聞文読報

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8月5日 佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター) 東京2020エンブレム デザイン盗用問題に関する記者会見・質疑応答(全文) 『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』

※2015年8月5日、『東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会』より

記者会見

藤澤秀敏(組織委/広報局長)

皆さま、お待たせいたしました。これから、東京2020エンブレムについての記者会見を始めたいというふうに思います。

この東京2020エンブレムに関しては、ベルギーリエージュ劇場とそのロゴのデザイナーから、東京2020のエンブレムに類似して模倣の可能性があるという指摘がされております。

これに対して東京2020エンブレムのデザイナーの佐野研二郎さんは、私の横にいらっしゃいますけども、ニューヨークに業務で出張中でしたけども、7月31日に「まったく知らない」と、「見たことがない」というコメントを発表させていただいております。

佐野さんは昨夕帰国されまして、早い機会に、東京2020のエンブレムをどのように発想してどのように制作したか、その意図を説明したいというふうにおっしゃっていました。翌朝ということで、お疲れかも分かりませんけれども来ていただいて、この東京2020のエンブレムが彼独自の発想で、独自の製作意図をもって、オリジナルな作品であるということを皆さまに理解していただきたいということで、きょう、記者会見を開くことになりました。

同時に、この件についての組織委員会側の考え方、対応というものについて説明するために、責任者のマーケティング局長の槙英俊も同席しております。それではまず槙の方から、今回の経緯っていいますか、全体の構図といったものについて説明いたします。よろしくお願いします。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

槙でございます。それでは、私の方から経緯についてお話し申し上げます。

ご存じの大会エンブレム、東京2020大会エンブレムは、先日、7月24日金曜日19時20分過ぎになりますけれども、都庁前の都民広場にて、オリンピック・パラリンピック、2つのエンブレムを同時に世界に向けて発表させていただきました。

佐野研二郎さんのこの作品は、国内外104名のデザイナーの皆さんに参加いただきましたコンペティションを勝ち抜いた素晴らしい作品であります。おかげさまで発表直後から、IOCやIPC、トップスポンサーの皆さんなど、過去のエンブレムの使用に慣れておられる海外の皆さんからもたいへん好調なコメントをお寄せいただいております。

そんな中、昨晩ちょっと確認いたしましたら、7月27日のようですけれども、ベルギーにございますリエージュの劇場のロゴが、東京2020大会のオリンピックエンブレムと似ているということを、デザイナーの方がフェイスブック上に掲出され、29日頃からだと記憶しておりますが、メディアの話題になりました。

当初、このデザイナーの方は「ロゴマークは劇場側で、ベルギーを始めヨーロッパ各国で商標登録をしており、商標権の侵害である」と主張されておられました。

大会エンブレムを、発表前に国際商標調査を行ったのはIOCと共に組織委員会でございますので、まずは組織委員会から「国際商標調査を済ませているので問題ない」というコメントを発表させていただきまして、IOCと連携を取りながら情報収集に入りました。

するとIOCの方で、先方が商標登録を行っていないということを確認が取れましたので、8月1日、ちょうどクアラルンプールでIOC総会をやっている最中で、東京2020組織委員会としてもプレゼンテーションを行い、エンブレムのIOCに対する発表も行った日でございますが、そのIOCメンバーを前にIOC総会の場で、IOC調整委員会の委員長、コーツ委員長、この方は東京2020オリンピックをIOCの立場で監督指導していただく方でございますけれども、弁護士資格もお持ちの方なんですが、そのコーツ会長自らが「先方は商標登録をしておらず、まったく問題ない」という、IOC組織委員会を代表するコメントとして発表していただきました。

つまり、冒頭で、この話のはじめで問題とされておりました商標登録に関する議論は、先方が登録していないということに持ちまして解決済みでございます。

そうしましたら今度は、先方が「商標登録はしていないが、劇場のサイト自体はインターネット上で公開されているので、それを見て模倣したに違いない」という主張を開始されました。

確認ですけど、こう主張された、主張されたとおっしゃってるのは皆さま方というか、メディアを通じて我々が見てリアクションしているだけなので、正式にこちらに申し入れがその時点であったわけではありません。

ただ、エンブレムの著作権というものも、すでに佐野さんから組織委員会が譲渡を受けておりますので、本来回答する立場はこちらにあるんですけれども、デザインが模倣かどうかということを先方が言及され始めましたので、31日、月末の時点で佐野さんからコメントをいただきまして「先方のロゴマークは見たことがない」「デザインの参考にはしていない」というコメントを発表させていただきました。

本日、昨晩、海外出張からお帰りになったところではございますが、記者会見の場を開かしていただきまして、デザインのプロセスをお話しいただきたいと思っております。

組織委員会では、そもそもエンブレム選考のコンペティションにあたりまして、特に2つの難しい課題をお願いいたしました。

1つ目は、オリンピックとパラリンピックのエンブレムが違うもので、一目見て違うものであるんだけれども、デザイン的な関連性があること。

それから2つ目は、昨今のオリンピックというのは街中の展開でありますとか、ライセンスグッズへの展開でありますとか、動画やデジタルメディアへの拡張性、デザインの展開力というものが非常に重要になりますので、この2つの課題を満たして下さいということを全員の応募に対して行いました。

