聞文読報

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8月13日 青山繁晴 『ザ・ボイスそこまで言うか!』(全文)

※2015年8月13日放送、ニッポン放送『ザ・ボイスそこまで言うか!』より

16時だよーーー!一緒に考えましょう、青山繁晴です。ニッポン放送アナウンサーの飯田浩司です。『ザ・ボイス』木曜日はこの方、独立総合研究所社長で、近畿大学経済学部客員教授青山繁晴さんです。

飯田 今日もよろしくお願いします。

青山 よろしくお願いします。

飯田 青山さん、大体いつも木曜日はいろいろ取材であったり、あるいはテレビであったり現場を重ねてうちに来るんですけれども。

青山 あー!ムチャクチャなスケジュールなのっ、んー。

飯田 大体5、6現場くらい。で、今日は直前に国会に程近い憲政記念館で記者会見があったと。

青山 はい。

飯田 櫻井よしこさんなどとご一緒されたと。

青山 安保法制案を早く通しましょうっていう立場の、ただし考え方とか普段の主張は結構バラバラな人が集まって、櫻井さんから最初に、「反対される方の有識者の記者会見があったから、違う立場もやる必要がある」っていう趣旨説明をされて、それで5人に個別の話が割り当てられていまして、事前に。僕は3分間で、国際社会がいかに変わったかという話をして下さいと。

飯田 ふーむ。

青山 それで3分で収めようとは思ったんですが、2つのポイントに絞りまして話しているうちに、櫻井よしこさんからツンツンツンと突かれまして、分かっていたので大体6分ぐらいで終わりましたが、要はポイント2つは2つであって。

飯田 はい。

青山 1つはこの『ザ・ボイス』で、さすがに『ザ・ボイス』という個別番組名は出さなかったけれども、ラジオ番組で、僕も参加してるラジオ番組で安倍さんが、まぁ安倍さんの発言をちょっと補って言うと、冷戦が終わった直後、つまり1989年頃、ベルリンの壁が壊れた頃から比べると、在日米軍は半分の実勢力になってしまってると。それに対して中国は国防費だけでも41倍になってると。

飯田 はい。

青山 だから日本の自主的な努力が必要なんだと。アメリカまかせじゃなくてという趣旨のことを言われたんで、ラジオ番組の生放送で何でそれを国会でおっしゃらないんですかと聞いたら、総理は「野党が質問しないから」とおっしゃったと。

飯田 はい。

青山 でもそれは本当は違うんで、この国会審議の不毛ぶりっていうのは与野党ともに責任があって、もちろんこの法律というのは閣法と言いまして、内閣が練り上げて国会に出したもんですから、最高責任者はあくまで安倍さんなんで。安倍さん自らこれを語るべきだと言ったら、少しそのあとに、番組の後から参議院の審議では中国ってことをおっしゃるようになったと。中国の異常な突出ぶりっていうのは、日本の問題というよりはアジアの、ていうかグローバルとか簡単に言うけど、私たちのアジアの激変であって。

飯田 はい。

青山 中国の政治体制ってのはあくまで中国国民の選択ですけれども、しかし独裁体制であることは疑いようがない。

飯田 はい。

青山 日本は民主主義ですから民主国家としてこの中国が今の人民元の切り下げに見られるような独裁体制だけで出てくることに対して、日本として正しい立場を取らなきゃいけないということが1点と。

飯田 はい。

青山 拉致事件についても国際情勢に日本がついて行ってないってことは言えますと。なぜかというとアメリカとイランの間に、アメリカだけじゃなくて他の国も加わってますが、実質アメリカとイランの間に核合意なるものが、最終的に出来ようとしてて、その核合意は賛否両論あっても実態としては、長時間かけて少ない小さい核だったらイランは作ってよしってことになると。

飯田 ふーむ。

青山 それが北朝鮮にどういう影響を与えているかというと、これは共同通信のほんとの特ダネなんですけれども、公平に言って。僕の古巣ってことは関係ないです。今結構左寄りの記事が多いってことも関係なく。

飯田 ふーむ。

青山 公平に言って特ダネ記事なのは、要するに《よど号事件》の犯人に取材してるわけです。

飯田 はい。

青山 ただし《よど号事件》の犯人は電話つながるともうペラッペラにしゃべるんです今は。日本に帰りたいから。

飯田 ふーむ。

青山 あと共同通信平壌に支局があるからそれを使ったのかも知れません。そこは記事に何も書いていないんですけど、要するによど号犯人が言ってるのは、今年2月頃には北朝鮮の特別調査委員から連絡があって、つまり有本恵子さんを誘拐したりしてますから、そのよど号犯人の妻が。

飯田 はい。

青山 八尾恵っていうんですけど、自分で告白したんですよ。そういうことについて事情を聞きたいと言ってきたと。だから2月はほんとに調べようとしたわけですよ。それが突然そのあと連絡が来なくなったと。

飯田 はい。

青山 これアメリカとイランの間で話が進んでいった水面下の時期に、半年前、符号してると。それからしかも金正恩さんが中国と大喧嘩したために中国は逆に北朝鮮が消滅したら不味いから、北朝鮮の石炭買ったりしてお金が渡るようになって、それで拉致事件の解決が遅れに遅れてると。それを考えるとどこに頼むんじゃなくて日本で交渉力を強めなきゃいけない。

飯田 はい。

青山 そうすると話し合って話し合って話し合いがつかなかったら、救出作戦がありえるということを戦争をするというんではなくて、交渉を強めるためにそういう法体系は必要であって、その2つの意味からこの安保法制は僕は、これはまったく不充分な法案だと思うけれども、入り口として必要ですという話をしたんです。

飯田 ふーむ。

青山 そのあと質疑応答でどんどん噛み付いて欲しかったんだけど、あんまり噛み付いてくる質問は無かったけど、TBSの記者がそもそも集団的自衛権は必要ないんじゃないかっていう質問が出たんで、他の先生方もお答えになられましたけど、僕も自分で勝手に答えて。ご指名は無かったけど。

飯田 はい。

青山 安全保障の基本っていうのは、余裕を持たなきゃいけないと。それはありもしない事態をでっち上げて過剰な兵力を持つことがいけないっていうことと同時に、法体制はどんな事態の急変にも備えられるようにしておかないと間に合わないと。

飯田 はい。

青山 だから今すぐ集団的自衛権を使う必要があるとかないとかの話じゃなくて、本来の安全保障体制っていうのはそういう法的な余裕が必要なんでという話をしたんです。

飯田 ふーむ。

青山 あと日刊ゲンダイの記者が若い人の反対運動をどう思うかって質問をされて、僕は答えようと待ち構えてたんですが、他の方から60年安保の比較。僕は60安保と比較するっていうのはあまりにも過ぎた話だと思いますけど。

飯田 はい。

青山 僕が答えようとしたら会見が終わっちゃったんで。

飯田 あ~。

青山 会見が終わってから日刊ゲンダイの記者を探しに行って、僕が「あなた日刊ゲンダイですよね?」って近寄って行ったらその記者がおぉ~!っという感じで、何か。

飯田 身構えましたか?

