聞文読報

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9月18日 宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長) 東京2020エンブレム 選考に向けた準備会後の議事説明に関する記者会見・質疑応答(全文) 『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』

※2015年9月18日、『東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会』より

東京2020エンブレム選考に向けた準備会・名簿

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

杉山愛 (スポーツコメンテーター/元プロテニス選手)

但木敬一(弁護士/元検事総長

夏野剛慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特別招聘教授)

マリ・クリスティーヌ(異文化コミュニケーター)

山本浩 (法政大学スポーツ健康学部 教授/元NHKアナウンサー)

記者会見

氏名不詳(組織委/役職不詳)

お待たせしました。それでは会見を始めます。まず最初に、宮田座長より、ひと言、ご報告申し上げます。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

皆さま、ありがとうございます。よろしくお願いします。

たいへん活発なご意見、期待をもったご発言、等々がございましたもんですから、少し遅くなって申し訳ございませんでした。たいへん重要なことですので、メモを書かしていただきましたので、まず、そのメモを読ましていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

第1回「東京2020エンブレム選考に向けた準備会」の発言として、座長をしております、東京藝大の宮田でございます。よろしくお願いいたします。

第1回の準備会につきましての概要をお知らせいたします。昨日の9月16日に、メンバーについてもお知らせしたところでございますが、メンバーの皆さんに、初めてお集まりいただきました。

本日は初めての会でもありますので、事務局より、本準備会の役割とスケジュール、それから前回のエンブレムの経緯と反省点、そしてエンブレム委員会の人選の考え方、などについて、事務局より説明がございました。そしてそのあと、それぞれの先生方から活発なご意見を頂戴いたしました。

1つ目の、本準備会の役割とスケジュールにつきましては、なるべく早くエンブレムを策定するために、早急にエンブレムの委員会、きょうやってるのは準備会でございますので、委員会を設置する必要があり、直近の9月の28日の理事会に持っていくべき、「エンブレムの委員会・委員の候補者リスト」、「新エンブレム選考において踏まえるべき重要なポイントの案」をまとめることを目指したいと思っております。

そのためには、日程的にたいへん厳しいんですが、理事会に向けて、第2回を祝日であります9月の21日、第3回を9月の24日、21日は月曜日、24日は木曜日に開催することになりました。

2つ目の、前回のエンブレムの経緯についてでございますが、事務局から応募、審査、審査後の修正、それぞれの経緯、またそれぞれの反省点について、報告があったところでございます。

具体的には、応募要綱については、「幅広い方々の参加できる仕組みにすべきだった」。審査員の選任につきましては、「多様な意見を反省できる人選にすべきであった」。審査過程については、「秘密性を重視しすぎたために、説明や情報発信などの透明性が不足していた」と。これらのことを反省点として示されました。

これを受けてメンバーから、先ほど申し上げた方から、

  • 国民的行事という意識に欠けていたのではないか。

  • 単にデザインの観点から選ぶのではなく、国民が受け入れ、そして共有できるものとすることが必要である。

  • 東京のよさや、スポーツのちからを表現し、みんなを元気にさせるスポーツの祭典というイメージを忘れずに検討していくべきではないか。

  • 若い世代が、ITを通じて情報を収集・発信しておりますので、そのことをしっかりと認識して進めていくことが大切である。

  • 透明性を明らかにすること、それから機密性を守るということが、バランスがたいへん難しい。だけどそのことはとても重要なことである。

  • 明らかにできるところはしっかりと明らかにしていって、透明性を高める。そのことを常に考えながら進めていきたい。

などの意見が出たところで、国民を、なんといっても国民の賛同を得られる、「全員参加である」という意識というものを共有した進め方をしていきましょうということであります。そして常に原点の、エンブレムとは何かということを考えて進めていかなければならないということでございます。

3つ目の、エンブレム委員会の人選の考え方でございますが、今後は具体的な人選に際して、デザイナー等のデザイン関係者は、専門的な審査において必要ではありますが、それ以外に、オリンピア、パラリンピア等、スポーツ界や、法曹界、経済界、IT関係、芸能関係など、幅広い方々をお集まりいただいて、この会を設立し、素晴らしいエンブレムにもっていくという関係にしていきたいというようなことを議論いたしました。