今回、発表いただきました佐野さんの作品は、オリンピックとパラリンピックのデザイン的な連動性、それから今日も改めてお見せ致しますけれども、動画ですとかデジタルメディアまで含めたデザインの拡張性、展開力という2点において、非常に優れた提案をいただいておりまして、このことからも、佐野さんのデザインがオリジナルの趣向に基づくということはご理解いただけるものと考えております。

では、佐野さんの方からデザインについてご説明をお願いします。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

佐野研二郎です。

このたびは、東京オリンピックパラリンピックエンブレムのデザインについて、盗用ではないかとベルギーのデザイナーの方からご指摘を受けたことにつきまして、たいへん驚いておりますが、まったくの事実無根です。

この場で私がご説明することは、作成したエンブレムのデザインに込めた思いと、具体的なデザインのディティールに関することです。

まず、はじめに誓って申し上げますけれども、今回の東京オリンピックパラリンピックのエンブレムは、アートディレクター・デザイナーとして、これまでの知識や経験を集大成して考案し仕上げた、私のキャリアの集大成ともいえる作品だと思っております。

自分が生きている時代に母国、日本でのオリンピック・パラリンピックの開催が決定し、ひとりのデザイナーとして大会エンブレムを制作するチャンスを得たことは、たいへん光栄に思いました。

大いなる情熱をもってこのチャンスに挑み、ブラッシュアップを何度も繰り返して、世界に類のないエンブレムが出来たと、完成時に私自身、確信しました。

ちからを出しきって真にオリジナルなものが出来たからこそ、自信を持って世の中に出せる、送り出せるようなものになったんだと思います。

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まず、こちらのボードを見ていただきたいんですけれども。

まず、エンブレムを制作する時に、ひとつの強い核を見つけたいと思って、いろんな方向性を試しました。

その中の1つとして、東京の〔T〕である、このアルファベットの〔T〕というものに注目しました。いくつか、欧文書体っていうのはものすごくあると思うんですけども、その中で《Didot》っていう書体と《Bodoni》っていう書体があり、これは広く世界に使われている書体です。

それを見た時に、非常にこう、力強さと繊細さだったりとか、しなやかさが両立している書体だなというふうに思いまして、このニュアンスを活かすことができないかっていうところから発想が始まりました。

見ていただいてわかるように、ここのアールの部分がありまして、これは、いま楕円的なものが入っていると思うんですけども、僕はこれを見て、亀倉雄策さんが1964年の東京オリンピックの時に作られた、大きい日の丸っていうものをイメージさせるものになるんじゃないかなというふうに思いまして、単純に〔T〕っていう書体と〔円〕っていう書体を組み合わせたようなデザインが出来るのではなかろうかということを思いました。

そこで作ったロゴが、今回の東京オリンピックパラリンピックのエンブレムになります。

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こういうような形のものなんですけれども、これは非常に、ちょっと図解で示しますと、正方形を9分割してるんです。9分割して、ここの真ん中の黒いラインは、このオリンピックのロゴの黒と対比したようなかたちで、黒の帯を取っております。

ここの赤い丸なんですけど、鼓動をちょっとイメージしたようなかたちで左上に置かさせていただいて、この円とオリンピックロゴの円が同じライン上に並ぶようにデザインしていて、ここの跳ねの部分(左上金)はこの大きい円(白地)の周りの部分を使っているものです。右下に、このもの(左上金)を反転して使っているようなものとして、デザインしています。

イコールをモチーフとしたパラリンピックのエンブレムは、オリンピックのエンブレムと2つ組み合わせた時に完成するように、対になるものを意識してデザインしましたので、並べてご覧いただくと意図をおわかりになっていただけるかと思います。

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こちらが、その2つのロゴをアウトライン状にしたものなんですけれども、これで見て、ご覧になっていただいてわかるように、2つのロゴの設計図はまったく同じになっています。

2つのオリンピックとパラリンピックは同等であるということを証明したかったっていうのと、同時に対になって発表するものですのでこのようなデザインになっていて、オリンピックの方はここの部分(真ん中の長方形)が黒になると。

パラリンピックの方はここ(真ん中の長方形)の両サイドが黒になるデザインで、基本的に両方の骨格は同じというデザイン設計にしています。

また、今回の東京2020のエンブレムは、このエンブレムでおしまいということではなくて、展開ということをひとつの重要な要素として考えています。それは『進化』『変化』するロゴということです。

エンブレム発表のプレゼンテーション映像でご覧になった方もおられると思いますけれども、いま一度、ご覧いただきたいと思います。

よろしくお願いします。

(プレゼンテーション映像)

このように形を変え、文字になったりパターンになったりする展開が可能になっているエンブレムです。2020年までに、このエンブレムを起点にさまざまなかたちに展開をしていく、今までになかったアイデンティティになってると思います。