青山 (笑う)いきなり噛み付かれるかと思ったみたいですが、そんなことするわけないでしょう、ね?今のは決してそう冗談でも無くて、えぇっ!ってこう身構える感じだったから、「いやいやあなたの質問に答えたかったんですよ」と。

飯田 ふーむ。

青山 僕は今18才の大学生も教えてるけど、18才の諸君も、それからあなたも、記者ご本人ね?比較的若い人、僕も、世代を越えて同じ教育を受けてきましたね、と。その教育で安全保障とか外交とか近現代史を勉強しましたか?って。勉強する機会無かったでしょ?って。

飯田 ふーむ。

青山 僕はたまたま世界を歩くようになって、そこで勉強できたけれども、だからあなたも若い人も僕も、賛成反対を言うためにはもっと勉強しなきゃいけないっていうことを本当は答えたかったけど、時間が切れちゃったんで今あなたに言いました、と。

飯田 ふーむ。

青山 言いましたら、「ああ、そうですか」ということでしたけれども、はい。(笑う)

飯田 (笑う)

青山 これにて僕の記者会見は終わりました。僕の?僕のじゃないですよ、櫻井よしこさんはじめ田久保さんとか佐々さんとか著名な方はみんな集まられてたくさんお答えなさってて、僕に関わった部分はそれだけです。

飯田 ふーむ。

青山 一般の方は入れなかったんでね。しかもこれたぶんあんまり報道されないと思う。反対派はガンガンに報道してもらえるけど、こういう立場の方は我が古巣の共同も含めてあんまり報じないと思うから。(笑う)

飯田 ふーむ。

青山 まぁ少しお話致しました。

飯田 はい。このあと17時半まで生放送です、『ザ・ボイスそこまで言うか!』。株と為替の値動きお伝えしておきましょう。

東京株式市場、日経平均株価、昨日と比べ202円ほど高い、200,595円55銭でした。のちほどピックアップセブンの中でも扱いますが、中国が三日連続で人民元の基準値を引き下げたものの、三日ぶり反発となっております。為替は1ドル124円50銭付近、昨日と比べ40銭ほどの円高ドル安です。

青山 この一両日の最大のニュースは、人民元の切り下げなんで、これはこの後のピックアップセブンの最初にやるから、あんまり詳しくここで言う必要はないですけど、ひとことだけ言っておけば、要するに人民元の切り下げをやる時に、今までの勝手気ままに中国人民銀行が基準値、基準値は何かって後で言いますけど、決めてたのを、その日の終値を基準にするって決めたわけです。

飯田 はい。

青山 そうすると、マーケットとしては織り込めるわけです。

飯田 ふーむ、だいたい予想がつくと。

青山 はい。今日の切り下げ、あるいは切り上げがどのぐらいになるのかってのが分かるから、織り込み済みになると売り材料でなくなるっていうのは株式の鉄則で、基本的には日本の景気は良くなるだろうと思ってるから、買いの勢いが出たっていうことです。しかし、ちょっと買いすぎてるから...

飯田 また利益確定なりなんなりが…

青山 は、出てくるでしょうね。でも2万円の大台を越えることをこなしながら、固めつつあるっていう雰囲気は出てきてます。

飯田 はい。さぁ、青山さんとお送りする『ザ・ボイス』。今日は先週の放送のエンディングのところで少しお話しました、『ぼくらの祖国』新書版、これが先週の金曜日に書店に並びましたけれども、これを5人の方にプレゼント。

青山 はぁい!

飯田 いただいております。今日の番組の終了までに、メールをお寄せいただいた方の中から抽選で、5人の方にプレゼントということになりますんで、欲しいという方は、ご希望の方は、まず件名に「『ぼくらの祖国』新書版」とご記入の上、メールをお寄せください。お名前、ご住所、電話番号、番組への感想などもお寄せいただければと思います。メールはボイスアットマークイチニーヨンニードットコム。このプレゼントに関しては、メールでのご応募となります。メールアドレス、ボイスアットマークイチニーヨンニードットコムです。

青山 いつもどおり、当選なさった方にはお名前を一番大きく書いて、サインしますので、自分が書いて欲しいお名前、ハンドルネームでももちろんかまいませんけど、ラジオネームでも、お名前をとにかく書いてくださいね。

飯田 当選の方、番組のエンディングで発表いたします。それこそ先ほどの青山さんの話の中に、戦後の教育、僕もそうですが、同じものを受けてきた、その上でこの本を読んでいただくと目からうろこ...

青山 これ正直、ハードカバー版があれほど売れたんで、読まれたんで、新書にしたからって買う人いるかなって思ったこともあったから、もう正直ほんとに力を、魂込めて、あとがきにかえて『朝(あした)の祈り』っていう一文を書いたんですけど、それだけ読みたいから買ってくれる人も含めて、びっくりするぐらい読まれてて、毎日、紀伊国屋書店だけで50冊以上、いまずっと出てんですよ。

飯田 あ~、そうですか。

青山 ええ。だからあっという間に初版の発行部数をかなりこなしていって、もう増刷になりました。ほんとに感謝してます。

飯田 ちょうどこれ出されたのが、この番組で青山さんとご一緒する直前ぐらいにっていうことでしたので...