概要は以上でありますが、本日は初回で各メンバーから活発な意見が出て、有意義な意見交換が行われました。会議の冒頭の挨拶でも、わたくし申しましたが、東京オリンピックパラリンピックが日本全国で盛り上がるために、できるだけたくさんの方に参画をいただきながら、国民に愛され、そして、ときめきを共有できるエンブレムを作ることを目指していくように、努力してまいりたいと思いますし、これが歴史に残る、そういうものでありたいというふうに思っております。

振り返るならば、1936年になりますが、わたくしが小学生の時に教科書の中に出ておりました。西田修平、大江季雄。たしか棒高跳びで、銀メダルと銅メダルをふたりで分けて、2つを合わせたメダルを作って、彼らは日本に持ち帰ったと。つまり、日没になり、もう棒高跳びの競技ができなくなったと。そして、ただしその時の友情を深めるために、そういうメダルになったというふうなことを、わたくしはまだ、いまだに鮮明に覚えております。その映像も、たしかニュースで見たような気がしますね。映画で、映画ニュースでしたかね。もう、寒い時です。8月なんですがベルリン、11℃という寒さだったような気がします。その中でもがんばった、大江さんと西田さんのお話などもございましたように、これはあくまでもメダルの話ですけれども、エンブレムも、いろんな意味で誇れるものになっていけたらと、かように思っております。

これが今日までの経緯並びに反省点、そして同時に委員の先生方、準備委員の先生方のご発言を、きょうは発表させたいただきました。

ありがとうございました。

質疑応答

日本テレビ(クノムラ)

次に選ぶ委員なんですけれども、人数とか、人数的な希望感でいうと、何人ぐらいを想定されているのかというところと、この準備会も、幅広い分野から人を集めてらっしゃると思うんですけれども、その準備会と選考委員の差別化という意味では、仕事の住み分けという意味では、どういうふうに考えていらっしゃるのかということを…

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

まず、第1番目の総体数人数でございますが、いまの予定ですが、15名から20名を想定しております。

それから、準備会はあくまでも委員会の準備をするというのを目的としておりますので、そして準備会のメンバーは、そのまま委員会のメンバーにもなります。ですから、準備会のメンバープラスアルファということで、15から20というふうにし、また、準備会のメンバーが上の下のということはございません。はい。よろしゅうございますか。ありがとうございます。

NHK(コセ)

準備会の役割のひとつに、今回の問題点の検証ということがあると思うんですけれど、それのたとえば報告なり、報告書なり、どういう形で示されるのか。その示す時期というのは、拙速にやってはいけない部分だとは思うんですけれど、いつぐらいを想定していらっしゃるか教えてもらえますか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

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事務局から回答させていただきます。

本準備会は、まさにタイトルのとおり、『東京2020選考エンブレムの選考に向けた準備会』(発言ママ)ということでございまして、その選考に向けた準備の一環として、いま座長から申し上げたように、前回のエンブレムの経緯の反省点を踏まえた、今後、踏まえるべきポイントというものを、今後、3回にわたってご議論いただくということでございます。

可能であれば9月28日に、その人選も含めまして、踏まえるべきポイントというのが、準備会の方で取りまとめていただければ、理事会へのご報告ということを考えております。具体的にその理事会に、どのような形でご報告するかは、次の、2回の、この準備会の方でご議論いただければと思っておりますので、いまの段階では、どういう形かということは決まっておりません。

NHK(コセ)

続けて聞きたいんですけど、きょう事務局の方から、問題点について何点か報告があったというお話ですけれど、その準備会として、たとえば佐野さんであったり、審査員の代表をされていた永井さんであったり、その辺への、たとえば準備会として聞き取りをする必要があると思うんですけれど、さらに言うと、きょうが第1回目で、10日後の理事会にその問題点まで出す、出したいということだと思うんですけれど、果たして10日間で、これだけ関心を集めて問題点をいろいろ指摘されているものが、10日間の議論でできるのかっていうのが疑問なんですけれど、これについてはどのようにお考えでしょうか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