この東京2020の書体なんですけれども、これに関しても今回のオリンピック・パラリンピックのために、東京2020という書体を作成しまして使用しております。

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これを見ていただいておわかりになるように、今の映像で表したように、これはエンブレムをどんどん形を変えているんですけれども、AからZ、もしくは数字の0から9まで作ったりですとか、それで東京2020のロゴを構築しなおすとこういうふうになったりとか、

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つまり、ひとつのエンブレムにしないでどんどん展開できるという、猶予を残したというようなかたちで作成した、そういう設計のデザインになっております。

デザインについての、私からのご説明は以上になります。

本日は、お集まりいただき誠にありがとうございました。

このあと、皆さまからのご質問にできるだけ丁寧に答えていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

最後にお見せいたしました文字への拡張性とか、こういったもの(東京2020フォントを使用したロゴ)ですけれども、発表会の時にはまだ発表しておりません。

本来的には、段々段々、拡張していくってことで、計画的な展開を考えておったんですが、そもそも全体像でデザインしていただいたことをお示しするべきだというふうに考えましたので、本日公表させていただきました。

以上です。

質疑応答

藤澤秀敏(組織委/広報局長)

それでは、ご質問をお受けします。質問のある方は手を挙げていただければ、わたしが指名します。マイクが行きますので、ご所属、それからご氏名をおっしゃっていただいた上、1回にできるかぎり1問にしていただけますか。2問、3問ということになりますと、こちらの方で質問を忘れてしまいますし、ほかの方の質問の機会が少なくなりますので、1問、1回1問の質問ということでよろしくお願いします。

それではご質問、どうぞ。

産経新聞(氏名不詳)

佐野さんの方になんですけども、いま説明をこう、聞かしていただいて、理解できる部分っていうのがすごくあったんですけど、その上でなんですけれども、この似ているという世間の評価というのは、ご自身が見ても似ているというふうに思うものなのかという、ちょっと素人な質問で申し訳ないんですけど、そのことと。

あと通常、そういうふうにしていろんなことを考えて作ったものが、似たものが出ているかというのは、通常、こういうデザインの世界では事前にこう、確認するような作業というのはあるのか、ということと。

あと槙局長の方に、こういった主張をこちらで、こういうメディアに説明をしていただいて、それで一定の理解を得られていくと思うんですが、一方で相手側は、こういった発信を今後も続けていく可能性があると思うんですけども、向こうサイドと何か今後、組織委員会として話し合う余地とか、解決に向けた動きというのを考えてらっしゃるのかということについてお聞かせください。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

まず、最初のご質問なんですけれども、僕自身、このベルギーの方の作ったロゴマークを見た時に、要素は同じものはあるんですけれども、デザインに対する考え方がまったく違うので、正直まったく似てないと思いました。

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2つ目のご質問で、デザインをする時にチェックをするかというお話なんですけれども、通常の仕事ですと、自分の周りだったりとか自分の今までの経験だったりとかする範囲ではもちろん調べるんですが、それ以上のものを、すべての世界中の印刷物を調べるとか過去に戻ってロゴマークを調べるって不可能ですので、今回、世界商標を取るっていうものすごく大きいハードルがあったわけですね。それをかけましてOKを出ているものですので、自分としてはまったく問題ないというふうに思った所存です。


槙英俊(組織委/マーケティング局長)

調査の部分で申しますと、世の中、こういうロゴを作った時に調査はかけるものでして、そこは今回、組織委員会の方で担当しております。

当然のことながら、各国の商標登録してあるものを調べていくわけなんですけれども、その過程は経ておりまして、結果からすると先方が商標登録されてないので、そこで引っかかってこなかったというのが調査の過程でございます。

今後の手続きに関しましては、ご案内のように書簡が届いておりますので、その書簡に対する回答というかたちで対話が初めてとられ始めていきますが、本日のこの会見の内容も先方に伝わることで、こちらが模倣したんではないという趣旨が伝わればいいなと思っております。

報知新聞(キタノ)

先月の29日にこういう騒動というか、浮上しまして、これまで一週間ぐらいどういうお気持ちで、「驚いています」とおっしゃっていましたけれども、どういうお気持ちで過ごしておられたんでしょうか?っていうのを佐野さんに伺いたいんですが。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

わたくしはニューヨークの事務所でこの報道を目にしまして、発表会の時にもそれをちょっと申したんですけども、自分がデザイナーになって、ものすごくこう、オリンピックのエンブレムというか、そういうものを作るのがすごい夢だったんですね。なので非常にこう、喜んでいまして、当初から予定されていた出張に行った矢先にその報道を目にしたので、非常に驚いたと同時に、ものすごいショックで、正直、結構つらいなっていうことはちょっと思いました。

ただ、自分はベルギーに行ったこともありませんし、そのロゴも一度も見たこともありませんので、どうしてこういうことになってしまったのかっていうのは、正直、こう、わからないこともちょっとあって、かなり不安な時間を過ごした、過ごしました。

報知新聞(キタノ)

怒りみたいなものはなかったんですか?