青山 もう結構前ですね。これ正直、新書って僕初めてなんですけど、やっぱり持ちやすい、読みやすい、手に取りやすいっすね。自分の本のこと言って悪いけど。

飯田 はい。

青山 と、思いました。僕、ハードカバー本が大好きなんだけど、新書ってやっぱり扱いやすいなぁと思いますね、はい。

飯田 是非、お盆休みでちょっと時間が空いた時なんかに。

青山 はい。

飯田 さぁ、そして番組へのご意見、ニュースへのご意見などお待ちしております。メール、ボイスアットマークイチニーヨンニードットコム。ツイッターハッシュタグ、シャープボイスイチニーヨンニーです。青山さんとお送りする『ザ・ボイス』、それではこちらから参りましょう。

16時13分です。AM1242ニッポン放送『ザ・ボイスそこまで言うか』、今日のニュース7項目をピックアップして、青山さんと解説していきます。まず1つ目こちらです。

中国が人民元を3日連続で切り下げ

中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は13日、ドルに対する人民元の取引の基準値を、前の日より1.1%引き下げて、1ドル6.4010元にしたと発表しました。これで11日から3日連続の大幅な元安誘導で、3日でおよそ4.6%も引き下げたことになります。

青山 これ、3日連続でやってるうちに、中国当局がたいしたことないんだと。これは単に実勢に合わないものを実勢に合わせるだけだから、そんな大さわぎする話じゃないってことを世論工作含め徹底的にやって、日本のメディアもそれに寄り添うように、支局閉鎖になっちゃ困るからってこともあって、良い面もあるとか、たいしたことないんだとか、日本経済への影響は限定的ってのがやや、主流までいかないけど、前面に出てきてんすけど、これは間違いなく世界の経済史に残る大事件ですよ。

飯田 ふーむ。

青山 これはただし、一種の大博打として打った切り下げ、強制切り下げが、中国にとっても、世界にとっても、日本経済にとっても、プラマイがすでに両方あるんです。で、どっちが優先になるのか、ネガティブが優先になるのか、ポジティブが優先になるのか、まだわからないです。

飯田 は~。

青山 ただ、はっきりしてるのは、さすがの中国と言うべきで、単に経済失速に追い込まれて、輸出で盛り返したいから切り下げた、もちろんあるんです。人民銀行が記者会見までして全否定してるけど、間違いなくそれはあるんですよ。

飯田 はい。

青山 ただし、その時に、本当に上手にやってるのは、アメリカの要求に寄り添ったノウハウを使って切り下げたんですよ。これをCNNが、日本語で言うと一石二鳥って書いてて、ちょっとCNNの報道にしては珍しい。CNNというのはザバっと切って、ああでもないこうでもない言わないってのが人気の秘密のひとつなんですけど、ああでもないこうでもないになっちゃってるわけですよ。なぜかというと、それはホワイトハウスを含めたブリーフィング、日本でいうと記者懇談というやつ、あれでも僕が聞いたかぎりでは、アメリカ当局の説明も、要するに奥歯にものが挟まるっていうよりは、こっちが言ってることに寄り添う形もあるから、ちょっと切り捨てられないんで困っちゃうんだよねっていうブリーフィングをしてるわけですよ。

飯田 はい。

青山 どういうことかというと、さっき基準値を後で話しますと言いましたが、まずはイロハのイですけど、皆さんご承知だと思うんですけども、いろんな方がラジオを聴かれてるんで、あえて初歩から言いますと、例えば円がドルに対していくらか、今125円ぐらいですけど、これって絶対の原則は、マーケットで実際の売り買いがあった結果なんですよ。

飯田 はい。

青山 だもんで、日本もアメリカも介入したりしますよ。ほんとは日本も全否定してるけど介入してるんですけど、売り買いで介入するわけですよ。

飯田 実際にドルを買って円を安くしようとか、そういう介入の仕方。

青山 場合によっては逆もありっていうふうに、売り買いで介入するんですが、中国は独裁国家なんで、だからさっき独裁国家人民元のことを言ったわけですけど、独裁国家だからどうしてるかというと、今まで売り買い関係なく、まず中国人民銀行、つまり日本でいうと日銀、中央銀行が、勝手に基準値を決めちゃうわけですよ。

飯田 はい。

青山 基準値は中間値ともいって、中立ともいいますけど、要するにそれを真ん中にして、上下2%の間しか値動きを許さないという、これで為替と通貨と言えんのかという状態にあったから、アメリカはやいのやいの言ってたわけですよ。中国は同時にアメリカにボロクソ言われながら、IMF国際通貨基金。これけさテレ朝でも言っちゃったんすけど、これ国際通貨基金じゃないんですよ、ほんとは。アメリカ通貨基金なのね。

飯田 ふーむ。

青山 世界銀行もありますが、それもほんとはアメリカ銀行ですよ。ほんとはね?

飯田 はい。

青山 そのアメリカ通貨基金であるところの、アメリカの金融支配の元締めのIMFは、困った国はIMFからお金を借りられますよね?

飯田 ええ。

青山 その時の、IMFから借りるお金の値打ちを決める時に、これ決めなきゃいけないですよね?

飯田 はい。

青山 これバスケットっていいまして、今はドルと、それから我が円と、ユーロと、ポンド、その4種類の通過をバスケットに入れて、それをかき回して基準を決めてんすけど、この中に人民元を入れてくれって言ってるわけですよ。アメリカはそれ入れろって言うんだったら、国際ルールどおりにマーケットでちゃんと決めるようにしてくださいと言ってたのを、今まで中国は突っぱねてたわけですよ。

飯田 ふーむ。

青山 突っぱねるだけじゃなくて、IMFや世界銀行に中国のエージェントと言える人をたくさん送り込んでんですよ?それは残念ながら我が日本とは違って、徹底的にお金と時間を使って、人も使って、入り込んでいって。

飯田 はい。

青山 そして今回切り下げで突然やったのは、今までどうしてたかというと、一応理屈では、各銀行の取引状況を見て中央銀行が判断すると言ってたわけですよ。

飯田 ふーむ。

青山 これ各銀行の取引状況といったって、そんなもんそんなデータは出てこないんだから、要するにさっき言ったとおり中国人民銀行が勝手に決めてたやつを、突然その日の売り買いの、これ一日ごとに基準値決めていきますから、その日の実際の売り買いの終値を基準にすると、それで基準値決めると。

飯田 前日の終値が基準値。

青山 これは、上下2%の縛りはかけてるけれども、しかし、前日のマーケットの結果を踏まえるってことは、マーケットの実勢に合わせるってことに近づくじゃないですか?