これは、今までの反省点というのは、相当、事務局の中でも議論をしておりましたし、本日も、その問題点をしっかりと把握しようということで動いておりました。

それからデザイナーの方、あるいは前回の審査員の方に関しては、今回は、あまり参考にしないで、新しく考えようというのが、きょうのお話でございました。その後また変更になるかもしれませんが、今日までの間では、きょうの段階では、佐野さんをお呼びするとか、審査員の永井先生ですか、をお呼びするとかというふうなことは考えておりません。よろしゅうございますでしょうか。

日本経済新聞(イワムラ)

先生のお考えで結構なんですけれども、エンブレム、まぁ、なるべく早くということですけれども、いつぐらいを目処に、たとえば年内とか年度内とか、何か腹案というのはございますか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

いまのところ、まだ、ございませんけれども、何しろこれもう、ブエノスアイレス以降、もう2年もたっておりますので、なるべく早くという気持ちであります。同時に、これは最終的にはIOCの承諾を得なければいけないわけですよね。それがまた時間がかかる、とてもかかるということでございますので、わたしどもが、このあと委員会が設立され、順次、公募がされていった時に出てくるというのは、どうでしょうかね。まぁ、できれば、来春までぐらいまでにはなんとかしたいなというふうな、どうですか、こういう話はしていいんですか(笑う)。


氏名不詳(組織委/役職不詳)

座長の指示に従います(笑う)。

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宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

なんとかいいものを作りたい...

(組織委の男:まだ未定ということで。)

じゃ、まだ未定ということに、すいません。つい、個人的にと言われたもんですから(笑う)。

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ニコニコ動画ナナオ

よろしくお願いします。

2点ほどお伺いしたいんですけれども、冒頭のお話をお伺いしますと、今日の初会合では、国民から審査してもらうといった案は、なんかお話が出なかったんですが、複数の最終候補を仮に発表して、国民から投票してもらうといった場合の想定をすると、発表の前に、また事前に登録とか、商標登録などといったものが必要で、それに一点あたり5000万円もかかってしまうということが言われてるんですが、今回はそういったことを含めて、審査員はきちっといろんな、幅広く決めて、国民から投票してもらうといったことは念頭にはないということでよろしいですか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

まさに今回の反省を踏まえまして、どのように、まず応募要件を定めるのか、いろんな考え方があると思われます。また審査の過程でも、専門家の方に絞って行うのか、国民の方に参画していただくのか、それをどういう段階で出すのか、いろんな考え方があると思います。それをまさにご審議いただくのが、これから始まるエンブレムの委員会だと思っております。

したがいまして今の時点で、その審査をどうするのか、応募をどうするのかといったところまでは、議論は今の段階では進んでおりません。むしろそういった、大きな方針を固めていくエンブレム委員会を、どのような方、メンバーで発足させるのがいいのか、あるいはその審議する過程で、踏まえなきゃいけないポイントというのがいくつかあると思うんですが、そこの出発点を考えていただくというのが、この準備会の役割でございます。

ニコニコ動画ナナオ

確認ですけど、やっぱり1回あたり5000万円かかるということでよろしいですか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

それはさまざま、さまざまあるようでございます。わたくし専門家ではありませんけれども、もうちょっと安くかかる方法があるのかというご意見もありまして、実際のところは、確たることは申せませんが、もし、より低コストでできる方法があるんであれば、そういったことも、ゆくゆくは検討していかなくてはいけないと思っております。ただお話のとおり、コストについてはきちんと、念頭に置かなければいけない論点だと、事務局としては思っております。

ニコニコ動画ナナオ

あと1点はですね、すいません。

これから決めていくということなんですけれも、先生の、座長としての個人的な見方で結構なんですけど、今回その、サクラのエンブレム。召致エンブレム。あれが使えないということでいろいろ報道されているんですけれども、少なくともその応募される方、前回はなんか、かなり大きな賞を獲ってないと応募できないという形で、それもかなり、そのデザイン村じゃないですけど、その中で回してたんじゃないかという、やっぱり疑惑があったわけですよね。そういった意味でその、サクラのエンブレムの作った方は当然、応募できるようなそういった形では、先生としてはどうですか。幅広いという意味で。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