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

いや、それはあまりなく、どちらかというとびっくりして、わたくしはベルギーのデザイナーの方に対して、たぶんこういうきちんとした会見の場で、自分のデザインの考え方とかポリシーをお伝えすれば、理解していただけるんじゃないのかなっていうことを思いました。

朝日新聞(アクツ)

佐野さんにお伺いしたいんですが、先ほどのお話の中で、要素は同じものがあるけど、その「デザインへの考え方がまったく違うので、まったく似てないというふうに思った」というふうにおっしゃられましたが、そこの部分について、具体的に佐野さんのお考えをお聞かせいただきたいのと。

ベルギーの方はこれを似ているという主張をされているわけですが、そういった先方の主張についてどういうふうに思われるかというのを改めてお聞かせ願えますか?

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

(一番最初の“T”のものを見せてもらえますか)

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いちばん最初にご説明したように、これは何もデザインしてないというか世の中に出ている書体で、〔T〕っていうのを打つとすでにこういうものなんですね。自分としては、最終的にエンブレムだったりとかロゴっていうのはシンプルでなければならないというのがありますので、こういうロゴを、こういう、たとえばアルファベットを主軸にして作っていくと、どうしても類似するものが出てくるっていうのがあるんです。

わたしは今回のエンブレムを制作する時に、このデザインの、このタイポグラフィーが持ってる力強さと繊細さをうまくキープした上で、どういうふうにこう、変化さしていくかってことが重要なテーマとして考えていまして、それで亀倉雄策先生の大きい丸とか、そういうものを内包さしてみてはどうかとか、この〔T〕の片っぽ側を下に降ろすとかいうことで差をつけていくっていうデザイン作業をしてったわけです。

朝日新聞(アクツ)

それは理解したんですけど、その上でベルギーのロゴとまったく似てないとおっしゃる、そのデザインへの考え方が違うと。

ってことは、向こうはああいう考えをしていて、こちらはこういう考えで、こういうものだから違うというふうな、違うというふうにおっしゃる根拠っていうか、その理由をちょっと、具体的にお聞かせ願えればなと思ったんですが。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

リエージュ劇場の方は、シアター・リエージュ、〔T〕と〔L〕を主軸において作られてると思うんですね。それでこちらの方は、すべて正方形を9分割して作ってるっていう、そういうグリッドにして作ってるところがありますので、比較していただければわかると思うんですけども、真ん中の大きい垂直の帯と、はじっこについてるこういうものの、この接点がピシっとくっついてるんです。

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向こうの方はそこが離れてたりとかするので、たぶん〔T〕と〔L〕のみで作られてると思うんです。こちらは全部図形として作図してますので、まず、そもそも見て、もともと僕は見てないので、模倣ではまず、ないですよね?

それとデザインの考え方もまったく違うので、出来上がりもおのずと変わってきてると思うんですよ。背景の色ですとか、そういうものも全部違いますし、ということなんですが。

フジテレビ(キシモト)

組織委員の方にお伺いしたいんですけれども、今回、ベルギーの劇場サイドは商標登録をしていないと。していないのをもちろん知った上で、今回、報道されてるような主張をしてると思うんですけども、今後、法的な手段に彼らは出る可能性があるのか、出てきたらどうなさるおつもりなんでしょうか?

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

知った上でなのか、今後のこと等も直接のやり取りになっておりませんので、まったく想像しておりません。

主張に対してはこちらの佐野さんにきょう、やっていただいてますけれども、デザインのオリジナリティーということを説明していくと。

冒頭、申し上げましたように、商標の問題についてはもう、先方が登録されてないんで、こちら側が侵害してることはないということでひとつクリアになってます。

次は著作物、オリジナリティーの問題になっていくんですけれども、この見解については客観的な判断をしなきゃいけない、こっち当事者ですのでコメントを控えた方がいいかもしれませんが、部分が似てるかどうかということではなく、全体の印象として誤認性があるかどうかという判断であるというふうに伺っておりますので、デザインのオリジナリティーとしても、誤認性ということからしても、まったく問題ないというふうに考えております。

相手の出方についてどうするかっていうのは、相手の出方がまだわかってないので、まだ決めておりません。

TBS(マツバラ)

今の質問と重なりますけれども、書簡の中身についてもう一度改めて教えてほしいんですが、法的可能性について言及しているのか、していないのか。

あと、盗作っていうような、さっきは可能性みたいな、似ている云々じゃなくて盗作じゃないかって指摘があったのかどうか、このあたりについて詳しくお願いします。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

書簡はIOCJOCにいま届いて、共有しているところなんですけれども、これから返答するところでございますので、中身については開示できないことになっております。それが書簡自体のルールでございますので、ご了承ください。

TBS(ホシナ)

〔T〕の全体のエンブレムの右下にある銀色の部分なんですけれども、この銀色の部分っていうのは、そこを残したっていうのは、やはり亀倉雄策さんの大円、大きい日の丸を想起させるために、下の銀の部分が残ってるというふうに考えていいのでしょうか?