飯田 はい。

青山 そうするとこれ切り下げて、輸出を勝手に有利にしようとするのはけしからんけれども、しかしアメリカが要求してたことに近づく面もあるから、中国としては一石二鳥のつもりなんですよ、習近平さんとしては。つまり、輸出を増やして中国経済のどんどん落ちていくのをなんとか防ぐ。同時にアメリカに寄り添って見せて、9月の米中首脳会談に向けても、それからIMFのバスケットに入れてもらうのを含めても、アメリカにいわば接近することになるから、一石二鳥だって話なんですよ。

飯田 はい。

青山 これは目的としてはそうだけども、問題は、じゃあ人民元安が歯止めきかなくなったらどうすんだと。マーケットは明らかに、こんなことまでやらないと中国経済はよくならないのかと思うから、当然最初はすごく売りを浴びたわけですよ。そもそも上海株の暴落があったから、中国株に疑念を持ってるところにこれだから、そうすると最悪の場合は、元が安くなって安くなってたまりませーん!ってなった時に、またルール変更することもありえるわけですよね。

飯田 これ以上は下げさせないぞと。

青山 普通でいうと、さっき言った売り買いで介入して、中国が。巨額のお金あんだから。やるはずが、それじゃもたなくてルール変更をやるかもしれないっていうね。そうするとグチャグチャになっていくわけですよ。すでに起きてるマイナス効果のひとつが、これは日本ではあんまりそういうイメージないけど、ベトナムの製品とかインドネシアの製品は、今アメリカで中国製としのぎを削ってるわけですよ。

飯田 あ~。

青山 だからアメリカっていう3億人の人口のある所で、しかもお金を持ってる人の結構多い国で、物を売るってのは大事だから、人民元を切り下げられたら、ベトナムは同じ社会主義で、ほんとはベトナムの為替もこうやって管理してるんで、ほとんど同じ方式。

飯田 はい。

青山 もう実質切り下げやったんですよ、ベトナム首領は。そうすると変動相場制にインドネシアとかそういうところも、どんな手段を使ってでも切り下げようとしてくるから、どうなるかというと、アジアの通貨がどんどんどんどん安くなっていって、アジアの通貨危機を自分で起こすことにもなりかねなくて、そん時に突然円高になるかも知れないわけですよ。

飯田 はい。

青山 いろんな逆もありえる。つまり、ガンゴンガンゴンガンゴーン!って物が鳴り響くみたいに、人民元の切り下げっていう禁じ手が、大きな波紋を呼び起こしてるっていうのが、世界経済の状況なんですよ。

飯田 ふーむ。

青山 これは最終的には、こういう混乱が続いていけば、安倍総理がこの番組でおっしゃったでしょ?覚えてるでしょ?僕が消費増税について凍結すべきだと言った時に、安倍さんは全否定せずに海外ですごく大きな変動があったら考えるというかありえるということをはっきり言われたでしょ?

飯田 リーマンのようなものがあればという。

青山 場合によってはリーマンより大きいことになりかねないんですよ。まだわかんないけど。

飯田 たしかに今124円50銭と今日は対ドルレートなってますけども、中国が人民元を切り下げた一番最初の123円台ぐらいまで円高が進んで、やっぱりこれは円っていう安定した通貨にみんな逃げ込んできてるんだっていう解説されましたもんね。

青山 いずれにしても人民元切り下げ問題っていうのが、世界経済の新たな不確定要素、不安原因になってることは間違いないです。

飯田 これそうなるとですよ、それだけ不安定が増してきた中でアメリカはほんとに9月に利上げができるのか?

青山 それも非常に大きな問題で、雰囲気としてはやっぱ12月じゃなくて9月にやりそうだったのを、イエレンさんの慎重な性格を考えると、もう9月って目の前だから、様子見ようかってなるかも知れない。でも僕が聞いてる限り、さっきの記者会見入る前に聞いてた範囲では、全然決められてないよと。まだ9月の線も残ってるよということでした。これあんまり様子見てると利上げできなくなっちゃうから。

飯田 躊躇してる間にタイミングどんどん逃しちゃう?

青山 どんどん逃しちゃうこともありえるから、踏み切るかもしれない。そこはイエレンさんを含めFRB自身が決められてないから、まだそこは言えませんけど、でも年内に利上げがあるってことは動いてない。だからお金は日本からも一旦は逃げて、少なくとも一旦は逃げてアメリカに行くんですよ。

飯田 利上げとなれば今すでに通貨が安くなり始めている新興各国はさらに安くなってしまうと。

青山 ボロボロですよ、ボロボロ。これは絶対起きる。

飯田 しかも近い将来にと。

青山 もう目の前ですよ。12月といったってもう目の前じゃないですか。

飯田 もう後4ヶ月ですもんね。

飯田 ニュースピックアップセブン、続いて2つ目こちらです。

中国天津で倉庫が爆発

中国沿岸部の天津で12日の夜遅く、危険物を保管していた倉庫で激しい爆発が起き、これまでのところ報道されている範囲ですが44人の死亡が確認され、死傷者も500人以上に上っております。

青山 これまださっぱりわかんないんですよね。

飯田 はい。

青山 つまり何がわかんないかというと、何が爆発したのかがわかんない。情報公開されてない。ドローンで撮った映像などを、さっき飯田浩ちゃんは見事に見つけてきて、二人で覗き込んだりしたんだけど、パソコン画面を。しかしもちろん何が爆発したのかわかるはずもなく、一応公式的には危険な化学物質ってそらそうだろうっていう話しかないから。