先ほども、NHKの方でしたか、お話ありましたように、その反省点という中にやはり、偏った専門性の高い、いい意味では専門性の高い、ただしある見方によっては偏ったというふうな反省点がございましたので、当然のことながら、召致のエンブレムは美大生でございましたので、たいへん僕は素晴らしいことだと思いますので、今後の進め方によりますので、決定ではございませんが、わたくしとしては、多くの方にご参加いただけたらと思っております。はい。

朝日新聞(ミヤジマ)

先ほど、前回のエンブレムの選考過程についても、検証についてお話伺ったんですけれども、もう少し伺わせてください。本日、その事務局の方から、前回のその選考についての経緯や反省点の意見を言われたということですが、それをもう少し具体的に教えてください。

あともうひとつは、先ほど、今回は佐野さんだったりとか永井さんからの聞き取りはしないということなんですけれども、その理由をもう少し詳しく教えてください。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

段階ごとに、事務局からは説明をさせていただきました。

まず出発点といたしまして、その応募に入る準備段階、前の段階といたしまして、このエンブレムとは何なのか、どういうものを目指していくのか、といった議論が足りなかったのではないかという反省点を説明させていただきました。

それに対して、先ほど座長からお話がありましたように、たしかにその、組織委員会はエンブレム、デザイン的な観点を重視するというのはエンブレムである以上わかるけれども、一方で、オリンピック・パラリンピックは国民的な行事である意識に欠けていたのではないかといったご意見をいただきました。

そののちに、そういった基本を意識ののちに、タイムスケジュールにのびまして、応募要件について、当時としては、よりクオリティの高い作品を集めて、数少ないものをじっくり審議しようという考え方から、国際的な賞を2つ受賞したものだけを応募資格にしてしまったと。しましたと。ただそれについては、もうちょっと幅広い方にご参加いただけるような仕組みに、もう少し考えるべきではなかったのかという反省点。

また応募の次の審査の段階になりますと、まず審査員の選任につきましても、当時としては、そういう数少ない、そのプロの中のプロによる作品を、プロによって審査していただこうという観点から、その世界では名の通った方にお集まりいただきましたけれども、これもまた、先ほどの問題点の指摘と同じだと思うんですが、オリンピック・パラリンピックが国民的な行事だという観点からすると、もう少し広い、審査する立場でももう少し広い立場の方を参画する方法を考えるべきではなかったのかと。

それはまさに今回の、これからの、きょう、カテゴリーについてご審議いただきましたけれども、エンブレム委員会の人選にも直結するということになると我々は考えております。

また審査委員が選ばれたあとの審査の過程につきましても、デザインである以上、秘匿性はある程度、その商標登録との関係で保持しないといけないというのもわかるけれども、やはりもう少し、その対外的な説明、さらに、対外的な説明だけではなくて、その審査員と事務局との、その連絡体制について、やはり反省すべき点があったのではないかということは申し上げ、そこは改善すべきだというご意見を賜ったところでございます。

朝日新聞(ミヤジマ)

座長に伺いたいんですけど、そういった事務局からの反省点を踏まえた上で、準備会として、デザイナーの佐野さんだったりとか、あと審査員の方から、お話を伺わないという判断はどういったところから...

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

その議論は、ほんの少しの間ですが、あ、ごめんなさい、少しですが、さしていただきましたが、基本的に、まったく新しい観点で多くの方に賛同をいただく、国民のすべての方に賛同をいただくということの観点からいった時に、あえてお呼びする必要はない、もう、ただその一点にしかないんじゃないでしょうかね。また、お呼びしましても、もうその反省点の中にあることでございますので、それほどの意味性を感じませんでした。はい。

テレビ東京(イシイ)

今回の準備会の中で、そのエンブレムが撤回された経緯などを、ある程度、検証がなされるものだと認識していたんですが、この準備会では検証は、じゃあ、しないということなのか、しないとすれば組織委員会はどこでやるのか、全然やらないのか。その辺を教えてください。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

いまのご質問は、発表後の、発表後、撤回に至る過程ということで。

その点につきましても、申し訳ありません。本日、事務局の方から、発表後、8月5日でしたか、最初の佐野さんの会見、8月28日の組織委員会の会見、9月1日の会見、等々につきまして、ご説明をいたしました。ただ本件、この件につきましては、特段、次回の、2020年のエンブレム選考に向けた観点から、本日、特にご意見は頂戴いたしませんでした。