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

はい、そうです。

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もともとの書体〔T〕からすると、ほんとは上にくるのが通常だと思うんですが、やっぱり今回は東京で開催されるということで、やっぱり赤い丸を心臓の位置に置きたいなっていうのがありまして、それで下にこう、配置しまして、それで全体的に円を描けるようにするのが、1964年のものへのDNAを引き継ぐってことにもなりますし、やっぱり安定性とか、より力強さが出るんじゃないのかなっていう、あと、調和っていうことも出るので、右下に置いたというデザインになります。

テレビ東京(イシイ)

劇場のロゴをデザインした方は、昨夜テレビ東京の取材に対して「書簡を送ったあと一週間ほど返事を待って、具体的なことを考えたい」、これは訴訟、法的な措置ということになるんですけれども、組織委員会はこれに対して、この一週間という期限がつけられてるのかどうかというのと、どういう対応を、こういった場合どういう対応をされるのか教えていただきたいと思います。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

書簡の内容について先方が外に開示されてることについて、ちょっと僕は理解ができないんですけれども、書簡なので、こちら側で検討して回答すると。

内容についてパブリックに、こちらのルールに則ってやろうと思ってますので、パブリックに開示することはしないつもり、してはいけないと思っておりますので、IOCとも協議をしまして、真摯に先方には対応いたしますが、書簡の内容・条件等について公表することは差し控えようと思います。

テレビ東京(イシイ)

こうした場合にどのような対応をとられるのかということなんですが。

槙英俊(組織委マーケティング局長)

それをいま、検討してるとこでございますので、まだこちらでお話することではございません。

フジテレビ(アイザワ)

先ほど、佐野さんに質問なんですけれども、佐野さんあのロゴを、ベルギー人のデザイナーのロゴを見ていないというふうにおっしゃっていましたけれども、ベルギー人のデザイナーは主張で「Pinterestといういろんなデザインを見れるようなサイトにアップしていた」と。「それは世界中のデザイナーが見るものなので、たぶん見ているんじゃないか」というような主張をしてるんですけれども、そのPinterestというようなサイトを今回、見たかどうか改めてお聞かせいただけますか?

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

見ておりません。

わたしとしては、先ほども申しましたけど、今回の東京オリンピックパラリンピックのエンブレムのコンペティションに参加する上で、ものすごいこう、名誉なことだと思ったんですね。それで、こういう機会に、今までの自分の経験とか、全部をつぎ込んでやりたいっていうことを思いまして、それこそ何日も徹夜して作りました。

なので、もちろんそういうものを参考にすることはありませんし、そういうことはまったくないということを、もう一度述べさしていただきます。

ニコニコ動画ナナオ

そうしますと、今までのご説明だと、やはり似ているという指摘はリエージュ劇場側だけじゃなくて、佐野さんに理解していただきたい、日本のネットでも結構、やっぱり話題になってるんですね。それで、似ているのは結果的には偶然だということになるわけですよね?

それで、そうしますと、オリジナリティーという点は、やっぱり似ていたということであれば、そのオリジナリティーとか独自性っていう点で、若干問題はあったんじゃないかと、そういう指摘もあるんですが、その点、いかがでしょうか。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

(隣の槙英俊としばし打ち合わせる)

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オリジナリティーっていう点では、わたくしはそこもすごく考えて作っているものですので、何ら損傷はないかと思っております。

これが似てるかどうかってことに関しても、わたしは、一部分だけ取り出したりとかすれば似てるところはもちろんあると思うんですけれども、全体を見ていただければ、それはまったくないっていうことと、東京オリンピックパラリンピックのロゴが対で作られてる今回のデザインですので、まったく、それは問題ないかと思っております。

報知新聞(カイ)

質問がちょっと、重複しちゃって申し訳ないんですけれども、ベルギーの劇場のものとデザインに対する考え方がまったく違うっていう、この考え方の違いっていうのが、デザインの、我々素人でもちょっと、わかるように説明していただきたいんですけど、どう違うっていうことなんでしょうか?

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

それは繰り返しになってしまうんですが、リエージュ劇場の方はシアターリエージュで、〔T〕と〔L〕で作られてますよね?

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それで、こちらは〔T〕と〔円〕ということをベースにして、ユニットの組み合わせで作っているものですので、まずデザインに対する考え方が違うと言ったのはその意味です。そしてディティールを見ていただいても、ここの部分(金と黒)が接しているですとか、ここにこう、大きい円が入っているですとか、ここの下の書体(TOKYO 2020)も同じなんではないかということをベルギーのデザイナーの方は申しているようなんですけれども、これはまったく違う書体です。それを、それが、そういうことなんですけれども。

なので、表層的に見ても、実際のデザインの考え方としても、まったく違うっていうことは僕は思います。

NHK(コセ)

まず、槙局長にお伺いしたいんですけれど、確認ですが、先方からの書簡に対して中身、具体的には言えないと思うんですけれど、期限を示されて返答を求めている事実はこちらの取材でもあるんですが、別に黙殺することも可能だと思うんですけれど、返答はするかどうかということをお伺いしたいのと。