飯田 そうですよね。

青山 ただ、何かつきがないね。

飯田 習近平さん。

青山 今、北戴河(ホクタイガ)っていって、偉い人たち集めて長老集めて会議やってる最中で、あえてそこに元の切り下げをぶつけたんだけど大爆発。ついてないなってことを言えるけど、習近平さんって今両面の敵と戦ってるでしょ?胡錦濤派、江沢民派。それは本来の中国の戦い方じゃないような権力闘争。必ずたとえば江沢民を全部亡き者にしたいんだったら、胡錦濤派と一旦結びついて、2対1でやっつけて、そのあとゆっくり胡錦濤派を料理するってのが本来の、中国なりの中国共産党共産党だけじゃなくてずっと続いてきた王朝の権力闘争なんだけど、それが習近平さんは両方敵にしてますからね。

飯田 ええ。

青山 というとつきが落ちるかもしれない。これはちょっとアバウトな話になっちゃったけど(笑う)。ただ両面を敵に回してほんとに乗り切れるのかっていう疑念は、つまりインテリジェンスによれば、これは日本だけじゃなくて、西側諸国のインテリジェンスが心配してんのは3つの暗殺で、習近平さんとパク・クネさんと金正恩第一書記。

飯田 これ習近平さんは、ふたつを敵に回しても江沢民派と胡錦濤派が結ぶってことはありえないという前提があるんですか?何か。

青山 それはいい質問ですね。ありえないというか不可能だと読んでて、もうひとつは軍の支持があるかぎりは大丈夫だということなんすけどね。ただし胡錦濤一派を敵に回したために何が起きたかというと、ちょっとラジオで言うのは漢字が難しいけど、令計画っていう胡錦濤さんの時代のいわば官房長官、それも日本の官房長官よりはるかに権力の強い令計画さんが、去年の12月に身柄を実質拘束されてるんですが、その前に彼は察知して令完成さんという、この一家は変わってて、子供に中国共産党の文書に出てくる名前、計画とか路線とか完成とか方針とか、路線さんってのは女性なんですよ(笑う)。

飯田 (笑う)

青山 そのうちの出世頭だったのが四男坊の令計画さんなんですが、捕まる前に目先のきく新華社の記者やったりして、小回りがきく令完成さんに2700点の機密文書を渡してんですよ。その中にどっちゃり習近平さん一派の腐敗が動画つきであるそうで、これすでにアメリカの手に渡っちゃった。

飯田 もうすでに渡ってる?

青山 渡ってます。

飯田 亡命を計画してロサンゼルスに今いるって話...

青山 ロスにもういない。

飯田 もういないんですか?

青山 いません。あそこにはもういなくなりました。

飯田 は~。

青山 身柄も機密文書もアメリカが全部押さえちゃってるから。

飯田 それを押さえた状態で米中首脳会談があるわけですね?

青山 そうです。だからやっぱりついてないっていうか、ちょっと闘争を急ぎすぎてんじゃないかって感じですね。はい。

飯田 ニュースピックアップセブン、2つのニュースを取り上げました。ご意見お待ちしています。メール、ボイスアットマークイチニーヨンニードットコムです。

16時29分です。引き続き今日のニュースを見ていきましょう。続いてこちらです。

アメリカ軍のヘリ墜落事故 特殊部隊の訓練中と判明

アメリカ軍のヘリコプターが昨日、沖縄本島の沖で艦船への着艦に失敗して、日本の自衛官を含む6人がケガをした事故。アメリカ陸軍のオディエルノ参謀総長が12日、複数の国による特殊作戦部隊の訓練を行っていた事を明らかにしました。しかし事故の原因については、まだ詳細を把握していないとして、詳しい言及を避けております。

青山 これは参謀総長のオディエルノさんは、もちろん詳細を把握してるからこういう言い方をしてるんで、つまりこの参謀総長の会見をニュースとかで見た人は、アメリカの軍人って結構ぺラっとしゃべっちゃうんだなぁと思われた人もいると思うんですが、いや違うんですこれ。徹底的に事故原因も参謀総長自身も関わって分析した上で、要するに特殊作戦の訓練を、日本を含む複数の国でやってましたってことを明らかにまずしてしまおうと。普通これ自体明らかにしないでしょ?

飯田 はい。

青山 特殊作戦の訓練を日本を含めた複数国とやってると、事故につながった原因も含めて公開できないってことを言おうとしてるわけですよ。

飯田 ふーむ。

青山 沖縄県の翁長知事が情報が入ってないから不透明だと、それが続いてるじゃないかと、追求されることはもちろん知事として分かりますけど、ここは公平に言うと、日米関係が不平等で、不平等なんですよ?日米同盟と言ってるけど、たとえば潜水艦は日本は世界最優秀ですが、それは第七艦隊に実質上組み込まれてます、アメリカの。これは僕は現実に潜水艦に乗ってるから申し上げるんであって、それからたとえばこれはちょっと踏み込みすぎかもしれないけれど、実際は日本のイージス艦のイージスシステムってのはまったくいわばコンピューティングシステムですよね?

飯田 はい。

青山 それががっちりアメリカ第七艦隊司令部と、直接つながってんですよ。そういうことからしたら、主従の関係なんですよ我が自衛隊といえども。それが現実なんですよ。そこに何とか楔を打ち込もうとしてるのが安保法制なんだけれども、わずかな楔ね?でも。

飯田 ふむ。

青山 そういう不平等があって日本側が全然情報を得られないっていうケースとは違うんす、これは。これは11年前に沖縄国際大学にアメリカのヘリが堕ちた時とは違って、一応僕は本当に特殊作戦の訓練してたってことは確認したとはいえませんけど、概ねほんとだと思ってますから、そうすると中身言えないですよ。それ中身言ったら特殊作戦の弱点を全部さらけ出すことになる。それから自衛隊の関わりも全部さらけ出すことになって、我が自衛隊が特殊作戦でもだんだん実力を上げてんのも全部さらけ出すことになるんで、それは情報公開できないんですよ。

飯田 ふーむ。

青山 だから参謀総長の言ってる意味を、ちゃんと日本のメディアが受けとめられないっていう安全保障の常識、軍事の常識が足りないっていうところにも大きな課題があるんです、日本社会に。

ニュースピックアップセブン、3つのニュースを取り上げました。残り4つ、このあと17時台、後半戦で取り上げます。

飯田 さぁ、ツイッターいただいております、タノジさん。

再来週『ザ・ボイス』木曜日は、民主党長島昭久さん登場ですけれども、非常に楽しみだ。ただ下手にここでまともなことを言ってしまうと、そのあと党内での立場に悪影響が出そうだけど大丈夫なのかなぁという心配もしています。(タノジ)

青山 さっき離党か?と叫んだのはもちろん冗談で、長島さんそんなつもりはなくて、中で戦うっていう決心をずっと貫いてる人ですから、国民に直接聞いていただくよい機会なんで、長島さんの本音を、よい意味で本音を、しっかり聞きたいと思います。別にあおったりなんかすることはまったくしません。はい。

飯田 長島さんの登場、8月27日です。

青山 あきちゃーん!

