから聞いてるんです。

その場合には、武力攻撃を排除しつつ、韓国において生じてる武力攻撃を排除するということが、自衛隊の行動なんですよ。そして、その武力の行使は、事態に応じた程度で合理的に必要とされる範囲で行動できると、行使できるといってる。ですから、この法律においては、韓国において生じた存立危機事態、武力攻撃において生じた存立危機事態において、日本の自衛隊が韓国の領土の、領海内、領空内に入って、武力攻撃を排除するということが、この法律上、法律上、禁止されていますか?それとも法律においては、明文で禁止はされていない。法律の解釈として、どちらですか?

安倍内閣総理大臣

我々が排除する武力攻撃は、存立危機事態武力攻撃であって、武力攻撃全般を申し上げている訳ではないわけでありまして、それはつまり、昨年の閣議決定において、集団的自衛権全般を認めたのであれば、武力攻撃全般を排除することになるわけでありますが、我々が認めているのは3要件に対応できる、3要件に当てはまる武力攻撃であるということでございます。

それはつまり、また、先ほど申し上げましたように、いまのご質問にお答えをすれば、繰り返し申し上げておりますように、武力攻撃を目的に自衛隊を海外に派遣する海外派兵は、一般に憲法で禁じられている。これは法制局長官も答弁しているとおりであって、憲法に禁じられている行為は、当然、この法律においてもできないということでございます。


先ほどお答えしたとおりなんですが、この〔新3要件〕については、自衛隊法第88条2項において、「事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えてはならないものとする」という規定がございます。それはそのまま維持をされているわけでございまして、これは個別的自衛権においても、いわば〔旧3要件〕の必要最小限度を意味しているものでありまして、これは今回の〔新3要件〕を意味しているものでありますから、先ほどわたくしが答弁したとおりでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

総理の答弁はわたくしの質問の趣旨をかわして、関係ないことを言ってるだけなんですよ。

わたくしは、存立危機事態になる、存立危機事態を招いた武力攻撃を排除すると、それができるかどうかを聞いてるのに、総理は、存立危機事態を排除することを超えた武力の攻撃はできないと言っている。存立危機事態を排除する程度を越えたことなんかわたしは聞いていませんよ。存立危機事態を招いている武力攻撃を排除すると法律に書いてあるから、わたくしは存立危機事態を招いた武力攻撃を排除するということを聞いてるわけです。

それなのに総理は、存立危機事態を招いた武力攻撃とはなんか別のことを、存立危機を招いてる攻撃以外のこと、たとえば、その敵国を攻撃するとか、そういうことについて答えてるんで、わたくしの質問には何も答えてませんよ。

それから、国際法の例とかなんとか言いましたけど、法制局長官も言ったじゃないですか、憲法上、その事態に応じて必要であれば、座して死を待つことないから、敵国に対して攻撃できると言ったじゃないですか、事態に応じて。

つまり、総理は先ほど2つのことをわたしの質問に対して、存立攻撃事態を招いた武力攻撃、これが韓国で生じてる場合に、その武力攻撃を排除するために我が国の自衛隊は防衛出動として密接な関係国である、その韓国で武力の行使をすることが、この法律上、できますよ。できることになってんだから。わたくしはできますねと聞いてるわけです。もう一度答えてください、この法律上、できるのか、できないのか。

安倍内閣総理大臣

できないということを申し上げます。

第3要件については、自衛隊法第88条2項において、「事態に応じ、合理的に必要と判断される限度を超えてはならないものとする」との規定を、そのまま維持をしているわけでありまして、先ほど答弁したとおりでございます。

また、事態対処法第3条第3項には、「武力攻撃が発生した場合において、これを排除するにあたっては、武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならない」と規定されるほか、今般、同条第4項において、「存立危機武力攻撃を排除するにあたっては、武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならない」と、こう書いてあるわけでありまして、武力攻撃一般をいっているのではなくて、存立危機武力攻撃を排除するにあたってはと、これは法律の中で述べているとおりでありまして、ですから先ほどわたくしが申し上げたとおりでありまして、集団的自衛権すべてを認めるのであれば、すべてを認めるのであれば、いわば武力攻撃すべてを排除するということになるわけでありますが、今回は…

すいません、少し静粛にしていただけますか?静粛に。静粛にしていただけないと答えられないのですが、よろしいでしょうか。

これはつまり武力攻撃全般をいってるのではなくて、まさに存立危機武力攻撃というこれは、この法律は建て付けになっているわけでありまして、それを排除することが、まさに我々が今回、限定した集団的自衛権の行使にあたるわけでございます。

そして先ほども申し上げましたように、個別的自衛権であったとしても、法制局長官が答弁したように、一般には海外派兵は禁じられているわけでありまして、それはこの集団的自衛権にあたりましても、同じことであるということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

今度の法律では、密接関係国で韓国は排除されない。そして存立危機事態。ペルシャ湾で機雷が敷設されて石油が来なければ、存立危機事態になるということがありうるというんだから、朝鮮半島有事の場合には、我が国の存立危機事態に当たるということもありえるでしょう。であれば、武力攻撃を排除すると。排除するために合理的に必要とされる範囲で、自衛隊は密接関係国に行って、武力の行使をできる。まさにそれが、今回のこの法律の解釈じゃないですか。そして、総理は違うといってわけのわかんない理屈を言うけど、しかし法律にはできないと書いてないんで、要件にあたるんだからできるということですよね?

総理は集団的自衛権について、まさに法律の内容を、具体的、的確に説明しないで、あたかも危険がないような、そして世界のためになるような行動であるかのように言っている。

総理がフジテレビで発言されました。アメリカで火事が起きたら、その火を消すんだ、公道から火を消すのが、たとえば集団的自衛権だと。

でも、消火活動は武力の行使じゃありません。武力の行使をすれば、相手から武力の行使を受けるんです。消火活動は相手からの攻撃は受けません。集団的自衛権の行使の例ではないものを取り上げて、国民の皆さんに対し、これが集団的自衛権ですと言っている。しかも総理は公道から放水して、水をアメリカの中に、アメリカの国に入れてるじゃないですか。武器、弾薬をアメリカの国の中に撃ち込んでるということですよ、たとえれば。すなわち総理の説明だって、足がアメリカの範囲に入んないけど、武力の攻撃はアメリカの国にやるんだということになるじゃないですか、水がアメリカの中に入るんだから。

まさに国民がこの法律をわからないと言ってる。わからないと言ってるのは、総理が法律の中身を正しく説明をしないで、これだけの危険な法律をあたかも安全であるかのような、有益な法律であるかのように間違った説明をしてるから、国民がよくわからない。

最後に一点。この法案に対して国民が多くの声を上げ、国会周辺でも集会をしている。過剰な警備がされてるという声が強い。その点をついて公安委員長でも、しっかりと対応していただくように述べて、わたくしの質問を終わります。

発言者:安倍晋三内閣総理大臣)、中谷元防衛大臣)、甘利明(経済再生担当大臣)、横畠裕介(内閣法制局長官)、三谷隆博(年金積立金管理運用独立行政法人理事長)、黒田東彦参考人 日本銀行総裁)、小川敏夫民主党・新緑風会