あと、佐野さんに伺いたいのは、最悪の場合は法廷で争うことになると思うんですけれど、そういった事態になったら制作者としてどのように感じるか、ビックイベントなんで仕方ないと感じるのか、あるいは悲しいことだと感じるのか、どのように感じていらっしゃるのかをお伺いできればと思います。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

こちらはまったく、なんていうんですか?正式な手続き?それからオリジナルのデザイン?もっと言いますと正式なコンペティション?を経て、104人の代表としてここに佐野さんが座ってらっしゃるとこまでたどり着いておりますので、黙殺などせず返答はいたします。


佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

法廷でっていうお話なんですけれども、実際、まだそれはなっていないので、なんとも、わたしの口からコメントはしづらいところではあるんですけれども、いちデザイナーとして、日本人として、誇りを持って作ったものでありますし、いろいろな、世界商標だったりとかいろんなものをクリアしてるものですので、何ら損傷もないというふうに思っていて、わたくしはこの5年後の、2020の東京オリンピックに向けて、このロゴが皆さんの力をもって、より、こう、成長さしていただけたらうれしいなっていうことを思っています。

東京MX(シライ)

先ほど佐野さんのお話の中で、「真のオリジナルのものができた」とおっしゃっていましたが、また、デザインもベルギーのものと比べて違うということでしたけども、結果的に、このような似ているというような指摘ですとか、今後、その法的な段階になる可能性もあるということですけども、2020年に向かって、日本全体が期待している大会だと思うんですけども、結果としてこのような状態になってしまったことについて、どのようなお気持ちでしょうか?

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佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

こういう事態になったことに対しては、非常にこう、残念というかさみしいところはあるんですが、ただ、わたくしの理念としましては、デザイン的には何の損傷もないというふうに思ってますので、もちろんちょっと、この一週間は、なんかちょっとこう、落ち込むというか、そういう時もあったんですけども、やっぱり改めて、このふたつの、東京オリンピックパラリンピックのロゴを、自分がゼロから作ったものですので、見つめなおしてみると、これ以上のものもないし、自分の中でっていうことだけじゃなくて、東京オリンピックパラリンピックのこれからの活動とか、いろんなものをこう、集約していくエンブレムになったっていう自信がありますので、何らその意思は揺らぐことはありません。

テレビ朝日モーニングバード(ナカタニ)

実は、いまネット上で、佐野さんの過去の作品においても「似ている」という指摘が数々あるわけなんですけれども、そういった声がでていると。

「パクリ」などという表現なども飛びかってしまっているわけなんですけれども、デザイナーとして、クリエイターとして、そのような指摘があること自体、どうお感じになっていらっしゃるのか、どう受けとめていらっしゃるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

そういった声があるとしたら、ものすごい残念なことですね。

わたしはアートディレクター、デザイナーとして、ものをパクるってことをしたことは一切ありません。

ですので、どのデザインするものも非常に時間をかけますし、自分の子供のように育ててるつもりですので、そういったお話がでるのが非常に残念なところもありますし、なんかさみしいなっていうことは感じます。

ただ、自分としてはもちろん、いろんなものに影響されることっていうのは必ずあると思うんですよね、クリエイティブっていう意味で。まったくのゼロっていうところからというよりは、普段生活してるものとか、いろんなものから影響されるものはあるとは思うんですけども、クリエイティブとしてそういったものに絶対してはいけないという、自分は定義をもってやっていますので、その誇りというか、それは忘れないでやりたいなというふうに思っております。

フリーランス(マスジマ)

槙さんにお伺いしたいんですが、このロゴを結局、使用する、物品化するとか、市販するとかっていうことに関してはどこからスタートされるというか、この問題について、たとえば、今すでにもうプリントし始めて、いろんなグッズを売るとかっていうことに関しての、実際のマーケティングのプランを教えていただきたいんですけど。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

すでに発表させていただいてるスポンサーの皆さん、それから、すでに前から存在していただいていたトップスポンサーの皆さん、日本においてすでに活用できる状態になっておりますので、どんどんというか順調に?準備を進めておりまして、まったく止めておりません。

皆さんの方からの、心配の懸念も寄せられておりません。

もうサイトに上げてらっしゃる方もいらっしゃいますし、新聞広告等でお使いになった方もいらっしゃいますし、権利はもうすでに発生して、7月24日に発表させていただきましたけれども、あの日から使えるようになってます。

それは、それがまさに商標を確保しているということなんですけれども、世界的な商標調査を行った上の申請をやっておりますので、使える状態になっております。(使っても)かまわないという状態です。はい。

朝日新聞(ハラダ)

佐野さん、ひとつ確認させていただきたいんですけど、いま我々にお示しいただいてるその基本デザインというのは、コンペに佐野さんが提出したそのものなのか、あるいはその後、組織委の方とのやり取りなんかがあって微修正などが加わってこういう形に落ち着いたのか、その経緯も含めてちょっと、教えていただけないでしょうか。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