暑さもまた、人生。17時だよ!一緒に考えましょう、青山繁晴です。ニッポン放送アナウンサーの飯田浩司です。このあと17時半まで生放送『ザ・ボイスそこまで言うか!』、お送りしておりまーす。

青山 はい。

飯田 有楽町、現在気温28.8℃、湿度80%ありますからねぇ。

青山 30℃は割ってるけど、湿度すごいですね。

飯田 ねぇ~。さぁ、メールたくさん頂いておりまして、ありがとうございます。

青山 ありがとうございます。

飯田 その中から群馬館林から頂きました、44歳の男性の方。館林はまた暑い所ですねぇ~。

青山 あぁ、内陸ね。

オープニングからピックアップセブン1本目、中国の経済についてのお話がありましたが、中国元の下げを契機とするアジア諸国の通貨下げ競争が通貨危機にまで至ってしまった場合、日本の当局は対応できるんでしょうか?(群馬県館林市/44歳/男性)

青山 対応できません。

飯田 対応できない?

青山 うん。これはアジア通貨危機はケースは違っても一回経験してるから、そういう意味では日本のいわゆる当局も、経験則は積んでるわけですけれども、基本的にこれは対応できるっていっても、やっぱりIMFの、アジア...じゃないや、アメリカ通貨基金と言わざるを得ないけれども、国際通貨基金の動きが中心になっていって、日本はそこに協力するってことになるんですけど、この通貨下げ競争を端緒にして、まだ起きるって決まってませんよ?

飯田 ええ。

青山 リスクの話をしてる段階ですけれども、そのケースで通貨危機になった時に何が起きるかっていうのは、ほんとは起きてみないとわかんないところがあるんですよ。

飯田 あ~。

青山 金融の世界っていうのは、《Currency》、通貨まで含めた金融の世界っていうのは、ずいぶん良くはなってるわけですよ。たくさんの経験則が打ち込まれて。

飯田 アジア通貨危機があった後に一応お金積んどこうねって言って、チェンマイイニシアティブみないなものが出来てはいると。

青山 そうです。ただ、常に金融工学が発達すればするほど、新たな危機が起きていくわけですよね?

飯田 ふーむ。

青山 だから日本の悪口を言ったわけじゃなくて、基本的になかなか相当犠牲を出さないと対応できないということになります。だから、もう一度言いますが、日本の景気自体は良くなっていく見通しの方がもちろんいまだに強いですけど、安倍さんもまだ自信を持ってるわけですけれども、何が起きてもおかしくないっていう不安定な情況に入ってることは事実ですから、それぞれの足元で守りを固めることは必要かなと思います。

飯田 青山さん、今その安保法案でニュースも持ちきりですけれども、それは安保が上がった後というのは、経済が来るんだというのはお話されてましたけど。

青山 はい。これは火曜日に政権中枢と長時間議論した時に、僕の方からも申し上げたのは、それから政権中枢からも答えがあってある程度一致したのは、9月の下旬に国会終わりますね?

飯田 はい。

青山 その前の9月10日ぐらいに、おそらく委員会通過を諮ると思います。安保法制をそうやって、とにもかくにも通して、国会を9月末に終わって10月に入ると、内閣改造を今度、間違いなくやります。僕も反対しません、今回は。改造、必要なんで。

飯田 はい。

青山 内閣改造、党人事、やる時に、通貨も含めた新しい経済政策を打ち出すべきであって、秋に無事に臨時国会を開けるとすると、その臨時国会ではアベノミクスの新しい展開を大きな論点にすべきで、その中で消費増税の引き上げを、つまり一割にするってのを前から言ってるとおり、全然事柄が違う。これは総理サイドにももう一度伝えましたけども、今、僕はボールペンを手でいじってますけども、これが、そんな値段じゃないけど974円みたいな半端な値段だったら、その消費税8%って言ったらかしこい日本人もなかなか計算できないけど、一割と言われた瞬間に97.4円ってすぐ出ちゃうから、それは必ず個人消費の頭を押さえるんで、結局、資本主義経済は健全であればあるほど、最後は個人消費をいかに伸ばすかなんで。

飯田 はい。

青山 そうすると、この中国の不安定要因も含めて、総理はこの『ザ・ボイス』で海外要因があったらっておっしゃったわけですから、そういうことに対応するために、また延期っていうんじゃなくて、凍結ということに踏み切るべきだってことを火曜日にすでに申しました。

飯田 はい。

青山 そうすると、拒絶じゃなくて、じっくり考えるっていう返答でしたから、だからこれは国民の中にも経済界の中にも、賛成、反対、もちろんあると思いますよ?

飯田 はい。

青山 やっぱやるべきだって人ももちろんたくさんいらっしゃると思います。でもいずれにしろ、国民の声を届けるためにも臨時国会はこれを議論すべきです。

飯田 はい。さぁ、ご意見お待ちしております。メール、ボイスアットマークイチニーヨンニードットコム。ツイッターハッシュタグ、ボイスイチニーヨンニーです。

17時10分になるところです。今日のニュース、7項目をピックアップして青山さんと解説していきます。後半戦まずはこちらから。

安倍総理が戦後70年談話を明日発表へ

安倍総理は明日、戦後70年談話を発表します。戦後50年の村山談話、60年の小泉談話を、全体として引き継ぐという立場から、今回の70年談話には侵略や反省といった文言を盛り込む方向のようであります。

青山 先ほど火曜日に政権中枢の側と議論をしたと申しましたが、実は複数の人とそれぞれ別個に、絶対情報がもれないようなかたちで、早朝とかも使って議論をしたんですけど、そん時にこの談話のことも僕はあえて議論のテーブルにのせました。

飯田 はい。

青山 もう遅いんですけど。前から談話を出すこと自体に僕は賛成じゃなかったし。その中で、一番僕の印象に残ったというよりは、んー、と思ったのが、公明党の山口代表と会いましたよね?安倍さんが。報道によるとそれまでは、この報道を全部丸めて言うとですよ?それぞれやや違いはあるけどあえて丸めて言うと、それまでは安倍さんは侵略戦争だったとか、あるいはお詫びしますなんてことは、入れないようにしてたと。

飯田 はい。

青山 ところが、公明党の山口さんに詰め寄られて、それが変わって侵略もおわびも入れるようになったっていうふうに報道されてますよね?