テレビ東京(イシイ)

とすると検証はするんですか、しないんでしょうか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

この準備会としては、これは準備会のご判断だと思いますので、わたくしが申し上げることではないと思うんですけれども、2020年エンブレム選考に向けた観点から、必要があれば検証していただくことになりますし、この選考の過程では、その応募資格、審査過程ということであれば、その審査会では検証はされないのかもしれません。これは審査会のご判断だと思っています。

事務局としては、それは我々、その事務総長からも申し上げているとおり、反省すべき点は反省しなくてはいけませんし、その点はきちんと整理できれば、申し上げることになると思います。

日本経済新聞(キタガワ)

いまのご説明を踏まえて聞くんですけど、委員長は、エンブレムが修正された経緯ですね、原案から。その部分については検証する必要があると思われますか。なぜ修正したのか、どういう経緯で修正が進んでいったのか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

そうですね、非情に難しい問題ですね。最初から2案、3案となってるというふうなものを、わたくしもまだその時は、座長でもなんでもなかったわけですから、一大学の学長でございましたので、「あ、こんなふうになっていくのか」というふうな、非情にこう、傍観者的な意識でございましたので。

日本経済新聞(キタガワ)

第三者として、その部分について明らかにする必要があるとは思われませんか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

両方ですね。

今後、委員会が発足して、委員会の先生方からのご意見もお聞きしながら、わたくしの判断を含めて、これは深堀するべきだとか、あるいはここまでにしておきましょうとか、ここまでの議論にしましょうとかっていうようなことは、当然したいと思います。またそういうことも、皆さまに、透明性があるということをばということは、第一義にしておりますので、お話させていただきたいと、かように思っております。

ABC(フクソエ)

繰り返し同じような質問で申しわけないんですけど、それこそ、その問題点の検証というのは、すごく大事な部分だとは思うんですけれど、きょうは事務局から報告があり、それについての意見があったと思うんですけれど、それについて必要があればまた、組織委員会に対して、報告を求めることもあると考えてよろしいんでしょうか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

次回も、当然、今回の我々の報告に基づいて、ご議論いただくことになります。その過程で、こういうことについて教えてほしいというリクエストがございましたら、それに対してご報告することになります。その上で繰り返しになりますけれども、2020年エンブレム選考に向けて、その、何を反省点として、次回、エンブレム委員会、次回というか、今度、立ち上がるエンブレム委員会が発足する、発足、9月28日にすればするわけですけれども、その時に白紙から議論するのではなくて、前回の、その反省点として何を踏まえなきゃいけないのかというところを、この審査会でご議論いただくということになると思います。

つまり、最初の質問にもございましたけれども、準備会と委員会の役割分担ということにもつながるかと思うんですが、通常ですと、エンブレム委員会、あたらしいエンブレム委員会を立ち上げるというのは、通常というのはちょっと、あまりいい言い方ではない、いい言い方ではなかったかもしれませんけれども、組織委員会の事務局がメンバーを発表しましたと。そのメンバー、このメンバーの方には、こういう観点で新しいエンブレムの選定をお願いしたいと思いますというのが、ひとつのパターンだと思っておりましたけれども、やはり今回のエンブレムの、エンブレムの、古いエンブレムの過程で、その事務局としてはこれがいいと思って出したものでも、やはりその、いきなり出すのではなくて、それがいいかどうかというのを1回、その外部の目を見て、揉んでいただいて、出した方がいいのではないかという問題意識がまずございました。そういう観点から、その、人を選んでいただくにも、我々がまず、この人どうですかというのではなくて、今回、集まっていただいた準備会の方々にご推薦をいただいて、その中で、おそらく男女のバランスであるとか、年齢のバランスであるとか、分類のバランスであるとかは、当然、取ることになると思いますけれども、まずは準備会のメンバーでご審議いただいて、かつ準備会のメンバーで案を作っていただいて、それを理事会にかける。また、検討の視点というのも、我々が勝手に反省してこういうことだと決めるんではなくて、我々なりの反省を申しあげた上で、さらにもっとこういう点もあるんじゃないかというご意見をいただいた上で、スタートを踏む、こう、スタート地点を作りたいと、そういう観点から作っております。