コンペティション自体は1デザイナー1作品ということに決まってまして、わたくしも展開も含めて、基本はひとつのエンブレムを提出したんですけども、実際、決まりましてから、簡易的な世界商標というか商標を取る前の段階で、これは取れるか取れないかっていう段階がありまして、その時に出した時にちょっと、もうちょっとこういう風にした方がいいんじゃないかとか、いろんな、ご意見だったりとか、ものがありまして、それで先ほどちょっと、ブラッシュアップをしたということを申したんですけども、何回かブラッシュアップをして、これだったら問題ないんじゃないかというところまでたどりついたので、実際、申請を出したところ、世界商標を取得することができまして、発表に至ったという経緯です。


槙英俊(組織委/マーケティング局長)

記事を間違えちゃうといけないんで正確に言いますけれども、国際的な商標というのは、申請してから獲得できるまで、国によってですけども1年とか1年半とかかかるんですね。

オリンピックのエンブレムのルールとしてはそれで、先願主義っていうのをとられるそうで、先に申請した人の優先権が発効します。

したがって、国際調査を経て問題ないと判断した時点で申請して、正確にいうと7月23日に申請して先願権を取るんですね。なので、登録完了という表現になるとそれは間違いになります。

先に申請が終わっているというふうになりますけども、しかしながら先願ということなので、我々が効力を発揮して、いろんなマーケティング活動を開始してるということでございます。

これは毎回、オリンピック、このプロセスを経てやっております。

日刊スポーツ(ナカヤマ)

今回のベルギーの問題とはまた別に、スペインの事務所が以前、発表されたデザインと、今回、色合いが似ているというふうな指摘もなされております。

先方は、特に問題ないというふうなことをおっしゃっておられるようですが、色合いが似るというふうなことも、実際に現実として、起こり得るものなのか、そこらへんを教えていただければと思います。

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佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

スペインのデザインも、報道を通じて初めて僕も拝見しました。それで見た時に、色が似てるっていうことだったんですけども、〔赤〕と〔金〕と〔銀〕とか〔黒〕っていうものっていうのは、別にそのスペインの方のオリジナルというよりは、より日本的な色であると思ったんですね。

それで今回のデザインと似てるという話が出たんですけども、わたくし、まったく似てるというふうに思いませんでしたし、これ、意外とそこを似てるっていうふうにしてしまうと、すべてのデザインが似てくるんじゃないかと思ってるぐらいなことでして、なんかちょっと、それは意外というか、心外な感じがしたのが正直なところです。

日刊ゲンダイ(イマイズミ)

佐野さんと、組織委員会の皆さんにもお伺いしたいんですけど、今日のご説明を伺っておりますと、佐野さんがこのデザインに込められた意図であったりとか思いであったりということはよくわかるんですが、やはりオリンピックのエンブレムというものは、それをどう評価するかっていうのは、大会に関わる人であったりとか、実際に我々、メディアという意味ではなくて、一般の人々がどう感じるかっていうのがたぶん、いちばん大事になってくるんじゃないかなぁと思うんですね。

それで多くの方が、やはり先ほどもご質問にもありましたけれども、やっぱりそのベルギーのシアターのロゴに似ているというような評価を、現時点でもうしてしまっていると。

大会まであと5年ぐらいありますよね?

その間も同じような評価が、ずっとこのエンブレムに付きまとってしまうということに対して、どのようにお考えになっているのかということをぜひ、どなたでもかまいません、お伺いできればと思うんですが。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

本日の説明をもって、まずはデザインのオリジナリティーについては、皆さんのおちからを拝借してですけれども、広く理解いただけるのではないかと信じております。

それから、ベルギーの問題が起こった以降も、何て言うんですかね?このエンブレムは、たとえば冒頭、申しましたように、IOCでありますとかトップスポンサーの皆さんでありますとか、オリンピックのエンブレムをずっと使用していただいてる方々から、非常に高い評価を得てるんです。

もちろん、エンブレム自体の好き嫌いであるとかいうところは、強制するものではないとは思っておりますが、確実に、我々の職員でありますとか周辺にいる方々が、非常に、勇気をもらったとかがんばろうっていう気持ちになったという声が寄せられておりますので、徐々にご理解が、今日の報道も期待するところなんですけれども、込めた思いが伝わっていくんではないかと。

それから、コンペティションをしましたのも、まさに64年のあの亀倉雄策さんのデザインというのは、広く日本の皆さんに勇気を与えたというふうに伺っておりますので、いま佐野さんに代表される?104人の方が力を競い合うことで、亀倉さんに次ぐようなデザインを生み出そうという思いで、数ヶ月間やってまいりましたので、このポリシーであるとか、結局、そのデザインをされた方?それから選んだチーム、含めた思いが、こういったものの力を生んでいくのだと信じておりますので、時間をかけて、皆さんと育てていって、育てていきたいですし、育てていっていただきたいなと思っております。

産経スポーツ(タダキ)