飯田 ええ。

青山 ところが、今言ったとおり複数の政権中枢、いずれもほんとの中枢ですけど、全否定。今まで嘘つかれたことないんで、こういうケースで。

飯田 はい。

青山 要するに、実は相当前から今の内容でもう決まってたと。安倍さんの意思で中身決めましたと。これは、メディアの作ったそれはね?メディアの作ったストーリーですと。別にメディアの側が勝手にストーリーを作るのはいつものことであり、はっきり言うと公明党の顔も立つから、それはそれで別に結構ですと。ただし、公明党に言われて中身を変えた事実はまったくないと。そうじゃなくて安倍さんの考え方として、その青山さんの反対も含めて、含めて含めて、安倍さんとしては、それでも村山談話よりは公平なものを出せると思って、かなり長くなってしまってるけれども、格調の高い、つまり人間全体の問題、日本のことをきちんと踏まえながら、日本だけが悪いっていうふうにはしてませんということなんです。

飯田 ふーむ。

青山 僕も、これほんとありのままに言いますが、実物を見たわけじゃないんで、明日発表になってからもう一度皆さんと一緒に考えたいと思いますが、それにしても70年でこうやって出すと、80年、90年でその時の総理が出すんですか?いつまでやってんですか?こんなことを、と思いますけど。

飯田 では続いて5つ目こちらです。

安倍総理が総裁選への出馬に意欲

総理は昨日、山口市内で開かれた会合で講演をしまして、9月に予定される自民党総裁選に立候補する意欲を示しました。総理は明治維新から50年後の節目に山口出身の寺内正毅、そして維新100年後には佐藤栄作氏が首相を務めていたことを紹介しまして、なんとかがんばって、明治維新から150年となる平成30年までいけば、山口県出身の安倍晋三が総理ということになると述べております。

青山 これは実は僕は結構ビックリしました。こんなことを言う必要がどこにあんのかなぁと。事前にまったく聞いてません。地元に入られるってことは聞いてましたけども、これもちろん地元へのサービスの一環としておっしゃってんだけど、やっぱり日本国民全体からしたら、そもそも長州山口県から何人総理が出ようが、それは日本国民全体としてははっきり言えば関係ないことであって。

飯田 ふーむ。

青山 長州という存在を考えると、たしかに幕末から明治維新にかけて、いわば長州の、いわばマッドネスが、つまりもう常識を超えた行動が、かえってそれがパワーになったことも事実ですけど、でも薩長閥で明治以降の日本を壟断したのも事実なんで、そういう話をしながら、発言の例によって一部だけ報道されてるわけですけれども、総裁選に出ますよって事をわざわざ言わなくてもよかったと僕は思います。

飯田 ふーむ。

青山 これって、きわめてしたたかな二階さんの動きに影響されてるってことを誤見しますね?ご存知のとおり二階さんは、一部には野田さんを支えるんじゃないかとか?

飯田 野田聖子さん。

青山 はい。いうような話もあったけど、突如として血判状を持っていったんですよね。血判状って普通は言わないけど、要するに伊吹文明さん、衆議院議長を除いて、衆議院議長の経験者を除いて、派閥の全員に連名で書かして...

飯田 直筆で書かして?

青山 書かして、それをダーっと長いもので、二階さん本人は出てこずに、河村さんっていう派閥の幹部たちに持っていかせて、そしてそれを安倍さんがそれをダーッと広げて見せると。

飯田 はい。

青山 普通、連判状っていうぐらいにとどめりゃいいけど、官邸の受けとめは血判状をわざわざ持ってきたと。

飯田 おー。

青山 これで流れを作っちゃったと。

飯田 はい。

青山 それで安心して、この地元でちょっとこういう発言が出たんじゃないかなと。決して僕は歓迎しないです。

飯田 こういう動きがあるとかえって、じゃあ俺立とうかっていう...

青山 そんなことはない、そんなことはないんすよ。ほんとはそんな問題じゃなくて、誰が立つとか立たないとか、自民党のちっこいコップの中の話ならはっきり言ってどうでもいいんですよ。そうじゃなくて、この150年ね?その明治維新から150年の節目が、また長州山口出っていう話をするのが国益ですか?ということを今僕は疑問に思ってるわけです。

飯田 ニュースピックアップセブン5つ目までご紹介しました。お知らせを挟んで残り2つです。

17時17分です。引き続き今日のニュースを見ていきましょう。続いて、こちらです。

川内原発、あす発送電を再開

九州電力は一昨日11日に再稼動した鹿児島県川内原発一号機が、あす午後18時に発電と送電を再開すると発表しました。核分裂反応を抑える制御棒の機能を確認する検査では異常はなく、作業は順調に進んでいるということです。

青山 これ、再稼動自体はむしろ僕は遅すぎると考えてます。その原子力規制委員会のいわば調査能力が限られてることもあって、無駄に時間を使ってしまって、その間ずっと足下を見られて、油も天然ガスも高いものを買わされて、これ原発動いてなくても何も問題はないと言ってる人や、朝日新聞はじめメディアがいるのは、もう本当に僕は驚くんですけど、少なくとも今原油安になってるから幾分ましにはなってるけれども、その前は一年間に4兆円の無駄が出て、無駄ってのは僕たちからですよ?電気代が上がってるから。

飯田 はい。

青山 それから、原油安になった今でも、明らかに年間でいうと3兆円を越えてる無駄が出てるんで、消費税1%上げて2兆円ですよ?だからそれで何も問題は起きてないってのがいったいどうなってんだろ?この川内原発のある九州の大学の先生が、そんなのは微々たる、取るに足らない話だと発言されてて、電気代がこんなに何割も高くなることが取るに足らないんですか?それで経済を論じてもらっちゃ困るんですよね、生活としても産業としても。

飯田 はい。

青山 でも同時に安倍総理をはじめとする政権側も、やらなきゃいけないことをやってないですよ。それは何かというと、本当の情報公開であって、たとえば、これ朝の虎ノ門ニュースっていうCS放送でも言ったんですけど、昨日TBSはビックリするほど立派な放送をやって、昨日30年を迎えたジャンボ機墜落事故について、圧力隔壁の修理をやった技術者を見つけ出してきて、何もミスしてないって言ったりするっていうね?