共同通信(ハセガワ)

宮田先生にお伺いしたいんですが、その白紙撤回になった前のエンブレムの選考に関して、その責任の所在が、こう、不明確というか、どういう管理体制やら、どういう責任体制で、こう、決めていくのかとか、最終的な責任はどこが持つのかとかってのは、曖昧ではないかというのは、国会などでも、こう、問題として指摘されているんですが、今後、新しくエンブレムの策定をすすめていく中で、そのあたりの管理体制ですとか責任体制みたいなものを、たとえばよりもっと明確化する必要性があるというふうにお思いか、どのようにお考えでしょうか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

当然、そのとおりだと思います。

過去のものに対しては、わたくしはどうのこうのということは、あまり言いたくございません。それはもう当然、反省の中に、これからまた、作っていく準備委員会と同時に、選定の委員会も、これから出来上がるわけですから、そうした中で、常にそれをベースに踏まえながら、新しいものを選定していくということが当然の摂理になっていくと思いますので。

朝日新聞(オオニシ)

事務局の方に伺うことになると思うんですが、わたくしは伺ってると、いまこの準備会、それから次のエンブレムの選考委員会の議論は、その委員の先生方に任せるというのはよくわかるんですが、それとは別に、組織委員会として、検証の場を作る気はないというふうに受け取れるんですけど、つまり、要望があれば調べるけれども、要望がなければ別に検証はしませんというふうに聞こえるんですが、別の検証の場を作るというお考えはないんでしょうか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

なかなか、誤解を受けるような、ちょっと、答えをしないようにしたいと思ってるんですけれども、わたくしが申しあげたのは、その準備会は、繰り返しになりますけれども、2020年エンブレム選考に向けた、向けて、何が必要かということをお審議いただく場ですので、その過程で、そういうその、応募資格であるとか、選考過程とか、そういったところは、当然、お審議いただくことになるとになると思います。

それとは別に、組織委員会として、どういうその責任を考えてるのかというのは、おそらく、わたくしがちょっと、どこまで代表して言う立場にあるのかわかりませんけれども、準備会は準備会でのご議論はあるとしても、別途の話だと思っております。それについてはやはり、反省すべきところは反省すべきだと思っておりますし、改めるべきところは改めるべきだと思っております。

それをどのようなかたちで、その出すかということになりますと、ちょっとわたしには、わたしの、ちょっと、範囲を越えておりますので、お答えは差し控えたいと思っておりますけれども、ただ、その、申しあげたいのは、準備会のテリトリーと、それ以外のところというのはやはり区別して議論する必要があるのではないかと、そういうふうに思っております。

朝日新聞(オオニシ)

あとは事務的なことですけど、先ほどのお話だと、15人から20人ぐらいの、その委員のことなんですけども、その方たちが、公募方法も、審査方法も、決めて、さらに自分たちで審査もするという、そういう理解でよろしいですか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

これもわたくしが答えていいかわかりませんが、まさにそこも、準備会ないし委員会でご議論いただきたいことだと思っております。これは、公式答弁というよりは、頭の体操的な話なんですけれども、そこの選択肢だと思っております。

今後、ご議論いただいた15人ないし20人の方が、ぼくたちが審査をするのがいいやり方だということをお審議いただいて、理事会でもそれを承認していただければ、それはそれでいいと思いますし、やはりその、先ほど、どなたかが申しあげたように、国民参加をした方がいいとか、あるいはもっと専門的な知見が必要だということになれば、それはそういうこともあると思います。そういった、その、このエンブレム委員会で全部を、こう、オールインクルーズで全部盛りということではなくて、まさにどういう方針でやっていくのかという大方針をご議論いただき、必要があれば実施体制の方は別途、考えていくと、そういう議論になろうかと思っております。

産経新聞(タナカ)

たぶん、きょうこちらにいらっしゃって、当初、こう、新しいものに対して、どういうふうにやっていこうという意欲を示されていると思うんですけども、一方で、この質問の多くは、やっぱりこの検証、その前回の問題というのをきちんとした上で、新しいものにというふうに、各々、この質問をされてると思うんですけれども、こういった質疑を経て、やっぱりきちんと検証しなおした方がいいんじゃないかというふうに、いまお考えが変わっていくというか、もう一度ちゃんとそこをやろうというふうには、お考えにはなっていない。やっぱりその、新しい方に重きを置いているとおっしゃっているんでしょうか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