佐野さんの思いなどは充分、理解はさせていただきましたが、世情ちょっと、批判されているひとつの理由の一端として、フェイスブックとかツイッターが閉じられていて、そこでの発信をされていなかった、ホームページには5月で閉じていたと書いてありましたけれども、一般はそう受け取っていなかったということで、批判も起きたんだと思います。

それと、ミスターデザインツイートというのは本来、佐野さんのアカウントであったのかどうか、いま現在そのアカウントで、かなり挑発的な文言があがっているわけですが、それが関係ないというふうにホームページにありましたけれども、それについて関係ないのであれば、何らかの対抗措置をとってらっしゃるのかどうか。また、その挑発的な文言についてどのように考えてらっしゃるのか、その辺お願いします。

佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)

ツイッターフェイスブックに関しては、5月で2つとも退会をしてまして、なので、たぶんミスターデザインのページにそのリンクが残ってたっていうことがあると思うんですけども、それは今回の騒動で退会したわけではなく、もう3ヶ月前になると思うんですけれども、そこで退会、え?(フジサワに話しかけられる)、あ、閉じております。

結構、仕事的にわりとバタバタしてきたっていうことと、わりと普段から結構、どうしても見てしまったりしてたっていうのがあるので、一回、ちょっと距離をおいてみようかなっていうことを自分的に思いまして、アカウントを、ちょっと自分のやつを外したという感じにしました。

そして、いまツイッターで僕が前から使っておりましたミスターデザインツイートっていうものが、いまちょっと、もう一回使われてるということなんですけれども、それはいわゆる乗っ取りというかそういうところで、わたくしであるとか、わたくしの会社の人間がやってるものでは決してございません。

いま、ツイッター社の方に削除を申請しているところです。

共同通信(ハセガワ)

槙局長にお伺いしたいんですが、結果的に組織委員会側の今日の説明でよくわかったんですが、意図に反してベルギー側のサイドが法的措置をとった場合、このエンブレムが法的に争われるという状態になった時に、正直、そのマーケティング活動への影響といいますか、先ほど、スポンサーサイドからは特に心配は寄せられてないということでしたが、新たなスポンサーを増やしていかなきゃいけないとか、あるいはスポンサーに対してのサービスを充実させていかないといけない中で、ロゴが法的に争われてしまうということに対しての、組織委員会としての懸念みたいなものは、いまあるのかどうかというお考えをお聞かせください。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

書簡に、繰り返しになっちゃいますけど、書簡に対する対応を慎重にIOCと検討しながらやっているところなので、まず、こちらのリアクションに関してここで申し述べることはできません。

ただし客観的にいった、これが模倣であるかどうかの、今日、オリジナリティーについてはお話しましたけれども、著作権的な模倣にあたるかどうかというところについても、わたくしも報道を見させていただいてますけど、客観的な発言として、あぶないとかおっしゃってる弁護士の方がいらっしゃらないということをみても、IOCはそこまで判断して問題ないということを、IOC総会の方で言い切ったとこもございますので、何ら心配ないですよということを、スポンサーの方にも言い続けますし、現時点でスポンサーの方からも、おそらくスポンサーの方も法務室とかがあって、ご自身の判断もできる立場だと思いますが、懸念の問い合わせは一切、受けておりませんので、このまま粛々と進んでいきたいと考えております。

日経BP社(マルオ)

ひとつ、商標についてお伺いしたいんですが、その商標の取り方として、そのマークの、その上の半分のマークと、TOKYO 2020、あとオリンピックの5つの輪のマーク、これセットで取ってるんですかね?それとも上のマークだけとか、そういう部分、部分で取ってたりするのかと。

あと、先ほど見せていただいたアルファベットのマーク、ああいうところも商標を取ってらっしゃるのか、というところについてお聞かせください。

槙英俊(組織委/マーケティング局長)

商標については、上のマークだけで調査をかけて申請します。なので、下の五輪はIOCの持ち物ですので、これを申請しても受け入れられないということになります。

アルファベットにつきましては、今日は期せずして早く開示してますので、今後、確認しながら進めてまいります。

現時点ではこの上のマークでしかやってませんが、バリエーション展開ということになりますので、問題ないかとは思っておりますけれども、確認しながら進んでいくっていうのは常に、最初からその姿勢で臨んでおります。

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フジサワ(組織委/広報局長)

それではこれを持ちまして、TOKYO2020のエンブレムに関する記者会見を終わり、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

二人が退場いたしますので、ちょっとメディアの方、わたくしの方からお願いもありますので、そのまま待機していただければというふうに思います。よろしくお願いします。

今後の取材について、わたくし、広報局のフジサワと申しますけれども、皆さまにお願いですけども、オフィスとか自宅への直接取材は、業務とか家庭生活に影響が出るというおそれがございますので、ご遠慮いただければというふうに思います。

組織委員会、そして佐野さんについても、窓口として組織委員会の広報が責任をもって対応をいたしますので、組織委員会の広報の方に問い合わせ等を、要請等をしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。

今日はどうもありがとうございました。

発言者:佐野研二郎(デザイナー/アートディレクター)、槙英俊(組織委/マーケティング局長)、藤澤秀敏(組織委/広報局長)

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