飯田 そのインタビューの...

青山 ものすごい、あれはビックリしましたけれども、そのようにアメリカのいいかげんな所が本当はあの事故を引き起こして、亡くなった520人だけじゃなくて、生き残った川上慶子さんたちもズタズタにされてその中で苦しんでこられたわけですよね?

飯田 はい。

青山 同じことが福島第一原発で欠陥炉のマークワンを、アメリカが西海岸で地震が多いから使えないといったやつを日本に売りつけるアメリカもアメリカだけど、それを買った自民党政権と、政権と癒着した東京電力っていうものの責任をちゃんと明らかにしないと、それと日本の国産の、世界で一番安全な原発と何で一緒くたになんのかと。

飯田 ふむ。

青山 それからたとえば僕は事故直後、要するに作業員以外で初めて入って、4合炉がシャッターが開いてたから、地震で壊れてないって目視で確認しましたけれども、青山は一辺見ただけで言ってるって言われるけれども、本当はそれをきっかけにして考えていただくと、誰でもわかることがあって同じ福島第一原発の構内で、5号炉、6号炉がまったく被害がなかったのはなぜかというと、ちょっとかさ上げしてたからですよ。さらにその北の東北電力女川原発は、同じような揺れが来たのに被害が出てない。それも、東北電力の若い技術者ががんばって、事実上かさ上げしてたからであって、つまり水の被害を受けてないわけですよ。

飯田 ふーむ。

青山 それなのに、この川内原発も含めて活断層活断層活断層の話ばっかりする。なぜかというと原子力規制委員会の重要メンバーが、東大の地震研の先生だったからですよ。原子力をはっきり言うとご存じない、勉強はなさったけれども、そんな簡単にわかる話じゃないんですよ。

飯田 ふーむ。

青山 だから余計な所にたくさんの時間を使ってしまって、それもこれも元はといえば、この安倍政権もそういうアメリカのご機嫌を損ねるような情報をちゃんと出してない、出さないまま再稼動だと言われても、みんなは地震に対して大丈夫ですか、備えは大丈夫ですかって当然そうなるわけですよ。

飯田 あれだけ事故調の報告書は出たけれども、結局だから総括まだできてないじゃないかってことになるわけですよね。

青山 総括できてないとも言えるけれども、事故調の報告書でいうと、国会事故調とか有識者の事故調とか、みんな地震ではやられただろうっていうのを、いわば仮説だけどそうやって書いちゃったけど、原子力規制委員会の調査報告書は地震では壊れてないって結論なんですよ?

飯田 ふーむ。

青山 あれもし地震で壊れてるってなったら、ドォーーーン!と報道したはずが、壊れてないとなったらヒュゥっと小さくなってる。それはメディアが歪んでるけど、政権もそれに立ち向かって、都合の悪い情報も出さなきゃいけないですよ。

飯田 では続いて7つ目こちらです。

ISILがクロアチア人男性を殺害か

飯田 ISIL自称イスラム国の分派で、エジプト、シナイ半島を拠点とするISシナイシュというところが、クロアチア人男性を殺害したとする画像をインターネット上で公開したと。

青山 これは自称イスラム国ISISの主張によると、クロアチアがアメリカに協力してる云々かんぬんとか、いろんなことを言ってるわけですけど、本音は要するにシリアとか、中東でいうとトルコに近い、どっちかというと北の方でイラン軍に結構やられてるから、アメリカにお願いされてるイラン軍に。

飯田 はい。

青山 できればイラン軍の手が届かない、エジプトその他で活動を拡大したいってのが本音で、これはクロアチアの方の犠牲がほんとに気の毒ってことに加えて、新たな問題が出てるってことです。つまり押さえが全然きいてないってことで。

飯田 しかも拡散しちゃってるってことですよね?

青山 拡散してる、間違いなく。これカイロに近いところですからね。

ニュースピックアップセブン、7つのニュースを取り上げました。

飯田 お送りしてまいりました『ザ・ボイス』、お別れの時間が近づいてきました。

青山 はい。

飯田 まずは『ぼくらの祖国』新書版、扶桑社新書から先週の金曜日に発売となりました。こちら5人の方、プレゼントであります。ご当選の方発表します。

青山 はい。

飯田 まずさいたま市のツルタさん、同じくさいたま市のコイデさん、チバ市のカワイさん、横浜市カワサキさん、そして墨田区のアブミさん、以上5人の方ご当選です。おめでとうございまーす!

青山 おめでとうございまーす!すぐサインしまーす。

飯田 ありがとうございます。

青山 はい。

飯田 そして、メール一通頂きました、15才高校生の佐々木さん、女性の方です。

夏休みなんで、父に薦められてたまに聴くようになりました。話は難しいけど自分でも考えながら聴いてます。暑い日が続きますが、青山さん体に気をつけてがんばってください!

青山 いいなぁ、自分でも考えながら聴いてくれるってのがいいなぁ。

飯田 件名は『青山さんのファンになりそうです』と。

青山 あ、あぁ、ありがとうございます。できたらその『ぼくらの祖国』、これ言っちゃいけないって言われてるけど、立ち読みでもいいから、これ小学校の高学年から読めるようにしてますから、この番組たしかに前提なしでワーッとしゃべってるから、すぐ理解するのは難しいかもしれないんで、ちょっとできればその、新書版の『ぼくらの祖国』、手にとってみてくださいね。

飯田 はい。

出演者:青山繁晴(コメンテーター)、飯田浩司(アナウンサー)