両方やりたいとは思っております。

ただし、準備委員会の目的というのは、検証が目的ではございません。やはり、新しいエンブレムを作るということが目的、第一義でございます。

ただ、わたくしは、これを最後に、委員会の中でもちょっと話させていただいたんですが、前のたいへんつらいひとつの結果、ゼロ白紙点に戻りましたけれども、そういうことによって、モチベーションが下がった上での、非常に意識感の低い作品になることは絶対やめようと、そのことは最後に先生方に申しあげました。それは大いに、いろんな今までの、過去の出来事を検証はするけども、むしろそれをステップアップにしていくような、踏み台にするんだという気持ちで、もっていきたいと、かように思っております。

ですから、当然、その中には、何がいけなかったのか、何がおもしろかったのかというふうなところがあれば、自ずと、それが楚々の完成にもなるだろうし、自ずと、新しいものを作ろうとするための土台づくりになるのかと、かように思っておりますので。

日本経済新聞(イワムラ)

前回のエンブレムの際のことですけれども、いくつか酷似してる作品がありまして、そちらの作品の、なんというか、エンブレムに対する疑義というのが広がったんではないかというふうに思っております。

それで、今回のエンブレムの選考、これは選考委員会の、委員会の方に諮るべき話かもしれませんけれども、そうした事態が起こらないための、防ぐ手立てというか、どうすれば同じようなことを繰り返さないですむのかを、ちょっと、先生のお考えをお聞かせ願えますか。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

それは、非常に難しい問題です。特に、こういうふうにIT時代になっておりますと、一気にその、いろんなものが、こう、検証されますよね。こんなに検証されるというふうには、わたくしも実は思っておりませんでした。驚いております。

ですから余計その、慎重にものは進めなければいけないと思いますけれども、わたくしとしては、先ほど冒頭に、この委員会の始まる前に、冒頭挨拶というか、あ、始まる時の冒頭挨拶で言わしてもらいましたけれども、日本でやるということと、東京であるという、その意識感で、これはどこの国のものでもないという、そういうプライドを持ったデザインをすれば、エンブレムを作れば、必ずや、認められるものになるかと、かように思っております。

朝日新聞(アクツ)

先ほど、準備会の目的は検証ではないというふうなお言葉がありましたけど、となると、準備会は新しいエンブレムを作るためにお仕事をなさってると、それは非常に理解できるんですが、となると、事務局の方で、たとえばいま国立競技場で、第三者の検証委員会とありますけど、あんなような、その検証を目的とするような、そのたとえば組織ですとか、その検証そのものを目的とする動きというのが、別に必要なんじゃないかなと思うんですけど、そこら辺はいかがなんでしょうか。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり、これだけの混乱を引き起こしましたし、いろんな方にご迷惑をおかけしました。したがいまして、反省すべきところは反省すべきであると思いますし、改めるべきところは改めるべきだと思っております。その上で、ご指摘のような、どのようなかたちで、どのようなタイミングで、何をどうするかというのは、ちょっとわたくし今の時点で回答を持ち合わせておりません。誠に申し訳ございません。

氏名不詳(組織委/役職不詳)

すいません、ちょっと、時間となりましたので、こちらで終了させていただきます。どうも、ありがとうございました。

宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)

ありがとうございました。

ほんとに、こうやってお集まりいただいたということは、いかに、皆さんがオリンピック・パラリンピックに、大成功に終わらせたいという熱意からきてるというふうに、わたくしは理解しております。わたくしも同じような気持ちで、今後、これを進めていって、国民のひとつの、いってみればアイドルとして、ときめきを感じられるような作品が出品されることを、そしてそれを、わたくしどもが、中の選ぶ人間のひとりというふうになってもらえたらうれしいし、また、みなさんのご協力を得て、大きく大きく、これを世界に発信していける環境づくりになってくれたらありがたいと思っております。

本日はありがとうございました。

発言者:宮田亮平(準備会 座長・東京藝術大学 学長)、氏名不詳(組織委/役職不詳)×2名

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