※平成27年9月18日、『国会内』より
記者会見
お集まりいただきましてありがとうございます。日本共産党・副委員長の小池晃です。参議院議員です。昨日の深夜の出来事だったんで、あまりメディアの皆さんに説明する機会がなかったんで、こういう場を設けさせていただきました。
昨日の参議院・本会議における自由民主党の江島潔議員の発言の中に、重大な問題がありました。いま、お配りしておりますのが速記録でありますけれども、この間の参議院の審議の中で、わたしは『海上自衛隊の幕僚部の内部資料』、それから『統合幕僚部の内部資料』、仁比聡平議員が『統合幕僚長の訪米時の会談記録』、これを示して、政府に、まさに自衛隊の独走状態、米軍と一体となった独走、この法案の根本がやはり、米軍と肩を並べて海外で戦争をする国づくりではないかという、そういう問題を、こう、突きつけて追及したわけでの。
そのことに関してこともあろうに、この江島議員の発言の中で何を言っているかというと、その情報の入手手段について、問題だと。「どのように情報が流出したか、情報を渡した側はもちろん、手に入れた側にも、違法行為がなかったのか、しっかり調査をしていただきたい。」というふうに言っています、三段目の下の方ですが。から、その続き。「また国会の場で情報を開示した議員におかれては、情報の入手方法を明らかにしていただきたい。まさか違法な手段ではないとは思いますが、どのように入手したかをオープンにし、説明責任を果たしていただきたい。」と、こう言ってるわけですね。
これ念のために申し上げておきますけども、わたしどもが示した『内部資料』。これは、秘密指定された文書ではありません。これ当然、国会と国民に対して開示すべき資料であります。国会議員がこれを示せと言われれば、出さなければいけない性格の文書であるし、もし情報公開、市民の皆さんがすれば、これ開示しなければいけない、そういう資料なのね。
ですから実際に、わたしどものこの指摘に対して、防衛省も、海上自衛隊の幕僚部の資料は示しましたし、統合幕僚部の資料も、これは本物だと認めて、開示、国会に提出したわけですよ。その秘密資料でもなんでもないものを、こう、向こうも開示したものを、これを入手した手段が問題であると、「違法行為」という言葉まで使って、この疑問を投げかけたってのは、これ極めて重大だと。
問題としては、やっぱひとつは、公党の政治活動に対する、重大な誹謗中傷であるというふうに言わざるを得ない、というふうに思っています。同時に、「国会の場で情報を開示した議員」っていうのは、これはいってみれば、わたくし小池と、それから仁比聡平・参議院議員だと思いますが、「情報の入手手段を明らかにしろ」、これ「説明責任を果たせ」というようなことを言ってるわけで、議員個人の政治活動について、こういったかたちでもう、「違法ではないか」ということをちらつかせて、これは結局ですね、防衛省、政府の側で、これをその、「調査せよ」と言ってるに等しいわけでありまして、これはまぁ議員の個人の国会の、その質問権に対する重大な挑戦であり、質問権封殺、国会での政治活動に対する弾圧、戦前の特高警察並みのものだというふうに言わざるを得ないんじゃないか、というふうに思います。
ですからこの問題は、昨日の本会議議場でも、わたしども、この発言あった直後から大問題にいたしましたし、断続的に議運の場でもね、協議が行われていて、おりますけれども、これはわたしどもとしては、この発言全体について、謝罪し、そして撤回をするということなしには、これはこれ以上、進めないと。いまも、議運の理事会が開催をされておりますけれども、わたしどもの方からは、この問題、解決することなしに、次の本会議の開会は許されないということを、主張することになっております。
これは今の政権与党・自民党、このやっぱ横暴ぶり、そしてやはりその、政府が、その公式に、政府の方から進んで公表した資料でなければ、いわば国会では使ってはいけない、国会議員が、その政府が、中で検討してるものを、こう、いわば我々の独自の取材によって、掴んで、それを追及するってのは、国会議員の基本的な行政をチェックする役割だというふうに思ってるんですが、そういう役割を、自ら国会議員自体が否定するという、国会議員の存在意義を自ら否定するような発言ではないかというふうに思っておりますので、これは徹底的に問題にしていきたいと、そのように考えています。
ちなみに2つの文書については、政府の方は認めておりますけれども、統合幕僚長の訪米記録については、「同一の文書は存在しないが、同一の題名のものは存在する」という、わけのわからない説明をいまだにして、そのことについての解明も、統幕長の国会召致も実現しない中で強行したということで、こちらの方は、真実に蓋をする姿勢であるということもあわせて、批判をしていきたいというふうに思ってます。
わたしの方からは以上ですけども、これはほんとに、共産党に対する誹謗中傷ということだけではなくて、やはり国会議員の、国会でのその、議員活動に対する、ほんとに許しがたい発言であるということを是非、強調したいなというふうに思います。こんなことやったら国会の自殺行為です。わたしの方からは以上です。
マイニチ(以降、音声不明瞭)
議運の場ですでに、いま問題にしてるっていうことなんですが、本人への謝罪と撤回っていうのは、その議運の場のみで求めていく…
小池晃
いや、それでは済みません。これは、本人の発言ではないです。単なるなんか一般的な発言ではないです。自由民主党を代表しての討論というふうに、明確に言ってやってるわけですから、これはもちろん個人の謝罪も当然、求めることになると思いますが、やはり政党としてこれは、きちっとした対応をとるべきだというふうに思いますし、どの場で、どういうかたちでやるかは、それは、これからの協議によって決まっていくと思いますけど、我々としては、公党として、この問題をきちっと自民党が責任をもった対応をするべきだというふうに思ってます。
朝日新聞(タカハシ)
いまのに関連して、その「撤回されない場合は前に進めない」という表現をされていますが、具体的に本会議を欠席したりとか、そういう対応というのはいかがでしょうか。
小池晃
それはもう、とにかくこのことを求めていくということになります。我々はこの間も、幾度となくいろんな場で強調しているように、やはり議員としての質問権、討論権、行使して、戦っていくという基本姿勢に変わりありませんから。
ただやっぱりこの問題については、わたしは、ただ単に一党派の問題ではなくて、やっぱり国会の存在そのもの、議員のやっぱり活動そのものに対する、許しがたい挑戦であるっていうことをやっぱり、各会派は重く受けとめるべきだというふうに思ってますし、実際に野党の中からはもう、これは許さないという発言が出てますし、自民党の中でもいろんなレベルで、これはやっぱりまずいという発言は我々にも届いておりますので、なんらかの対応は必ずされるものと信じてます。